241004読んだ本
来年の今月今夜になつたならば、私の涙で必ず月を曇らして見せるから・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
【読んだ本】
笹川博司『高光集と多武峯少将物語 ─本文・注釈・研究─』(風間書房,2006)
たうのみねにすみしころ、朝光の大納言、びはの北方わづらひたまふ
いのりせよと、のたまへるに
むかしよりきゝならしこしいかゞさき あさからじとを思なさなむ
多武峯に住んでいた頃、[藤原]朝光の大納言が「枇杷[大納言源延光]の
北の方が患っていらっしゃる。加持祈禱をせよ」と仰った時に、
昔から聞き慣れてきた「伊加賀崎」の歌のように、私は「加持に当たる」ことに
します。結果がどうであれ、加持に当たる私の心が浅いものではないだろうと、
思ってほしいものです。
本書の『高光集』の歌番号41の藤原高光の歌(詞書は129頁、歌は130頁)と通釈(131頁)だけど、
藤原朝光(藤原兼通の次男)と「枇杷の北の方」(枇杷中納言藤原敦忠女)は要チェックかと(^_^;)
『大鏡』には源延光が亡くなった後に藤原朝光が美人で三男一女も儲けた重明親王女を捨てて財産を
目当てに年老いて容貌も良くない未亡人を後妻にした話が出てるから(^_^;) ただ、これは流布本系
にのみ出ている話で、佐藤謙三(校注)『大鏡』(角川文庫,1969)、保坂弘司『大鏡全評釈 上巻』
(學燈社,1979)、保坂弘司(全現代語訳)『大鏡』(講談社学術文庫,1981)は底本に無いこの話を
補ってるから読めるも、石川徹(校注)『新潮日本古典集成 大鏡』(新潮社,1989)には無い(^_^;)
なお、この歌の評釈(本書132頁)は次の通りで、役に立ちそうなのでメモっておく_φ( ̄^ ̄ )メモメモ
冷泉家本の詞書「たうのみねにすみしころ」は、特に問題もなく読み飛ばしてしまい
そうだが、「し」という助動詞についての「過去を回想する語で、現在ではなくなった
ことを示す」という山口明穂氏(『日本語を考える』東京大学出版会・二〇〇〇年九月)
の解説に従うならば、高光が多武峯移住後に「比叡の山に住みし頃」と表現することは
あり得ても、高光の終焉の地となった多武峯について、冷泉家本の詞書のように、自ら
が「多武峯に住みし頃」というはずがない。高光死後の第三者の言ということになる。
すなわち、39番・40番の贈答歌が高光以外の第三者による増補部分であったように、この
41番・42番の贈答歌も高光以外の第三者による増補部分であった可能性が高いのである。
【読んだ本】
笹川博司『高光集と多武峯少将物語 ─本文・注釈・研究─』(風間書房,2006)
たうのみねにすみしころ、朝光の大納言、びはの北方わづらひたまふ
いのりせよと、のたまへるに
むかしよりきゝならしこしいかゞさき あさからじとを思なさなむ
多武峯に住んでいた頃、[藤原]朝光の大納言が「枇杷[大納言源延光]の
北の方が患っていらっしゃる。加持祈禱をせよ」と仰った時に、
昔から聞き慣れてきた「伊加賀崎」の歌のように、私は「加持に当たる」ことに
します。結果がどうであれ、加持に当たる私の心が浅いものではないだろうと、
思ってほしいものです。
本書の『高光集』の歌番号41の藤原高光の歌(詞書は129頁、歌は130頁)と通釈(131頁)だけど、
藤原朝光(藤原兼通の次男)と「枇杷の北の方」(枇杷中納言藤原敦忠女)は要チェックかと(^_^;)
『大鏡』には源延光が亡くなった後に藤原朝光が美人で三男一女も儲けた重明親王女を捨てて財産を
目当てに年老いて容貌も良くない未亡人を後妻にした話が出てるから(^_^;) ただ、これは流布本系
にのみ出ている話で、佐藤謙三(校注)『大鏡』(角川文庫,1969)、保坂弘司『大鏡全評釈 上巻』
(學燈社,1979)、保坂弘司(全現代語訳)『大鏡』(講談社学術文庫,1981)は底本に無いこの話を
補ってるから読めるも、石川徹(校注)『新潮日本古典集成 大鏡』(新潮社,1989)には無い(^_^;)
なお、この歌の評釈(本書132頁)は次の通りで、役に立ちそうなのでメモっておく_φ( ̄^ ̄ )メモメモ
冷泉家本の詞書「たうのみねにすみしころ」は、特に問題もなく読み飛ばしてしまい
そうだが、「し」という助動詞についての「過去を回想する語で、現在ではなくなった
ことを示す」という山口明穂氏(『日本語を考える』東京大学出版会・二〇〇〇年九月)
の解説に従うならば、高光が多武峯移住後に「比叡の山に住みし頃」と表現することは
あり得ても、高光の終焉の地となった多武峯について、冷泉家本の詞書のように、自ら
が「多武峯に住みし頃」というはずがない。高光死後の第三者の言ということになる。
すなわち、39番・40番の贈答歌が高光以外の第三者による増補部分であったように、この
41番・42番の贈答歌も高光以外の第三者による増補部分であった可能性が高いのである。
その「月」が出る頃には、win10がサポート終了してしまった
のでナンたらになっているか。ないしは、私自身が今のように元気
では無いのでここから消えているか。何か変化が有るので「月」は、
恐らく安泰だろう。
by df233285 (2024-10-05 05:57)
業平か(@_@;)
by middrinn (2024-10-05 14:53)
多武峯は山なので「加持」をすると、山かじに・・・
平安時代の男性貴族(殿上人なのに)でもヒモみたいな
のがいたとは(驚)。
by tai-yama (2024-10-05 20:21)
藤原朝光はセンスもあり優れた人物だったらしいので、フツーにモテモテでしょう(^_^;)
by middrinn (2024-10-06 05:01)