台風一過の昨夜は叩き起こされないようエリアメールが入る方のケータイは電源を切って寝たよ(´・_・`)
電車の運転再開を待てず、歩いて山を越え谷を越え街へ(^_^;) 暑かったからTシャツ一枚(-ω-、) 近く
買う予定の本2冊を図書館で借り、それとは別に読んでみたい本をブックオフで探すも110円では無し(..)

【読んだ本】

萩谷朴『紫式部の蛇足 貫之の勇み足』(新潮選書,2000)所蔵本

多読で知られた中村真一郎、旧制高校入学後に小林秀雄から毎日十冊くらいの本を読み進めるという
読書法を教わり、週初めに読書予定表を作り、古代哲学、近代哲学、西洋古典、中国古典、日本古典、
近代西洋詩、同じく小説、同じく戯曲、同じく評論、次に日本の・・・とカテゴリーを設け、各欄に
書名を書き入れて毎週読み終える度に更新してた由(季刊リテレール第3号[1992])ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    ・・・/ところが、大学生になって知り合った堀辰雄さんが、そうした私のきりのない
    雑読ぶりに眼をとめて、珍しく強い調子で、そんなやり方を続けていると、
    「芥川さんのようになるよ」と、警告した。短時間のあいだに、全く異なる
    多くの主題を、脳のなかに注入しつづけることは、やがて精神的破産を招くだろう
    と言うのである。/そうして、「ぼくたちの仲間では、いちばん芥川さんに近いのは、
    小林なんだよ」と、『歯車』の作者で唯一の弟子であった堀さんは、
    自分の文学青年時代の親しい友人だった小林さんのことも同時に批判して、
    自分は芥川の破滅直後から、先生とは正反対の生き方をする決意をすることで、
    生き延びたのだと告白した。/そうして、一冊の本のなかに、半月くらい注意を
    釘付けにする、アダジオの読み方を、モーリアックのグラッセ版の頁を開いて、
    その頁に、堀さん自身の手で、各種の色鉛筆による線や枠で、行をかこんであるのを
    見せて、実物教育してくれた。成るほど、これだけ丹念に読むことにすれば、
    一日十冊など、とても無理だし、その一冊を読んでいる間は、こちらの精神が
    そのなかにひたりきりになるわけである。/・・・

この堀辰雄のエピソード、中村真一郎の他の回想等だと雑読ではなく速読を戒めるものに変わってる
ことは「また、つまらぬ物を読んでしまったorz」の『女たち』(中公文庫,1980)の回で論じた^_^;

夏前から読み始めたのに中断したままの和歌関係の本が2冊、ササッと読み終えられるだろうと先月に
取り掛かるも未だに読了できない世界史関係の岩波ジュニア新書が1冊、ひょんなことから面白そうと
読み始めてしまった仏文関係の中公新書が1冊、新田次郎の歴史小説短篇集『からかご大名』・・・と
「精神的破産」以前に読書計画が破綻している小生(ノ_-;)トホホ… 計画性のない刹那主義的に読む本が
何かしら毎日あるからブログ更新できてる(^_^;) 本書も思い付いた時に拾い読みしてるけど、メチャ
知的刺激に満ちた内容なのに、『紫式部日記』関係の類書で言及されているのを見掛けない(@_@;)
フト本書の表紙に記載された著者の言葉を見て、謎が解けた気がする(^_^;)

    曾て半世紀むかし終戦後の文壇において、若い作家のグループが、たがいの作品を
    褒め合うことによって相互扶助の利を博することがあった。いま学界では、
    『源氏物語』のような特定の作品を無闇に褒めそやし、あたかも熱気球のごとくに
    バーナーの熱気を吹き込んで、その価値を賞揚し、ロープで取り縋った研究者自身の
    社会的価値を高めようとする動きの目立つことが、近頃気になって仕方がない。著者