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221014読んだ本【バカチン】

この長篇漫画も次巻で完結となると一抹の寂しさが(´;ω;`)ヾ( ̄o ̄;)オイオイなら、せめて買えよ!

【読んだ本(バカチン)】

末次由紀『ちはやふる』(講談社BE LOVE,2022)49巻

読めば必ずハマるスポ根漫画を図書館で借りて、読了(^o^)丿 ネタバレ防止ゆえストーリーのことは
書けぬ( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚ 一番好きなのは若宮詩暢(お母様も美人!)で、二番目に好きなのは超美人の
桜沢翠(←みどりん!)先生で、三番目に好きなのは花野菫(女子力が高い!)(^^) 綾瀬千早はもし
綿谷新と結ばれぬなら須藤先輩とくっつけ(^o^)丿 その場合、綿谷新は若宮詩暢と結ばれて良し(^^)
それにしても、須藤先輩はマジでいい人だし、若宮詩暢はチト可哀想なコだよなぁ(´;ω;`)ウッ…

大伴家持の「かささぎのわたせる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける」の札が読まれた直後、
本書の163頁には若宮詩暢の祖母と若宮家のお手伝いさん(だと思うけど、たしか前にも登場)による
次の遣り取りがあるが、気になる点が二つあった(@_@;)

    お手伝いさん 奥様… 奥様… ……!

           えらいすごいなぁ 詩暢はん これ奥様の お好きな歌と ちゃいますか

    若宮詩暢祖母 「月 落ち 烏 啼きて 霜 天に満つ …」

    お手伝いさん えっ?

    若宮詩暢祖母 「かささぎ」の歌の もとになった 唐の詩人 張継の漢詩や

    お手伝いさん 奥様の本棚に ぎょうさん あるやつ そないな本どしたか

    若宮詩暢祖母 冬の冴えわたる 夜空の星を 白い霜に 見立てたもの

           詩暢のも まさに

           冴えわたる 取りや

「唐の詩人張継の漢詩」「月落ち烏啼きて霜天に満つ…」が〈「かささぎ」の歌のもとになった〉と
述べてるけど、断定は無理かと(@_@;) 先ず生没年を確認すると、大伴家持は養老2年(718年)頃~
延暦4年(785年)だけど、張継は天宝12載(753年)に科挙の進士に及第したことなど断片的な情報が
あるだけで生没年不詳である(@_@;) ただ、植木久行『唐詩物語──名詩誕生の虚と実と』(大修館
書店あじあブックス,2002)116頁は「?-七七九・七八〇? 一説に七二五ごろ生?」、この張継の
唐詩「楓橋夜泊(夜泊松江)」は「・・・初期の作(至徳年間[756~758年])、と考えられる。」
としてるので、同年代の可能性(@_@;) となると、影響関係は低そうだが、この「かささぎ」の歌は
『万葉集』には無く、『家持集』にあるも(そこから『新古今和歌集』に入集)、「増補群」(井上
宗雄『百人一首 王朝和歌から中世和歌へ 古典ルネッサンス』[笠間書院,2004])に入ってるため、
大伴家持の作に非ずと各注釈書は指摘してるから、後世の作なら両者の生没年で影響関係を否定する
ことはできぬ(@_@;) 末次由紀が「もとになった」とした典拠は判らないが、手元の『百人一首』や
『新古今和歌集』の各注釈書を見る限りでは、影響関係を肯定するのは〈「かささぎ」の歌は一方で
七夕伝説を、他方で張継(天宝十二年の進士)の詩を踏えて成ったものであろう。〉とする安東次男
『百人一首』(新潮文庫,1976)のみ(@_@;) が、安東次男の説の根拠は張継「楓橋夜泊」を「軽率
な誤解」で誤読したもので(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-10-06 )、
その説は成り立たないオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*) 「かささぎ」の歌について張継の唐詩「楓橋夜泊」に
言及している手元の各注釈書の記述を一応列挙しておく(なお、返り点は略して引用)(@_@;)

・久保田淳(校注)『新潮日本古典集成 新古今和歌集 上』(新潮社,1979)

    雪の降る凛然とした冬の夜を歌い、張継の「月落烏啼霜満天」(「楓橋夜泊」)
    という詩境に通ずるか。

・有吉保(全訳注)『百人一首』(講談社学術文庫,1983)

    ・・・新古今時代の作例は、/・・・/・・・/などにみられるように、天上の
    鵲の橋を冬の霜の美と結びつけて詠むことが多く、定家もこの家持歌を天上を
    仰いでの詩的幻想の歌として理解していたものと思われる。あるいは、頼孝本
    などの古注が指摘するように「月落烏啼霜満天」(『唐詩選』張継「楓橋夜泊」)
    などの漢詩的世界をも背景に浮べて享受していたのかもしれない。定家は
    『新古今集』でも、この歌を選んでいる(撰者名注記がある。)

    古注の解釈をみると、頼孝本・長享抄・上條本は「鵲の渡せる橋」を天上の橋と解し、
    「霜」については「月落烏啼霜満天」という詩の心であり、霜気に満ち冴え冴えとした
    天の川を詠んだ歌とみており、改観抄などに継承されている。

・島津忠夫(訳注)『新版 百人一首』(角川ソフィア文庫,1999→2008新版16版)

    定家も「天河夜わたる月もこほるらん霜にしもおくかささぎのはし」(拾遺愚草員外)
    など、天上の鵲の橋を、冬の美と結びつけて詠んでいる。『頼孝本』『上條本古注』
    『幽斎抄』に引く「月夜烏鳴[ママ]霜満天」の詩の心も浮かべて鑑賞していたか。

・久保田淳『新古今和歌集全注釈 二』(角川学芸出版,2011)

    現代のわれわれには、王朝的見立ての歌と解するよりは、中世的な冬の夜空に
    充ち満つ霜気を歌ったと解する方が、よい歌と感じられるのではないだろうか。
    それは、「月落烏啼霜満天」(『唐詩選』張継「楓橋夜泊」)などの漢詩の世界
    への類似を感じるからかもしれない。

なお、「かささぎ」の歌に張継の唐詩「楓橋夜泊」の「月落烏啼霜満天」を読み込んだ解釈を始めた
上記の「古注」はどれも室町時代のものであるところがミソ(^_^;) 植木久行『唐詩物語──名詩誕生
の虚と実と』(大修館書店あじあブックス,2002)102~104頁から引く(^^)

    ・・・わが国にあっては、唐詩に関する有名な選集[アンソロジー]『唐詩選』と
    『三体詩』の双方に収められていることによって、室町時代以降、広く愛唱されてきた。
    ・・・/・・・/他方、中国にあっても、・・・高仲武編『中興間気集』巻下のなかに
    早くも収められ、北宋の『文苑英華』や王安石編『唐百家詩選』のなかにも収録されて、
    楓橋と寒山寺(鐘を含む)は、南宋以降、蘇州第一の詩跡(古典詩人たちが詠み重ね、
    刻みつけてきた詩心の伝統を深々と宿す聖地)として確立した。・・・

つまり、室町時代の流行りに飛び付いただけ(^_^;) ただ、「本詩を収める最古の総集」(植木久行・
前掲書101頁)である中唐の『中興間気集』等から「かささぎ」の歌を作った可能性は残る(@_@;)
しかし、同歌の真の作者が判らないのだから論証しようがなく、結局は影響関係不明としか(@_@;)

次に祖母の「冬の冴えわたる夜空の星を白い霜に見立てたもの」は、会話の流れ的に「唐の詩人張継
の漢詩」の「霜天に満つ」のことを指しているはずだが(でないと、「漢詩」に言及した件が浮いて
しまう)、そもそも張継は「夜空の星を白い霜に見立て」てないぞヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

この張継の唐詩「楓橋夜泊」の前半(起句&承句)について、例えば、松原朗『唐詩の旅 長江篇』
(現代教養文庫,1997)による説明の一部を引くv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    ・・・/ 

       月落ち烏啼いて 霜 天に満つ
       江楓 漁火 愁眠に対す

    月が沈み、烏の啼くとき、霜の気が冷々と天に満ちる。岸辺の、赤く染まった楓樹と、
    赤く燃えたつ漁火が、眠るともなく物思うわたしの眼[まなこ]をやく。/「霜」は、
    今日の科学的認識とは異なって、霜の女神青女[せいじょ]が、雪のように天から
    降らせるものと考えられていた。「霜、天に満つ」とは、この認識に基づいて、夜気
    の冷え込みを表現したものである。・・・

植木久行『唐詩物語──名詩誕生の虚と実と』(大修館書店あじあブックス,2002)106~107頁も(^^)

    ・・・起句は、鋭敏になった作者の神経(視覚・聴覚・触覚)を通して、夜半、ふと
    目覚めた時の夢うつつ(半醒半睡)のなかで、はや夜明けかと錯覚した晩秋の夜景が
    描き出される。続く承句の江楓と漁火は、上方から眼前の水平方向へと転じた視線が
    捉えた、心のぬくもりをわずかに感じさせる暖かい色彩であり、互いに映発しあって、
    江南の「水国[すいこく]」らしい夜景の美しさが浮かびあがる。・・・

つまり、「霜、天に満つ」とは「触覚」で感じた「夜気の冷え込み」の表現(^^) そして「色彩」は、
「承句の江楓と漁火」が表現し、渡部英喜『漢詩歳時記』(新潮選書,1992)が「前半は視覚を通して
やるせない旅愁の気分を表現しています。それは暗闇の中の江楓であり、漁火なのです。この赤色が
旅の愁いのポイントになっています。」と記す如く「赤色」で、「白」に非ずオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

斯くの如く、張継の唐詩「楓橋夜泊」と「かささぎ」の歌とは似て非なるものなので、最初の論点の
〈「かささぎ」の歌のもとになった唐の詩人張継の漢詩〉というのも論理的に否定されるはずだが、
『白氏文集』を表面的に享受してきた前科もあり、「楓橋夜泊」の文字面だけパクった可能性(^_^;)

・44巻で俊忠の歌は「いたずら」なんかじゃなく「催し」で送ったものヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-06-21

・末次由紀『ちはやふる』42巻は伊勢大輔タンの秀歌が解ってないじゃんヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-08

・41巻で紀貫之の「香に匂ひける」は「咲きほこっています」じゃねーよヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-30

・39巻で『和泉式部集』も披かずに式部の歌について熱く語る大江奏のバカ母オホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-12-30

・38巻で登場人物の心理描写に活用された中納言兼輔の歌の解釈に誤りヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-10-06

・40巻で「らむ」は原因理由が示されてる推量の助動詞ゆえ「か」は余計ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-01-30

・45巻の「もう一度の行幸」という訳では一度目も「行幸」となっちゃうヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-22

・46巻カヴァー袖の歌を調べてて安東次男『百人一首』の誤りに気付くヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-07-31

・47巻の周防久志名人の脳内モノローグだが、三条院のは「憂世」なのに「浮世」と勘違いか(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-02-19

・48巻の表紙カヴァー袖に載っているのは皇太后宮大夫俊成の歌、この訳で解る人はいないだろ(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-05-03

・33巻でヒョロが机くんを破って個人戦B級優勝を決めた127頁の最後のコマの作画ミスを指摘(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-05-14

・2首ずつなら「襖」は50枚、両面で4首でも「襖」は25枚で、小生には想像できぬ広さの別荘に(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-10-04
タグ:漫画 和歌 中国
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コメント 8

美美

流行りの漫画も見ることが無い今日この頃(^^;
カササギの歌、思わずさだまさしが頭をよぎってしまいました。
カササギと言えば偶然にも今日更新した私のブログに写真をアップしました(^^;
by 美美 (2022-10-14 21:51) 

ナベちはる

長編になると、終わりが見えてきたときは「いよいよ」なのか「やっと」なのかで分かれるなんてことも…あるかもしれませんね(^^;)
by ナベちはる (2022-10-15 01:07) 

middrinn

流行るだけあって、読んでみるとハマります(^_^;)
美美様、さだまさしの歌、知らなかったので、ネット
検索し歌詞を見たら、まさに鵲と七夕ですね(^_^;)
「精一杯羽をひろげ」というところがいいです(^^)
by middrinn (2022-10-15 06:18) 

middrinn

たしかに、それはありますね(^_^;) おそらく、
ナベちはる様、買い続けてると後者かな(^_^;)
人気が出るとダラダラと延ばしますしね(^_^;)
by middrinn (2022-10-15 06:34) 

df233285

良く知られているようにワイゼッカーとベーテによって、
第二次大戦中に判っていたことだが。私が子供のころ
でもメンコには、「太陽は物が落下するエネルギーで
輝いているので、じいさんである」との「科学知識」が
書いて有るものが有った。捨てなきゃよかったなあ。
なおたぶんだが、メンコは林フェイズ理論の出たころ
作成ではあるが。娯楽物は、その程度の精度のつもりで
読むべきか、とも。さて大衆向けという点で話は関連するが。
2022年10月14日 21時4分 J-CASTニュースによると。
某社のネットワークケーブルに火災の危険のある設営の
ものがあるそうだ。大衆向けケーブルの施工の精度も
同じかも。なお某ブログ元ホスト会社は、直に話を聞けば、
慌ててながら対応してくれるそうだ。

by df233285 (2022-10-15 07:50) 

middrinn

メンコ!懐かしいですねぇ(^_^;)
今やってる子供いるのかな(^_^;)
百人一首の札は硬くて少し反ってる
のですぐひっくり返りそう(^_^;)
by middrinn (2022-10-15 08:50) 

tai-yama

最近、寒くなったので "かさねぎ" (かささぎ)を(笑)。
晩秋になると、(夜明けの)白い霧を良くツーリング中に見る事
があったり。そして、その時はくそ寒い・・・
by tai-yama (2022-10-15 19:19) 

middrinn

白い霧に隠れて取り締まる白バイにとって、
tai-yama様は“かもねぎ”だったり(^_^;)
by middrinn (2022-10-15 19:31) 

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