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230103読んだ本

明日買いに行くけどスーパーの賞味期限近い食品の如く郵便局も年賀葉書を値引きしないかな(@_@;)
複数の学会の会長を歴任された偉~い先生からの新年の挨拶メール、あけましておめでとうございます
云々と記されてるのが喪中の人にもおかまいなしに一斉送信されてるけど、チト非常識だよね(@_@;)

【読んだ本】

新田次郎『小説に書けなかった自伝』(新潮文庫,2012)所蔵本

書名はかつて私小説が純文学の主流だった文壇を意識したものか(@_@;) 自伝の形をとった自作解説
といった風もあり新田次郎作品のブックガイドとしても読め、また〈如何にして作家になったか〉が
随所に語られるので作家を目指している人向きでも(^^) モチ小生は前者の読書案内として読んでて、
「時代科学小説」等を読破してきたけれど、今日は「自主的カンヅメになる」の章を読んだ(⌒~⌒)

気象庁を辞することになって測器課の送別会が開かれるも参加者の口から「冴えない会だな」という
声が洩れるほど「ぱっとしない会」となり、他の「二、三送別会らしいもの」も同様だった由(゚o゚;)

    ・・・送別会を開いてくれる人たちは私との別れをおしむようなふりはしているものの
    内心では、/(気の毒に、五十を過ぎて早々に役人生活をやめ、食べて行ける筈がない
    じゃあないか)/と思っているようであった。その憐憫の情が基礎にあるから冴えない
    送別会になってしまうのであろう。けっして、私の考え過ぎではなかった。/〈もう
    一度生れ変ったら、役人になりますか〉/と新聞記者に質問されて、私は即座に答えた。
    /〈勿論そうするつもりです。お役人と乞食は三日やればやめられないという言葉が
    あります。乞食のほうのことは知りませんが役人ほど楽なものはありません。怠け者が
    大威張りで食べて行くには役人に限ります〉/少々捨て台詞に聞えないでもなかったが、
    役所というところは、仕事をしてもしなくてもちゃんと生涯面倒を見てくれるところで、
    所得だって民間に比較してけっして悪くはない。退職金もあるし恩給もある。ほんとうに
    いいところであるからそのとおりのことを云ったまでであった。・・・

この頃は凄かっただろうね(^_^;) 半年後に定年の施設長と差しで飲んだ時に数年前より「退職金」が
大幅に減ったというボヤキを聞いたのは十年以上も前(@_@;) 後に某省の某地方の部内の研究発表会
(県庁所在地の国際会議も開けそうなホールで開催)を傍聴させてもらった時に某施設が若手職員の
意識調査を報告してて公務員だからという志望動機が多かったのには驚いたぞ(@_@;) いくら一般の
公務員より給与がいいとはいえ公安職がソレでは危ないだろう(@_@;) その後の幹部職員の懇親会の
席で面識ある幹部の一人に指摘したら彼も同じ思いだったらしく呆れてた(@_@;) ちなみに、放大の
面接授業の最後に実施したテストが満点で解答用紙の裏面の授業の感想欄に実は自分は△◇職員でと
書かれてたので調べたらバリバリの幹部だったのには再び吃驚したけど、その時以来の再会(@_@;)
当時も世の中は不景気で、まして地方だから(廻っててシャッター商店街も結構あった)、公務員に
なりたがるのも仕方がなく、景気が良くなってない以上、不祥事が発生しても然もありなん(@_@;)

辞める直前の後任の課長(数学者の小平邦彦の弟の小平信彦)を連れての挨拶廻りとか、辞めた後も
「一週間は全く仕事が手につかず、毎晩役所にいたころの夢ばかり見ていた。」とか興味深く、また
「私の課は新庁舎(昭和三十九年移転)の六階にあった。」は、古川武彦『気象庁物語 天気予報から
地震・津浪・火山まで』(中公新書,2015)の記述のデタラメ(捏造)を裏書きする傍証となるけど、
前章で少し触れられていて面白そうに思った新潮社の書き下ろし作品について次の記述があり、その
作品名も判明したよウキウキ♪o(^-^ o )(o ^-^)oワクワク♪

    ・・・/部屋いっぱいに資料をならべて、鳥島関係の写真を机上に置いた。題名は
    書く前から「火の島」と決めていた。構想もおおよそできていた。私は鳥島測候所員
    が火山性頻発地震におびやかされるところを書く前に、遭難漁船員が断崖を這い上って
    来て測候所員に救助を求めるところから筆を起した。恐怖の前兆ともいうべき章で
    あった。小説は、つい一週間前まで働いていた気象庁内で最近起ったことであり、
    資料は充分過ぎるほどあった。それを書いている自分は、いつの間にか気象庁職員の
    気持になっていた。筆がつかえることはなかった。例の夢[←上述]も見ずに仕事は
    順調に進んで行った。分らないことがあるときは気象庁の離島課に電話を掛けると、
    じゃあその資料を持ってこれから行きましょうなどと云って、わざわざ[カンヅメに
    なっていた新潮社の近くの]クラブまで来てくれる人もあった。/・・・

・不平ばかりで仕事をしない者が多くて真面目に仕事する人は白い眼で見られた「処女作のころ」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-23

・投稿しても落選続きの原稿を直木賞受賞後は新編集長は〈面白い〉と言う「投稿作家の四年間」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-24

・〈あなたは落ちるに決っています。面白くない小説ですものね〉と妻に言われた「直木賞受賞」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-29

・受賞後第一作は酷評も石原慎太郎の小説などは「アホくさ」と評された「昼の仕事 夜の仕事」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-01

・40歳を過ぎて作家となったので、その個性を確立しようと試行錯誤する「方向づけに苦しむ」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-16

・虹を観察して地震を予知しようとした椋平広吉を藤原咲平が支援してた「メロドラマ的作品」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-25

・時代科学小説と名付けられた作品群を読みたい人もいそうゆえメモした「メロドラマ的作品」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-26

・登山家善人説を否定する作品と女流登山家に美人なしを打破する作品の「メロドラマ的作品」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-29

・新田次郎の創作ツールは筋書きをグラフ化した「小説構成表」という「小説構成表を創る」(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-31

・斎藤十一の御眼鏡にかなわず5本中1本しか「週刊新潮」に載らぬ「労作必ずしも佳作ならず」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-03

・山男はいい人達だが山に入ると別人でさんざん酷い目に会った「労作必ずしも佳作ならず」( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-05

・気象庁内で荒井郁之助以来の伝統を守ってる人は多くはなかった「視点を変えたヨーロッパ旅行」(..)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-04

・地方紙への新聞小説を依頼されたけど、途方もない条件を押しつけられた「新聞小説」((;゚Д゚)ヒィィィ!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-07

・昭和36(1961)年頃に新田次郎が書いた短篇小説の会話部分に要注目な「新聞小説」_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-11

・日欧の山の形状の差が人間の思考に影響と富士山気象レーダー設置と課長ポストの「岐路に立つ」(..)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-30

・古川武彦『気象庁物語』のデタラメと強迫観念のような「気持」が気になる「役人として」(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-11-25

・担当編集者から〈こんな面白くない小説ははじめて読んだ〉の「ひそかに辞職の決意をする」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-22

・こんな人事課長も嫌だが、気象庁職員は気象より人事情報を観測してそうな「夢に泣いた」(¬。¬ )

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-11-21
タグ:自伝 小説 歴史
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

直接面識のない人がつき合いで送別会に出席しているとかも
ありそう・・・公務員だし・・・・。
年賀状は通常のはがきとしても使えますよ~。景品応募とかでも
役に立ったり(笑)。
by tai-yama (2023-01-03 23:14) 

ナベちはる

メールの一斉送信、年末年始の忙しいときの時間削減にはなりそうですが、送られた側からしたら「今後の付き合い方を考えていかないといけない」なんてなるかもしれないですね(+o+)
by ナベちはる (2023-01-04 01:05) 

middrinn

送別会はパーティーとかじゃないんだから面識ある人だけでしょう(^_^;)
tai-yama様の課の送別会ではコンパニオンを呼ぶから・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
郵便局は永遠に販売可能ではなく、特に抽選後に販売したら問題が(^_^;)
廃棄処分にするぐらいなら値引き販売で少しでも利益を上げた方が(^_^;)
by middrinn (2023-01-04 05:49) 

middrinn

もう十年ぐらい前から小生の方からは年賀状も出してないのに、
ナベちはる様、小生のメアドを削除してないらしくて(^_^;)
印刷された年賀状でも一言ぐらい書き添えるものかと(^_^;)
喪中で不快に感じても偉~い先生だから何も言えない(^_^;)
by middrinn (2023-01-04 06:24) 

df233285

ことしは「1月の最初の5日位に低気圧が全く来ない、
珍しい年でしたね」と騒いでも、開示しても何の得に
もならない者には公務員でも、誰も史料・資料はくれ
ないか? 空港も管制が機械になったので、自然の摂
理よりも組織の規則。薄明が始まってない夜空を、照
明を煌々と付けた旅客機がジャンジャン飛んでて今年、
しぶんぎ座流星群が流れ無いのを確認していて、私は
驚きましたわ。大問題発覚直前までノンキのパターン。
by df233285 (2023-01-04 07:35) 

middrinn

「火の島」という作品は「・・・丁度そのころ、鳥島測候所に火山性地震が頻発して、
噴火の虞れがあるため、全所員が脱出したという事件があった。震度四ないし五という
ような地震が連続する孤島の測候所員の恐怖と裏腹に、気象庁当局では鳥島測候所を
なんとか維持したいと考えていた。結局は全員が脱出したのだが、それまでの経過が
まさに恐怖のドラマであった。」という内容ゆえ現職も「資料」提供したかと(^_^;)
まさか旅客機が飛んでるのを流星群と見間違えてしまった人もいたんですかね(^_^;)
by middrinn (2023-01-04 08:50) 

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