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220908読んだ本

同じ趣味だと思っていたのに実は賄賂のためだったなんて(ノ;ω;)ノ ~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!!
我が家で用いられている私年号は節約で、今年は節約4年、古本は月2冊計1000円しか買えぬ(´ヘ`;)

【読んだ本】

清水好子&森一郎&山本利達『源氏物語手鏡』(新潮選書,1975)所蔵本

     三日、癸未。 修繕/『文選集注』

    ・・・(源)乗方朝臣が、『文選集注』と、『元白集』を持って来た。感悦は極まり
    無かった。これらは有名な書である。/

藤原道長の日記『御堂関白記』の寛弘元年(1004年)10月3日条を倉本一宏(全現代語訳)『藤原道長
「御堂関白記」(上)』(講談社学術文庫,2009)で読んだ時、藤原道長は読書家・愛書家と思って、
「感悦、極まり無し。是れ聞こえ有る書等なり。」という気持ちは解るなぁと共感したの(〃'∇'〃)

本書の目次(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-19 )を見てて、清水好子
が執筆してる「源氏物語の時代と貴族社会」の「Ⅳ 王朝の文化人たち」の「歴史上の文化人」の項に
目が停まり、読んだところ、醍醐天皇、村上天皇、藤原公任(「・・・藤氏の中でも本家筋の名門、
・・・家には累代の記録や書物があり、・・・」云々と紹介されてて、「書物」に注目)、藤原伊周
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-09-04 )、定子(一条天皇の皇后)らの
文化面での活動が紹介された後、次の件が( ̄◇ ̄;)

    ・・・/道長はこのような情況を受けて政権を握ったので、しきりに文化的方面での
    発言力を増やそうと努めていた。文殿[ふどの]を作り、何千巻の書物を買いとる。
    学者の未亡人から詩集を買う。家に伝来の書物がないのである。・・・

前から気になってた寛弘3年(1006年)3月28日条の「(藤原)頼明朝臣が、書二千巻ほどを献上して
きた。」、同年4月4日条の「(源)兼澄朝臣が、書二千巻ほど[←国際日本文化研究センター「摂関
期古記録データベース」には「兼澄朝臣、文千余巻を献ず。」とあるので、どちらかが誤記誤植]を
献上してきた。」、同年同月5日条の「播磨守(藤原陳政)が、家に有る(大江)朝綱の書三千五百巻
を持って来た。」、同年同月7日条の「三位中将(藤原兼隆)が、書千巻ほどを持って来た。」という
一連の短期集中的に大量の献本があった謎が解けたし、「学者の未亡人から詩集を買う」とは長保2年
(1000年)2月21日条の「故(紀)斉名の妻[←「摂関期古記録データベース」では「故斉名の妾、
『扶桑集』を奉る。」となっており、チト気になる]が『扶桑集』を献上してきた。・・・」のこと
を指すとすぐ判るも、「文殿」の典拠や「買いとる」「買う」とした根拠が知りたい(^_^;) とまれ、
この時点でも、藤原道長=読書家・愛書家という線は捨てきれなかった(^_^;) バードウォッチング後
には百科事典を披いて「書いてあった通りだ!文献は信頼できる!」と藤原道長は日記に書いていて
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-10-18 )、知性が感じられたので(^_^;)

しかし、改めて『御堂関白記』を読み直してたら、「ルパンを追ってて、とんでもない物を見つけて
しまった!どうしよう?」という銭形の棒読み台詞状態に(ノ;ω;)ノ ~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!

     三日、癸丑。 内裏羹次/一条天皇、中宮御在所に渡御/『文選集注』

    ・・・そして一条天皇は酩酊なされて、中宮(藤原彰子)の御在所(飛香舎)に渡御
    された。・・・楽遊が終わる頃、『文選集注』を内大臣(藤原公季)が取り次いだ。
    右大臣(藤原顕光)が、その名を問うた。内大臣が申して云ったことには、「中宮が
    『文選集注』を天皇に献上される」ということだ。献上が終わって、天皇は還御なさ
    れた。/

寛弘元年(1004年)11月3日条だけど、この『文選集注』は源乗方から献上されたものだよね(@_@;)
「感悦、極まり無し」とは一条天皇に気に入られるための賄賂として使えるからかΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン

     六日、丙子。 『白氏文集抄』『扶桑集』を一条天皇に献上

    内裏に参った。『白氏文集抄』と『扶桑集』の小冊子を天皇に献上した。これは御手筥
    [てばこ]のためのものである。・・・

寛弘3年(1006年)8月6日条には、故紀斉名の妻(妾)から献上の『扶桑集』まで一条天皇に(@_@;)

[追記220909]

道長が一条天皇の歓心を買おうと頻りに書物を献上したことは、道長が作文会を頻繁に主催したのは
「漢詩がいたって好き」(倉本一宏)というよりも一条朝の流行や一条天皇の御趣味に付き合ってた
だけの可能性(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-10-19 )に通じるかと(^^)v

タグ:歴史 書物
コメント(8) 
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コメント 8

tai-yama

帝に献上するものなので、当然中身は読んでいないと(笑)。
帝の為に集めているとも言えたり。まさに、忠臣っ!
by tai-yama (2022-09-09 00:13) 

ナベちはる

同じ趣味で気が合うと思ったらそれが賄賂目的…悲しくなりますねorz
by ナベちはる (2022-09-09 01:02) 

middrinn

ただ、藤原道長に献上された時点で、
tai-yama様、既に古本かも(^_^;)
だから、天皇に献上するまでの間に
読んでたかキレイにしてたか(^_^;)
by middrinn (2022-09-09 06:29) 

middrinn

ただ、献上した他の本では天皇は喜んだという記述があるのですが、
ナベちはる様、紹介した2例ではその記述がないんですよね(^_^;)
だから、賄賂という目的を達成できたかどうかは不明ですね(^_^;)
by middrinn (2022-09-09 06:51) 

df233285

置き場所を作るために、所有者を道長から一条天皇に
替えただけなのではないか。天皇所有の書を藤原道長
が、必要に応じて閲覧できないわけがないと思う。

by df233285 (2022-09-09 08:27) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 置き場所を作るため座布団1枚 ♪
「文殿」を「作」ったけれど、収容能力が低かったと(^_^;)
by middrinn (2022-09-09 08:55) 

美美

ご無沙汰しています。
我が家も夫婦同じ趣味を持っていますが
結構大変です(-_-;)
by 美美 (2022-09-09 18:16) 

middrinn

ナルホド(^_^;) たしかに、釣りは共通の御趣味のようですが、
美美様の釣果の凄さに御主人はライヴァル視してるよう(^_^;)
by middrinn (2022-09-09 18:24) 

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