拾い読みして面白そうだと衝動買いして後でじっくり読むとガッカリが多いが本書はどうか(@_@;)
ただ、拾い読みして面白そうと思った部分もあるわけだし、また支払った金額にもよるわな(@_@;)

【四日前に買った本&読んだ本】

河添房江『唐物の文化史 舶来品からみた日本』(岩波新書,2014)

4日に別のブックオフ(都内)へも足を延ばして、550円のをウルトラセールゆえ440円で購入(^_^;)
初見の本書だが、マスクで曇る老眼鏡は用いずに両手を伸ばして「はじめに」を何とか読み取ると、

    ・・・舶来品すなわち唐物が、古代から近世までどのように日本文化史に息づいて
    いるのか、美術品や歴史史料のみならず、文学作品も用いて明らかにしていきたい。
    ・・・/・・・それぞれの時代の権力者たちの権威と富の表象としての唐物のあり方に、
    スポットを当てていきたい。その際、キーパーソンとして考えていきたいのは、聖武天皇、
    嵯峨天皇、仁明天皇、藤原道長・実資、平清盛、奥州藤原氏、金沢貞顕、佐々木道誉、
    足利義満・義政、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康・吉宗といった人物である。/・・・

ここまで読んだだけで、面白そうだと思ったので、買う価値があるかどうかを図書館で借りて読んで
確認する手続もなしに、衝動買いしてしまった(^_^;)

    はじめに

    第一章 「唐物」のはじまり──正倉院と聖武天皇

     唐物のルーツをたどる/『万葉集』の中の「舶来品」/日本産の「からもの」/
     正倉院の錦の逸品/聖武天皇の遺品のあれこれ/遣唐使・吉備真備がもたらしたもの/
     聖武天皇の舶来趣味/聖武朝の国際関係/新羅使がもたらした舶来品/鑑真の来朝/
     王羲之父子の書跡/異国文化受容の糧として/

    第二章 百花繚乱、貴族があこがれた「異国」──「国風文化」の実像

     嵯峨天皇という人/「茶」の伝来/王者を彩る文物/正倉院の新羅琴/嵯峨朝と渤海/
     渤海国使と正倉院宝物/承和の遣唐使/仁明天皇の唐物趣味/富裕層への広がり/
     「国風文化」の実像/黄金と「火鼠の皮衣」/『うつほ物語』と二つの交易ルート/
     秘色青磁と瑠璃/俊蔭が招来した唐物/蔵開以降の世界/

    第三章 王朝文学が描く唐物趣味──『枕草子』『源氏物語』の世界から

     『枕草子』を読み解く/唐の紙と青磁/定子の華やかな正装/
     「この世をば わが世とぞ思ふ」/道長の書物への愛着/入宋僧との交流/
     実資が残した記録/『源氏物語』の時代/源氏の女君たちと和漢の構図/
     薫物は和か漢か/『うつほ物語』と『源氏物語』の香り/舶来の紙の手本/
     「光源氏」にあこがれた人々/

    第四章 武士の時代の唐物──福原・平泉・鎌倉

     平清盛の台頭/清盛と『源氏物語』の明石一族/福原での日宋貿易/
     「揚州の金、荊州の珠……」/『平家納経』と『太平御覧』/世界遺産・平泉と唐物/
     『吾妻鏡』の記事/鎌倉将軍と北条一族/沈没船は語る/渡海僧・渡来僧の時代/
     金沢文庫の遺物から/兼好の唐物嫌い/『明月記』と『徒然草』/

    第五章 茶の湯と天下人──中世唐物趣味の変遷

     バサラ大名、佐々木道誉/道誉の「逸脱の美学」/足利義満と「日本国王」/
     朝鮮との外交/義満の文化戦略/美術品としての唐物/『君台観左右帳記』の世界/
     義政と書院の茶/「つくも茄子」の行方/「和漢のさかいをまぎらかす」/
     信長の名物狩り/「茶湯御政道」/信長御物から太閤御物へ/家康から柳営御物へ/

    第六章 庶民が夢みる舶来品へ──南蛮物・阿蘭陀物への広がり

     家康の「御分物」/南蛮貿易のはじまり/信長・秀吉の南蛮趣味/秀吉の強硬外交/
     家康の親善外交/南蛮貿易の終焉とオランダの台頭/鎖国体制の確立/
     カピタンたちの記録/「蘭癖の将軍」吉宗/朝鮮人参とサトウキビの国産化/
     天皇に謁見した象/庶民たちの「象フィーバー」/江戸初期の唐物屋/西鶴のまなざし/
     庶民でにぎわう唐物屋/阿蘭陀趣味の流行/金唐革の変貌/唐物屋の終焉/

    終章 舶来品からみた日本文化

     唐物の歴史/尚古趣味と新渡り物/和製の唐物/唐物の日本的受容/
     「日本の中の漢」に位置する唐物/「日本の中の和」にとりこまれる唐物/
     「和漢のさかいをまぎらかす」再考/

    参考文献

    あとがき

藤原道長の日記『御堂関白記』や藤原実資の日記『小右記』を読んできて気になったため拙ブログで
取り上げた論点も本書は論じていて、教えられる点がある一方、それは違うだろ~という点も(^_^;)