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230107読んだ本

知識が増えるのは結構なことだ(@_@;) たとえ典拠が不明でも何時か何かの役に立つかも(@_@;)
だけど、ネット時代だからこそ、出典も示さずに垂れ流すのは止めてほしいもんだ( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

【読んだ本】

倉田喜弘編『江戸端唄集』(岩波文庫,2014)所蔵本

〈近世末期を中心に流行した、三味線を伴奏にする民衆歌曲「端唄」・・・〉と本書巻末の広告頁の
「岩波文庫の最新刊」に本書は紹介されているけど、「端唄[はうた]」のことは全く知らん(^_^;)
本書の「端唄百番」の六四「薄墨」は「うすずみに かく玉章[たまづさ]も おもひして 雁なき
わたる よひやみや・・・」で始まるけど、その注に次の説明が(@_@;)

    〇うすずみに… 薄墨の神主といわれた住吉大社(大阪市住吉区)の津守国基
    (一〇二三-一一〇二)の歌、「薄墨にかく玉章のこゝちして雁なきわたる
    夕闇の空」(摂津名所図会)。

津守国基の代表歌は「薄墨にかく玉梓と見ゆるかな霞める空に帰るかりがね」(久保田淳&平田喜信
[校注]『新日本古典文学大系8 後拾遺和歌集』[岩波書店,1994]は「薄墨紙に書いた手紙のよう
に見えることだ。霞んでいる空を(文字の形をして)帰っていく雁の姿は。」と歌の大意)であり、
第三句以下が全く違う(@_@;) また津守国基は勅撰集入集のため撰者に賄賂を贈ったことで有名も
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-06-01 )、「薄墨の神主といわれた」
なんて、手元の『後拾遺和歌集』の注釈書6種には出てなく(藤本一恵『後拾遺和歌集全釈 上巻』
[風間書房,1993]に「・・・藤井戸の神主と号した。」と、同[全訳注]『後拾遺和歌集(一)』
[講談社学術文庫,1983]に「・・・藤井戸神主と号した。」とある)、「薄墨に」の歌の詠作事情
も藤原清輔の歌学書『袋草紙』は紹介するが、小沢正夫&後藤重郎&島津忠夫&樋口芳麻呂『袋草紙
注釈 上』(塙書房,1974)や藤岡忠美(校注)『新日本古典文学大系29 袋草紙』(岩波書店,1995)
にも出てない(@_@;) とまれ、典拠が不明だけど、知識が一つ増えた〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
タグ:歴史 和歌
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

摂津名所図会が間違えて掲載したものをそのまま引用したのかも。
「賄賂の神主」じゃだめなのかな・・・・(笑)。
by tai-yama (2023-01-07 23:08) 

ナベちはる

出典があればその知識はまだ信頼できますが、いろいろな情報があふれている現代において出展がないのはあまり信頼できないですよね(^^;
by ナベちはる (2023-01-08 01:07) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 「賄賂の神主」じゃだめなのかな座布団1枚 ♪
tai-yama様、小鰺の樽を贈って『後拾遺和歌集』が「小鰺集」と呼ばれる
ようになったぐらいですし、小鰺の神主と呼ぶのが相応しいですね(^_^;)
『摂津名所図会』は江戸時代のですし、この歌を誤記するようでは(^_^;)
観光案内として江戸時代に創作・捏造した呼び方の臭いがプンプン(^_^;)
by middrinn (2023-01-08 05:54) 

middrinn

もし出典が明記されているなら、それだけで、
ナベちはる様、信用性が増しますよね(^_^;)
逆に、出典が記されてないと、その真偽を検証
・確認しようがないわけですからねぇ(^_^;)
ネット社会では出典を明記してない記事自体が
出典のようになっちゃってますからね(^_^;)
by middrinn (2023-01-08 06:57) 

df233285

民間企業に御勤めの方は特に、アナログ社会であっても、
出典がそもそも存在したかどうか、一般論として出力する前に、
頭の中でチェックする必要があります。職場で他人が使うと
前から概念が有ったように思ってしまいますが、実は錯覚で。
その創作者が自分自身であったという事も、しばしばあります。
そのようなケースには、安易に公共でまる出しにしてしまうと
ライバル会社が只儲けになり、結局自分の首が危なくなる事が、
充分に有り得ます。

by df233285 (2023-01-08 08:00) 

middrinn

コツ・カン・センスなどといった経験知よりも、
エヴィデンスが持て囃されていますが、とまれ、
何か主張する場合に根拠は不可欠ですね(^_^;)
経験知は主張者の経験=実績が担保かと(^_^;)
by middrinn (2023-01-08 08:57) 

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