今朝の「天声人語」を書き写しても文章力はつかんぞ^_^; この文章が変なことに気付かぬとは(゚ロ゚;)

【読んだ本】

杉本苑子『随筆集 霧の窓』(光風社出版,1992)所蔵本

亡くなった杉本苑子について書かれた今朝の朝日新聞「天声人語」の一節に次のような文章が(@_@)
〈▼「私は葬式も墓も無用、骨は海にでも撒いてしまってほしい」「使い古した『広辞苑』を一冊、
埋めてくれ」。随想集『春風秋雨』にそんな「遺言」を書き残している▼〉とあるが、「墓も無用」
ゆえ「海にでも撒いて」と言いながら「埋めてくれ」なんて、矛盾した内容を杉本が「遺言」した
ように読めて変だろ(@_@;) それとも〈海に埋める〉なる日本語表現が朝日にはあるのか(゚ロ゚;)
杉本苑子の『春風秋雨』(文春文庫,2001)所収の「一緒に無に還りたい」という一篇を確認したら、
「私は葬式も墓も無用、骨は海にでも撒いてしまってほしい人間で、死んだら冨士霊園に建つ文学者
の墓の、自分の名の下に、使い古した『広辞苑』を一冊、埋めてくれと遺言してある。」とあって、
天声人語が杉本苑子の文章を切り刻んで意味不明にしてしまったことが判るね(-"-) 朝日は「それ
[=書き写す]だけで知っている言葉が増え、文章力がつきます。」と「天声人語書き写しノート」
なるものを販売してるけど、天声人語や社内校閲の各担当者の文章力を先に何とかすべきだろう^_^;
なお、杉本苑子は上記文章の後に次のように続けて同篇を〆てた(..)「作家としての私の苦しみに、
長年月、寄り添ってくれていた辞書・・・・・・。一緒に無に還りたい。」(;_;) 更に補足すると、
杉本苑子『随筆集 霧の窓』(光風社出版,1992)所収の「手の裏返す」と題した一篇は、「広辞苑を
最近、新しい版のものに買い替えた。」で始まり、今まで使っていてボロボロとなった広辞苑に関し、
〈それだけこの辞典の厄介になったわけだから、新しいのを買ったからといってむげに捨て去るには
忍びない。/「私が死んだら、このボロ広辞苑だけを棺に入れて、一緒に焼いてほしい」と家人に
言ってあるが、どうも本気で聞いてはいないようだ。死後は無だから、こんな遺言も生きている間の
感傷にすぎないし、うっかり家人が忘れても、死者となった私の関知するところではない。〉由(^^)

電信柱の同じとこに雀がとまって間断なく啼いてるが一年前その辺りから雛が落ちてきたんだよ(T_T)