満開のレンテンローズ(春咲きクリスマスローズ)の鉢、俯かずに顔を上げて咲いてるコが独り(^_^;)
気温20度を超えた今日、外出時に大活躍したニット帽&手袋は洗濯して仕舞ったけど、未だに朝と夜は
屋内なのに手袋してる(@_@;) 手のシモヤケは治ったけど、ヒートテックも靴下だけは履いてる(^^)
気に入ったから南部せんべいを今日も夕食後に食べたら腹が膨れちゃってチト気持ちが・・・(-ω-、)

【読んだ本】

小林信彦『映画狂乱日記~本音を申せば⑫』(文春文庫,2019)所蔵本

承前m(__)m 三船敏郎が書いた「西遊記」の脚本、製作・監督・主演(孫悟空)も三船で、猪八戒は
高見山、沙悟浄はサミー・デイヴィス・ジュニアとなっていたという「凄くて不思議な──三船敏郎」
(15年10月1日号)から、「古い洋画と新しい邦画」(15年10月8日号)、「映画の裏がわは」(15年
10月15日号)、「ロバート・アルトマンという男」(15年10月22日号)、〈アメリカ人が描く「黒澤明
と三船敏郎〉(15年10月29日号)、「晩秋疲労日記」(15年11月5日号)、〈映画「ヒトラー暗殺、
13分の誤算」〉(15年11月12日号)、「渋谷のハロウィーン前後」(15年11月19日号)、「高倉健の
一周忌に思う」(15年11月26日号)、「わが雑読・雑感」(15年12月3日号)、「映画と原作の差」
(15年12月10日号)、「原節子という大きな星」(15年12月17日号)、「混乱の一日」(15年12月
24日号)、「日米の〈普通の人々〉映画」(15年12月31日/16年1月7日号)、「あとがき」、芝山幹郎
「解説──実景を知っている人」を読み、本書読了(^_^;) 気になった件をメモした_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    双葉十三郎さんの「外国映画ぼくの500本」(文春新書)の中に、映画は二十世紀で
    終って、二十一世紀の映画にはロクなものがない、という一行がある。/ぼくは
    ジェームズ・キャグニーとケイリー・グラントが亡くなってから、洋画は見るもの
    なしかと思っている。クリント・イーストウッドは良いが、監督としてすぐれていても、
    スターとしての輝きはやや弱いという気がする。

    洋画はどうもぱっとしないと思うのだが、邦画の小品はやたらに見たくなって困る。

    一九七三年(昭和四十八年)という年は、「仁義なき戦い」シリーズを中心とする
    東映作品群で記憶されるが、あとは「男はつらいよ」シリーズとロマンポルノがあった。
    /そういう風に考えていたので、東宝映画の「野獣狩り」は題名も知らなかった。
    チャンスがあったら見た方がいいですよ、とぼくにすすめたのは大瀧詠一さんであった。

    現実にさらわれたのは、シンシア・アン・パーカーという女性で、彼女は〝野蛮人〟
    から救出されたものの、コマンチ族との性的交わりを押しつけられた結果、その魂が
    〝汚されて〟いる。この女性の体験は何度も物語として作りかえられ、〈基本的な
    アメリカ神話〉の一つとなった。一六八二年にアメリカでの初めてのベストセラーとなった
    メアリー・ロウランドソンの手記がその原型であり、それが西部劇「捜索者」の原作に
    まとまるまでを追ったのがグレン・フランクルの「捜索者 西部劇の金字塔と
    アメリカ神話の創生」(新潮社)である。史実と秘話の徹底的な解剖といって良い。

    彼女が国策に従っていたと見えるとしても、小津安二郎の「演出家の中には彼女の個性を
    つかみそこね、大根(役者)だの何だのと言う」という名言がすべてを消した。以後、
    原節子を悪く言う人間はいない。

    [ステュアート・ガルブレイス4世著]「黒澤明と三船敏郎」[亜紀書房]で読むところが
    あるとすれば、20世紀FOX映画「トラ・トラ・トラ!」降板事件であるが、これはすでに
    日本人の手による実録が書かれている。ただ、アメリカ人の著者は、このとき、黒澤明を
    裏切ったのが誰かをはっきり書いている。

    「ドクター・スリープ」[文藝春秋]は、キングの長篇第三作「シャイニング」の続篇
    である。「シャイニング」はスタンリー・キューブリック監督による映画化で、世界的に
    有名になった。ぼくもこの映画を面白く見たが、ラストがキングの原作とちがっている。/
    キングはそれに怒って、自分で「シャイニング」を映像化したが、これは原作には忠実だが、
    力のない作品だった。

    エルザーは長い間、奇妙な不平分子としてドイツ本国で軽視されていたらしい。現在では
    ゲオルク・エルザー記念館が建てられ、ある種の英雄視をされているという。

    わからないのは、ヒトラーの死後も、ドイツ人はエルザーについて興味を持たなかった
    という事実である。だから、映画の脚本は記念館館長の協力を得て、資料のすべてと
    エルザーの近親者の談話によって作られたというのだ。/〈女性に好かれる
    ミュージシャンで、人生と自由を愛する男〉と〈ナチズムの全体主義に抗する
    レジスタンスの闘士〉というイメージはまるで一致しない、というのが多くの人の
    意見であり、ヒトラー暗殺に突き進む男とは見られなかった。まして、残酷な尋問を
    受けても屈しない男とは、とても思われなかった、とプログラムに記されている。

    戦後、ドイツが東西に分割されていた時は、西ドイツではエルザーは共産主義者と
    見なされ、東ドイツでは無視された。エルザーが見直されたのは、一九九〇年の
    ドイツ再統一以後のことであり、復権署名運動は一九九三年に始まった。

    七〇年前、日本が戦争に負けた時から、アメリカ文化がどっと入ってきた。/
    ──というようなことがよく書かれているが、敗戦のとき、中一だったぼくでさえ、
    戦前のアメリカ映画を見ている。子供向きのポパイ大会、それからハワード・ホークスの
    「コンドル」やターザン映画だ。/アメリカ映画は敗戦の翌年の「春の序曲」にはじまり、
    マッカーサー司令部からみて〈日本人に見せてもよいアメリカ映画〉が封切られた。つまり、
    悪いアメリカ人が出てくる「怒りの葡萄」、あまりにドギつい西部劇はストップである。/
    こうなると、喜劇、音楽映画、伝記映画のたぐいが多くなる。ミュージカル映画ももちろん
    あったが、МGМのアーサー・フリード製作のスマートなものより、やや泥くさい
    音楽ドラマが配給された。/その中で、実に楽しく、双葉十三郎さんが〈さわやかで新鮮〉と
    ホメたのが「姉妹と水兵」である。        

    [『私のハリウッド交遊録 映画スター25人の肖像』エスクァイアマガジンジャパンの監督
    ピーター・]ボグダノヴィッチの面白さは、マーティン&ルイスのような複雑な人間関係に
    平気で質問できるところにある。

    「黒澤明 樹海の迷宮」(小学館)は、野上照代、ヴラジーミル・ヴァシーリエフ、笹井隆男
    による〈映画「デルス・ウザーラ」全記録1971~1975〉である。

    「卍」は人間関係が複雑な小説で、映画を見てから小説を読んだ方がいい。ただし、原田芳雄
    [・樋口可南子]版の方が[若尾文子・岸田今日子・船越英二版よりも]ストーリーが単純
    なので、こちらを先に見てから、原作を読む方がいいかも知れない。

    ある評論家が世界の映画界の荒廃に触れて、いっそ古い映画を見ろ、と書いていた。/
    新しい年を迎えるにあたって、それは余りにも気短かだと思わないでもない。しかし、
    故人となった評論家、双葉十三郎氏も晩年、ほぼ同じことを言っていた。

今までのメモと照らし合わせると、内容が連関してるね(´・_・`) 週刊文春の連載を摘み読みするより
一冊に纏められてから通読した方が論旨は明確に(^_^;) 「日本人の手による実録」とは、田草川弘の
『黒澤明vs.ハリウッド 『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて』(文藝春秋,2006)を指すなら、手帳
を見ると、2007年9月に借りて読了済だけど、全く内容を憶えてないから、読んだことにならんな(^_^;)
「あとがき」の最後には、「クロニクルであるこのエッセイ集の、今までの刊行分は次の通り──。」
として、本書(18冊目)を含む19冊の書名が挙げられていて、本書までは文庫化され、「文春文庫」と
表記されているんだけど、本書の表紙カヴァーの袖を見ると、「文春文庫 小林信彦の本」には、この
エッセイ集は12冊目から本書までの7冊しか載ってない(-ω-、) 図書館で借りろ、ということか(^_^;)

・「映画をめぐる人々」(2015年1月15日号)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-01-14

・〈「素晴らしき休日」の面白さ〉(15年1月22日号)~「〈死〉と〈生〉と美女たち」(15年3月5日号)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-03-10

・「空襲・ヒッチコック・アカデミー賞」(15年3月12日号)~「映画と空間」(15年5月7日/14日号)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-03-12

・〈映画「海街diary」の感動〉(15年5月21日号)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-03-14

・「一九三九年のアメリカ映画」(15年6月4日号)~「映画の本を雑読すれば」(15年7月2日号)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16

・「沖縄慰霊の日と海外報道」(15年7月9日号)~「オーソン・ウェルズ生誕百年」(15年9月24日号)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-03-18