+1で始まる電話番号から厚生労働省を名乗る怪しい電話が連日かかってくる(@_@;) 女の音声で
たしか、〈こちらは厚生労働省です。あなたの生活保護が変更されました。重要な書類があります。
日本語の場合は1を、中国語の場合は2を押して下さい〉といった内容のメッセージの後に中国語が
流れる(@_@;) モチ生活保護は受けていないし、長くて留守録を使い切るので着信拒否に(@_@;)

【読んだ本】

駒田信二『漢詩名句 はなしの話』(文春文庫,1982)所蔵本

前回(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-07-04 )の続きになるけど、今回は
「一鳥啼かずして山更に幽[しず]かなり」で、王安石の七言絶句「鍾山即事」の第四句から(^_^;)
「即事」とは「眼前の風物を見たまま詩に詠ずるという意」で、王安石の詩には「即事」を詩題(の
一部)にしたものが多く、また「その詩は精妙な修辞と典故の逆用とを以て従来の詩には見られない
新鮮さを示し、散文でも古文派の名手として唐宋八大家の一人に数えられる。」由__φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    ・・・結句の「一鳥啼かずして山更に幽かなり」は、六朝の梁の王籍(生没年不詳。
    五〇〇年代)の「入若耶溪」(「若耶溪[じゃくやけい]に入[い]る」)と題する
    五言古詩に、

      蟬噪林逾靜  蟬噪[さわ]ぎて林逾〻[いよいよ]静かに
      鳥鳴山更幽  鳥鳴きて山更に幽かなり

    とあるのを逆用したもの。/・・・


    ・・・/なお、芭蕉の、

      静かさや岩にしみいる蟬の声

    は、王籍の「蟬噪ぎて林逾〻静かなり」を踏まえた句であろう。/

ちなみに、駒田信二『中国詩人伝』(芸術新聞社,1991)の「王安石」の章には次の指摘が(@_@;)

    ・・・/──なお、芭蕉の、

      閑さや岩にしみ入蟬の聲

    は、王籍の「蟬噪ぎて林逾々静かなり」を踏まえた句であり、蕪村の

      畠うつや鳥さへ啼かぬ山かげに

    は、王安石の「一鳥啼かずして山更に幽なり[ママ]」を踏まえた句であろう。/・・・

手元の久富哲雄(全訳注)『おくのほそ道』(講談社学術文庫,1980)、今栄蔵(校注)『新潮日本
古典集成 芭蕉句集』(新潮社,1982)、井本農一『芭蕉入門』(講談社学術文庫,1977)、麻生磯次
(訳注)『現代語訳対照 奥の細道 他四編』(旺文社文庫,1970)、中山義秀『芭蕉庵桃靑』(中公
文庫,1975)には出てないが、頴原退蔵&尾形仂(訳注)『新版 おくのほそ道 現代語訳/曾良随行
日記付き』(角川ソフィア文庫,2003)には〈・・・「閑かさや」の一句また王籍の「蟬噪林逾静、
鳥鳴山更幽」以下、杜甫「伐木丁々山更幽」王安石「一鳥不啼山更幽」などの詩をふまえつつ、「岩
にしみ入る」の措辞にそれらを越えた新しい詩境を拓いている。〉とある(返り点等は略)(@_@;)
何を踏まえたものなのかを明らかにするだけでなく、その解釈への影響をも示してほしいね(@_@;)
ちなみに、wikiの「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の項を見たら、この蝉はアブラゼミであるとする説
(斎藤茂吉)とニイニイゼミであるとする説(小宮豊隆)とで論争があった話しか記してない(^_^;)