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221119読んだ本【バカチン3冊】

人手不足で注文を取りに来るのも料理が出るのも時間かかりますと貼り紙あるレストランも(@_@;)
古本を火曜に注文して水曜に発送されたから金曜に届くと思って待ってたら月曜みたい(ノ_-;)トホホ…
今までは発送の翌々日には届いたのに(-ω-、) 土曜を休みにしたことの皺寄せじゃないの(´ヘ`;)

【読んだ本(バカチン3冊)】

福田秀一他(校注)『新日本古典文学大系51 中世日記紀行集』(岩波書店,1990)
武田孝『笠間注釈叢刊16 東関紀行』(笠間書院,1993)所蔵本
長崎健他(校注・訳)『新編日本古典文学全集48 中世日記紀行集』(小学館,1994)

左思(成語「洛陽の紙価を高める」を生んだ「三都賦」作者として有名)の「詠史詩」第二首に出て
くる「七葉」の意味を内田泉之助&網祐次『新釈漢文大系14 文選(詩篇)上』(明治書院,1963)が
誤読してること、「七葉」の典拠とされる『漢書』「霍光金日磾伝第三十八」に出てくる「七代」の
意味を班固(小竹武夫訳)『漢書6 列伝Ⅲ』(ちくま学芸文庫,1998)の訳注が同様に誤読している
ことを一昨日は指摘したが(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-11-17 )、
今日は日本の古典から『東関紀行』の各注釈書も取り上げるオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

①大曾根章介&久保田淳(校注)『東関紀行』(福田秀一&岩佐美代子&川添昭二&大曾根章介&
久保田淳&鶴崎裕雄[校注]『新日本古典文学大系51 中世日記紀行集』[岩波書店,1990]所収)が
「金張七葉のさかへ」に付した脚注5で次の解説(本書128頁)∑( ̄ロ ̄|||)ニャンじゃそりゃ!?

    前漢の金日磾と張安世とが宣帝に仕えて権勢を恣にし、七世にわたって栄えた故事
    (文選二十一)。「気襲金張七葉風」(教家摘句)。

第一に、そもそも紀元前86年に亡くなった「金日磾」がその12年後の紀元前74年に即位した「宣帝
に仕えて権勢を恣に」したなんて、どうやったら出来るとゆーんだヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

第二に、班固(小竹武夫訳)『漢書5 列伝Ⅱ』(ちくま学芸文庫,1998)も張湯伝として張安世伝
ではないように、張氏が代々栄えたのは「張安世」の父の張湯からだヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
百歩譲って、仮に「張安世」からとした場合には、同書にも叙述されているように、張安世→張延寿
→張勃→張臨→張放→張純の六代しかなく、「七世」にならないことに気付けオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

第三に、この「七葉」とは「自武至平也」(李善)で、武帝→昭帝→宣帝→元帝→成帝→哀帝→平帝
という前漢の七代の皇帝の各御世に金氏と張氏が栄えたという意だヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

②武田孝『笠間注釈叢刊16 東関紀行』(笠間書院,1993)の「金・張七葉の栄え」の「金・張」及び
「七葉の栄え」のそれぞれの語釈を返り点等は省略して引く(´ヘ`;)

    ◇金・張 中国の前漢の時代に、金氏と張氏とのニ家の人々が、長い間栄華を極めた、
    という故事である。「金」は、金日磾という人。匈奴の王の子で、漢に降伏し、武帝に
    重く用いられて出世したという。また、「張」(底本には「帳」とあるが、誤りとみて
    改めた)は、張湯のこと。司法を担当した役人で、武帝の時に高官となり、厳しい取締り
    をしたという。後に自殺したといわれる。この二人は、いずれも立身出世をし、しかも
    その子孫まで、代々重臣となった。白楽天の「澗底松」と題する詩の中にも、「金張世禄」
    (世禄は、代々俸禄を受けること)という句が見られる。また、晋代の文学者の左思
    (字は太沖)の「詠史詩」と題する長い詩の中に、「金張藉旧業、七葉珥漢貂」という
    句があり、金・張二氏の子孫らは、祖先の功績のお陰で、七代までも、漢王朝の大官と
    なった、の意である。

    ◇七葉の栄え 七代も続いた栄華。七代の子孫に至るまで、権力や財力を手に入れて、
    派手な生活をしたこと。「葉」は、世、時代を意味し、「中葉」「末葉」のような熟語
    を作っても用いられる。「七」という数字は、文字どおりの時代の数を示すだけでなく、
    数の多さをも含ませて、「子々孫々に至るまで」といった意味を表わしている。

「七葉」は意味は上述の通りで、そもそも金氏に該当者が「七代」いないことは昨日書いた(-ω-、)

③長崎健(校注・訳)『東関紀行』(長崎健&外村南都子&岩佐美代子&稲田利徳&伊藤敬[校注・
訳]『新編日本古典文学全集48 中世日記紀行集』[小学館,1994]所収)が、「金帳七葉の栄え」に
付した頭注4で次の解説(本書108頁)エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

    「金帳」は「金張」の誤り。前漢の武人、金日磾と張安世。「七葉」は、七代。
    金日磾と張安世が武帝に重用され、その子孫が七代の帝に至るまで権勢をほしい
    ままにしたことから、一族が永く栄華を誇る例に挙げられる。    

「張安世」ではないことは上述の通りだし、それに「張安世」は「武人」ではなく文官かと(@_@;)
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

人手不足で「注文の多い料理店」も注文が少なくなったり(笑)。
「金帳」と間違えたのは、本を書く時キンチョーしたのかも・・・・
by tai-yama (2022-11-19 19:38) 

middrinn

wikiには、〈すると店内に、「当軒は注文の多い料理店ですから
どうかそこはご承知ください」という注意書きがあるのに気付く。
これを2人は「はやっている料理店で、注文が多いために支度が
手間取る」という風に解釈して扉を開ける。〉とあります(^_^;)
底本を書写した人間は中国の古典に対する教養が無いかと(^_^;)
by middrinn (2022-11-19 20:24) 

df233285

こいつは何とも参考になるページですねぇ。
つまりは、いまの「日本」国学界には、「そのころの≪日本人≫に
は、『囲碁に強くなって前漢の武帝に取り入り、代々栄えたい』
という願望がしばしば存在した」などと主張しても、まったく
関心を持たれない土壌が、前世紀末頃に作られていたっていう
事ですよね。なお、上記で囲碁は古代太陰太陽暦でもおんなじ。
by df233285 (2022-11-20 07:45) 

middrinn

「紀元前87年に武帝は崩御した。武帝は病床に
霍光・金日磾・上官桀の3人を呼び寄せ、昭帝を
補佐するよう後事を託した。」とwikiにもある
ように、武帝の遺詔は大きかったのかも(^_^;)
加えて、金日磾の処世・人柄も良かったですし、
張湯・張安世も同じことが言えそうです(^_^;)
by middrinn (2022-11-20 09:17) 

ナベちはる

「働き方改革」の影響は、少なからずありそうですよね(^^;)
仕方がないとはいえ、不便なのは…orz
by ナベちはる (2022-11-20 14:19) 

middrinn

でしょうね(^_^;) しかし、土曜を休みにしても、
郵便物の量が減るわけではないですからね(^_^;)
そもそも民間の競争原理を導入すればサービスが
良くなると称して小泉内閣は郵政改革を推進(-"-)
by middrinn (2022-11-20 15:49) 

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