いつのまにか柚子の木の下からテラスに移されてたハナイカダの鉢( ̄◇ ̄;) ハナイカダの葉に必死に
しがみついていたアリさんを吹き飛ばしてやった無慈悲なみどりんオホホホ( ^^)/~~~~ 諸行無常よ!ピシッ!
夕方から冷えてきて、まだダウンベストは仕舞えないねぇ(-ω-、) 明朝は10度以下らしいし(´ヘ`;)

【読んだ本】

杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(三)』(講談社学術文庫,1982)所蔵本

鹿ケ谷の山荘での平家打倒の謀議が発覚して九州の孤島「鬼界が島」へと流された平康頼、藤原成経、
俊寛の三人のもとに赦免の知らせが届くも、平清盛からの赦免状に載っている名は康頼と成経のみで
俊寛の名が無かったことから、俊寛が地団駄を踏んだりして(=「足ずりをして」)、喜劇的様相を
呈する『平家物語』の巻第三の章段「足摺」(^_^;) 赦免の使者の船で島を去ろうとする康頼と成経に、
三人とも同罪なのに自分の名前が無いのは何かの間違いだからせめて九州までは自分も連れてけ云々と
駄駄を捏ねる俊寛(^_^;) 憐れんだ年若い成経が、お連れ出来ないけど帰京後に赦免を清盛に頼むから
待ってて下さいと約束するが・・・

    ・・・纜[ともづな]を解いて船をおし出すと、僧都[俊寛]は船の綱にとりついたまま
    海に入って、海水が腰になり、脇になり、背丈のたつまで引かれていった。背丈も
    とどかくなくなると、船にしがみついて、/「あなた方は、この俊寛をついに見捨てて
    行かれるのか。これほどつれないとは思わなかった。日ごろの友情も、今はなんにも
    ならない。ただ無理にでも乗せてくだされ。せめて九州の地まででも」/と嘆願したが、
    都の御使いは、/「どうあっても相成りません」/といって、船端にとりすがっている
    手を払いのけて、船を沖へと漕ぎ出した。/僧都は、今はどうすることもできず、
    波うちぎわにもどって、倒れ伏し、幼い子が乳母や母の後を慕うように、
    じだんだを踏んで、/「これ、乗せてゆけ。連れて行け」/と、声はりあげて叫んだが、
    漕ぎ行く船の常として、跡に白波が残るばかりであった。・・・
    
この本書〈現代語訳〉の最後の件、「・・・漕ぎ行く船の習[ならひ]とて、跡は白波ばかりなり。」
という原文に付されている本書の〈語釈〉は次の通り(´・_・`) 

    『拾遺集』二十・哀傷・沙弥満誓の歌、「世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎ行く舟の
    跡の白波」による。

市古貞次(校注・訳)『新編日本古典文学全集45 平家物語①』(小学館,1994)の頭注も同じ(´・_・`)

水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家物語 上』(新潮社,1979)216頁の頭注三は次の通り(@_@;)

    「世の中をなににたとへむ朝ぼらけ漕ぎゆく舟のあとのしらなみ」(『拾遺集』哀傷、
    沙弥満誓)を用いた文。『万葉集』巻三にも本歌が載るが、第三句以下「朝びらき
    漕ぎいにし舟のあとなきがごと」であるから、ここに引かれるのは『拾遺集』の方が
    ふさわしい。無常を歌ったものを、舟の跡の白波の叙景に用いたのである。しかし
    本歌の無常の情感も生かされている。

「無常の情感」ですか( ̄◇ ̄;) なら、ここは喜劇的場面として笑っちゃいけなかったかな(ノ_-;)ハア…

でも、梶原正昭&山下宏明(校注)『新日本古典文学大系44 平家物語 上』(岩波書店,1991)144頁の
脚注二を読んで、びっくりしたぞ∑( ̄ロ ̄|||)にゃんですと!?

    沙弥満誓の「世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎ行く船の跡の白波」(拾遺集・哀傷)を
    踏まえる。「跡は白波」に「あとは知らない」を懸ける。

駄洒落だったんかいヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ 『平家物語』、琵琶法師の語り本だけあって、油断できんぞ(^_^;)

・『平家物語』の巻第一の「吾身栄花」から、桜の花が散らないよう祈った桜町中納言の話(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06

・賀茂明神の託宣歌が紀貫之の歌を踏まえてるのに各注釈書は気付けよヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-07

・「御輿振」で紹介されている源頼政の詠んだ歌、どこが「名歌」なのかを解き明かしてくれる本(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-16

・僧を処罰する時には還俗させて「藤井」という俗名がつけられるのが慣例とか「座主流」に(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-17

・「徳大寺之沙汰」で実定が「月をながめて」「口ずさん」だ「詩歌」とは、もしかして(⌒~⌒)ニヤニヤ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-02-22

・杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』の「卒都婆流」での平康頼の和歌の訳、ちょっとねぇ(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2017-07-11

・杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(一)』(講談社学術文庫,1979)読了メモ( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-14

・杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』(講談社学術文庫,1979)読了メモC= (-。- ) フゥー

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-20