6月末まで実施されるキャッシュレス払いによる5%還元、高い古本ほど割引額が大きくなるわけだし、
もしかするとギフト券を利用した場合はギフト券の分を引いた額から5%割引かもしれず、そうなると
損した気分になるので、ギフト券ゲット前だけど、チト高い古本を昨日注文しちった( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

【読んだ本】

澁澤龍彦+巖谷國士『裸婦の中の裸婦』(文春文庫,1997)所蔵本

昨日の芸術新潮2020年4月号の大特集「ロンドン・ナショナル・ギャラリー 西洋絵画の殿堂で学ぶ、
名画のみかた」でも紹介(扱いは小さいけど)されてたディエゴ・ベラスケス《鏡のヴィーナス》、
澁澤龍彦『幻想の肖像』(河出文庫,1986)の一篇「鏡の前のウェヌス ディエゴ・ベラスケス」が
取り上げてて、その〆の文章を引く( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

    ・・・/一九一四年、このウェヌス像は、ある婦人参政権論者の女性によって、
    七ヵ所にわたって傷つけられたことがあり、その修理の跡は、いまでもかすかに見える。
    この昔のウーマン・リブの女性は、美しいウェヌス像に嫉妬したのかもしれない。

澁澤龍彦&巖谷國士『裸婦の中の裸婦』(文藝春秋,1990)も「うしろ向きの女 ベラスケス 鏡を見る
ウェヌス」でベラスケス《鏡のヴィーナス》を対話体で主題とし、〆の文章は次の通りC= (-。- ) フゥー

    ──最後におもしろいエピソードを紹介しようか。この「鏡を見るウェヌス」の中に
    横たわるウェヌスの美しい背中とお尻は、一九一四年、ある婦人参政権論者の女性に
    よって、七カ所にわたってナイフで傷つけられたことがあるんだ。その修理の跡は
    いまでもかすかに見えるというがね。

    ──ほう。それはとんだ災難だったな。同情に堪えない。もしかしたら、その不心得者は、
    「ミカエルの菱形」の見えるウェヌスのお尻に嫉妬したんじゃないのか。

細かいようだけど、「その修理の跡は、いまでもかすかに見える。」から「その修理の跡はいまでも
かすかに見えるというがね。」へと言い回しがビミョーに変化してた(@_@;) 1986年9月6日に喉の
診察を受け、悪性、即入院と告げられた澁澤龍彦(翌年8月5日死去)に代わり、この文藝春秋誌連載
の残り3回分を担当した巖谷國士が本書の「文庫版解説」で次のように記していた( ̄◇ ̄;)

    ・・・/彼[=澁澤龍彦]はロンドンにあるこの作品を実際に見たことはないが、
    愛読の書『ザ・ヌード』(ケネス・クラーク著、邦訳は美術出版社刊)などで知って
    注目していたものと思われる。・・・

澁澤龍彦を総特集したユリイカ臨時増刊号(1988年)に若桑みどり「註のない文章について」が掲載
されてるけど、この「晩年の仕事」で澁澤龍彦の文章にも改善の兆し(?)が見られたのに(´・_・`)

澁澤龍彦の『世界悪女物語』(河出文庫,1982)と駒田信二『世界の悪女たち』(文春文庫,1985)は、
その中の何篇かは文章が酷似しており、「①一方が他方を剽窃した ②共通の種本から2人とも剽窃した
③一方が他方のゴーストライターを裏で務めてた ④駒田信二と澁澤龍彦は実は同一人物だった、の
どれか(@_@;)」として、検証の結果、「どうやら、ともに種本から剽窃したか、種本を剽窃した
澁澤(1964年刊の桃源社版単行本)から駒田は剽窃したか、どちらかっぽいな(+_+)」と結論(@_@;)