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221222読んだ本

明日のランチでケーキかパフェも付けて幾らになるかで、もう一冊注文するか決める( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
28日発売の本を予約も届くのが遅れそうで代金の引き落としも1月じゃなく2月になりそうだし(^_^;)
楽天市場の大感謝祭のポイントが当たるスロットは4連敗中(ノ ̄皿 ̄)ノナンデヤネン!┫:・’.::

【読んだ本】

池田利夫(訳注)『現代語訳対照 更級日記』(旺文社文庫,1978)所蔵本

『更級日記』作者の菅原孝標女が宮仕えに出て、ある夜に同僚の女房と一緒にいたら源資通に遭遇、
源資通は彼女も同僚の女房もともに初対面だったが話し込み、その発言の前半を本書の訳で(^_^;)

    ・・・星の光さえ見えなくて暗い上に、時雨がぱらついて、木の葉に降りかかる音が
    興趣をそそるので、「(こんな暗い時雨がちの天気の方が)かえって優雅で風情が
    ある夜なんですね。月がすみずみまで明るく照らしているというのも気まりが悪く、
    恥ずかしくてまともに顔を見合わせられそうにありませんでしたよ」(と話題は)
    春秋のことなどに言い及んでいって、「時節の移りかわりにつれて眺める風物としては、
    春霞が気持よく、空ものどかに霞んで、月の面[おもて]ばかりもあまり明るくもなく、
    (光が)遠くへ流れるように見えている時に、琵琶の風香調をゆるやかに弾き鳴らして
    いるのは、まったくすばらしく聞えますが、一方、秋になって、月がたいそう明るい時に、
    空には一面に霧がかかっているけれど、(月が)手に取るほどはっきりと澄みわたって
    いる上に、風の音や、虫の声と(秋の情緒を)とり集めた気分になる折から、筝の琴が
    かき鳴らされていたり、横笛が澄んだ音色で吹かれているのは、なんで春が(良いものか)
    と思われますよ。また、そうかと思うと、冬の夜の、空までが一帯に冴え凍ってひどく
    寒いのに、雪が降りつもり(月と)光り合っている時に、篳篥[ひちりき]がふるえる
    ような音色で洩れ聞こえているのなどは、春や秋(のすばらしさ)もみな忘れてしまい
    ますよ」と話し続けて、「(あなた方は四季折々の風物のうち)どれにお心がとどまり
    ますか」とたずねるので、・・・

先ず興味深いのは、源資通が春や秋の夜よりも冬の夜の風情の方が上としている点である( ̄◇ ̄;)
本書では「春秋のこと」と訳されている「春秋の事」について玉井幸助『更級日記評解〔改訂版〕』
(有精堂,1957改訂版→1989新装版)196頁が〈「事」は「争」の誤写であろうとの白石勉氏の説は
うなづかれる。・・・〉とし、また源資通がこの後で「唐土などでも、昔から春秋の(優劣の)決定
はくだしようがないとか聞いていますが」云々と語る如く、古来から〈春と秋の争い〉であって冬は
土俵にも上げてもらえないし、和歌でも八代集の巻は春や秋が夏や冬よりも入集歌数が多い(@_@;)
従来の美意識のパラダイムからの源資通の逸脱は要注目で、関根慶子(全訳注)『更級日記(下)』
(講談社学術文庫,1977)も〈ここに語られる資通の「春霞おもしろく……」以下の談は幽玄な中にも
華麗さを含んで美しく、作者の「あさ緑」の歌にも新古今的な美が感じられる。そして、暗い夜の
時雨の音に「なかなかにえんにをかしき夜かな……」と言ったり、時雨の暗い夜・雪降れる冬の夜を
めぐる資通の賞讃は、中世的な、花も紅葉もない薄暮の美しさを思わせるものがある。しかし資通も
夏の美だけはとり挙げていない。夏の美はいま少し後れて、源俊頼あたりになると、炎熱の中の一脈
の涼、夕立のあとの爽涼の美などが適確にとらえられて歌われるようになるのである。〉と指摘(^^)
もう一つ興味深いのは、源資通が各季節の情趣を評価するのに楽器の音色も加味している点( ̄◇ ̄;)
西村亨『王朝びとの四季』(講談社学術文庫,1979)は、「『更級日記』の資通のことばには、春には
琵琶、秋には筝の琴や横笛、冬には篳篥というように、それぞれの季節に適合した楽器までを決定し
ているが、季節の情趣に最もよくかなった道具立てを配するようにと細かい神経をめぐらし、自然の
情趣をよりよく理解し味わい尽そうとする。」と指摘も、博捜渉猟したわけではないけど、人為的な
楽器の音色も配して創られた四季の自然の情趣を詠んだ和歌は八代集にはあまり無いような(@_@;)
『後撰和歌集』の藤原兼輔の「みじか夜のふけゆくままに高砂の峯の松風ふくかとぞきく」と紀貫之
の「葦引の山した水はゆきかよひことのねにさへながるべらなり」などは夏の巻に入っているけど、
ともに琴の音色を詠んだものであり、そもそも唐詩に基づいた「松風入夜琴」という歌題を詠んだ歌
は結構ある由(工藤重矩[校注]『和泉古典叢書3 後撰和歌集』[和泉書院,1992]の補注)(@_@;)
とまれ、連日ダラダラと書いてきたけど、この『更級日記』の一節をヨリ深く味わう上で、源資通が
「音楽の人」であるという認識は強調しても強調し過ぎることはないと愚考オホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)
タグ:古典 和歌
コメント(8) 
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コメント 8

爛漫亭

 清少納言は「篳篥」がお好みではなかった
ようですね。上手な演奏で聴いたことが
なかったのかも知れませんね。
by 爛漫亭 (2022-12-22 20:38) 

tai-yama

周りがあまりにも秋の歌を詠みまくるので、源資通としては
秋はもう飽きたのかも(笑)。
by tai-yama (2022-12-22 23:57) 

ナベちはる

スロットの4連敗はキツイですね…次は当たりますように!
by ナベちはる (2022-12-23 01:19) 

df233285

「こがらしとだえてさゆるそらより」と言いますからねぇ。
甘味は減らして古本に変えたほうが健康には良いです。
by df233285 (2022-12-23 07:55) 

middrinn

篳篥の音を毛嫌いする清少納言も横笛と合奏すれば、
爛漫亭様、素晴しいに一転と通説は解してますけど、
それは誤訳であると萩谷朴は指摘してますね(^_^;)
源資通の発言中に伝わっていない『枕草子』を読んで
いるように思われる件があるのですが、源資通は実は
清少納言の篳篥批判に対して反駁したのかも(^_^;)
なお、兼輔の歌の詞書は「夏の夜、[清原]深養父
が琴弾くを聞きて」で貫之のも「同じ心を」(^_^;)
by middrinn (2022-12-23 14:57) 

middrinn

春の夜の情緒よりも秋の夜の方がいいと源資通は述べていますから、
tai-yama様、春にも「飽き」たということになるんですか(^_^;)
源資通は「飽き」るどころか秋を惜しんだ歌を詠んでますよ(^_^;)
https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-12-11
by middrinn (2022-12-23 15:13) 

middrinn

今日はやる時間帯を変えて臨んだんですけど、5連敗となりました(^_^;)
ナベちはる様、もし当たったら買う本もチョイスしてあるんですが(^_^;)
by middrinn (2022-12-23 15:35) 

middrinn

糖分は頭脳労働に資するようですが、たしかに、健康面に加え、
長さん様、デザート代は本代に回した方が賢いですね(^_^;)
by middrinn (2022-12-23 16:10) 

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