年を取ると何かと億劫に(-ω-、) 本を読んだりブログ書くのが億劫になるまでは毎日更新するぞ(^o^)丿

【買った本&読んだ本】

西尾光一(校注)『撰集抄』(岩波文庫,1970)
篠田鉱造『明治百話(下)』(岩波文庫,1996)

外出するか悩むも、駅ATMで金を下ろす用を済ますと、歩いて山を二つ越えて街の古本屋で計108円(^_^;)

『明治百話』は、特に興味ないけど、ついでで購入(^_^;) その中の一篇をテキトーに拾い読みすると、
明治22年2月11日の憲法発布の日、前夜から積もるほど降ってた雪も止んで空は晴れるも事件発生(゚ロ゚;)

    大臣暗殺だと、掃部頭[かもん]様みたいに雪の朝の暗殺だと、行逢う人ごとに
    語り合いました、「知ってるかい一件を」「御存知ですか文部大臣のことを」
    男でも女でも出逢うとこの話で持切っていました。

この本には注が全く無いけど、「掃部頭様」とは桜田門外の変の大老・井伊直弼のことと現代の読者も
知っているはずという前提か(@_@;) 当時の人々の歴史感覚が優れているように感じたけどね(^_^;)

『撰集抄』は校注本で、語釈とかのある注釈本じゃないし、表紙カヴァーも無くなってたけど、索引は
人名、地名、寺社堂塔名等、書名、年号年代、詩歌等と充実しており、巻末の「解説」も興味深い(^^)

『撰集抄』は昔から西行の著作と考えられ西行のイメージ形成に寄与してきたけど、現在では否定^_^;
早速「第一五 西行於高野奥造人事」を読んでみたけど、本書の巻末の「解説」は次の如く要約(^_^;)

    ・・・西行に仮託された主人公が、高野の奥に住んで、人恋しさのあまり、
    山野に捨てられた人骨を集めて編み、造人の術を施したところ、未熟のため、
    色も悪く吹き損じた笛のような声を出す、人間に似て非なるものができてしまった
    という荒唐無稽の話である。・・・

この話、前にも紹介したように(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2016-07-01 )、
宮元啓一『日本奇僧伝』(東京書籍,1985)が「西行がゾンビを造ったという話」として、ほぼ全訳(^^)

この後、人を造り出すのに失敗した西行(?)が、その始末にも困ってしまい、疑問も色々あったので、
上洛した折、前に教えてもらった徳大寺殿(←西行は実際に出入りしてた)を訪ねるも留守だったため、
前中納言師仲卿を訪ねる(^_^;) 疑問を打ち明けると、どのような造り方をしたのかと訊ねられたので、
主人公が造り方を長々と説明し始める(^_^;) それに対する師仲卿の反応は、宮元・前掲書を引くと、

    じっとこれを聞いていた卿は、首を軽く傾けながらこう仰った。/「大筋はだいたい
    そのようなところでしょうな。しかし、反魂の術が未熟だったのですな。私は、
    ひょんなことから四条の大納言の流儀を受けましてな、人を造ったことがござる。
    その人物は、現在、卿相として活躍しておるが、これが誰であるかを明らかにすると、
    造った人も、造られた人も、ともに融け失せてしまうので、口外するわけには参らぬ。
    ただ、貴殿もそこまでご存じであるからには、造り方の要点はお教えいたそう。
    実は、・・・」

「現在、卿相として活躍して」る人造人間が誰なのかメチャ気になる(^_^;) それに「四条の大納言」は
まさか四条大納言こと藤原公任なのかしら(@_@;) ゲットした『撰集抄』の「四條の大納言」の脚注に
よると、異本は「四條大納言公任」と表記したり、「大納言」の傍に「公任イ」と注記する由( ̄◇ ̄;)
流石、藤原公任と言うべきか、和歌、漢詩、管弦に造人を加えて、四舟(四船)の才ヒィィィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ