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220309買った本&読んだ本

紀伊國屋書店ウェブストアの在庫、一昨日夜は1冊あったのに今朝には無くなってたΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
15400円もするのに趣味を同じくする奇特な御仁が・・・♪あぁ~日本のどこかにぃ~ヘ(__ヘ)☆\(^^;

【買った本&読んだ本】

今井源衛(古賀典子編)『今井源衛著作集 第9巻 花山院と清少納言』(笠間書院,2007)

楽天ブックスに新品15400円を712p使って14688円で昨日注文し今日届くヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪

    花山院の生涯

     はしがき

     第1章 出生と家系

     第2章 生いたち

     第3章 即位時代

     第4章 退位時代

     第5章 その和歌

     結び

     関係系図

     略年表

    花山院と清少納言

     花山院のこと

     花山院と公任

     道綱母の愛憎

     道綱母の気質

     右大将道綱の母

     清少納言の時代

     紫式部と清少納言

     枕草子の特質

     枕草子の美意識と体験

     枕草子の享受

    初出一覧

    解説(古賀典子)

よく引かれてる『花山院の生涯』(桜楓社,1968)が読みたかった(^^) ただ、「初出一覧」にもある
同書の「改訂版」が1971年に桜楓社から出てる一方で、どの引用も1968年版になってること、本書は
今井源衛の没後の刊行だけど、(更に)修正されている可能性もあったので、メチャ高いけど本書を
チョイスしてみた(^_^;) 本書巻末の「解説」の末尾に次の件があったヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪

    ・・・/今、私の手許には、『花山院の生涯』刊行後に発表された研究成果なども
    取り入れた六一項目についての「『花山院の生涯』正誤表」が残されている。校正
    時に訂正するようにと生前の先生から送られてきていたものだが、用紙の端には、
    先生の手書きで「二〇〇一・八月八日作」とその作成日が記されている。/

ただ、これとは別に、この「解説」には、チト気になる件もあった∑( ̄ロ ̄|||)ニャンじゃとぉ!?

    ・・・書評[←益田勝実によるものか?]などにも指摘されていた資料引用のミスなど
    を正すことも[著作集本巻担当者の]私に課せられた役割であったが、使用されている
    文献が多量かつ多岐にわたっていて入手できないものや不明のものもあって、検証が
    不完全なままになったところがあることをお詫びしなければならない。・・・

今井源衛(日本歴史学会編集)『紫式部』(吉川弘文館人物叢書,1966→1985新装版)は紫式部の歌を
トンチンカンな解釈してて(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-08-22 )、
頭が悪いと思ったし、また今井源衛『王朝の歌人3 在原業平』(集英社,1985)も記述の誤りや疑問点
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-19 )に加え、仁明天皇(文徳天皇の
父)の時代の「承和の変」の叙述で清和(文徳天皇の子)・陽成・光孝天皇の時代を描く『日本三代
実録』から引くとか書いてて(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-22 及び
https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-01-23)、「資料引用のミス」は大昔から
のよう(^_^;) とはいえ、今井源衛『大和物語評釈 上巻 笠間注釈叢刊27』(笠間書院,1999)と今井
源衛『大和物語評釈 下巻 笠間注釈叢刊28』(笠間書院,2000)を購入したら、メチャ良かったので、
今井源衛に対する評価も少し上向き、本書購入に至った次第(^_^;) なお、本書の「解説」によると、
『花山院の生涯』は、基になった紀要論文が国史学の竹内理三に認められて『紫式部』刊行の契機と
なった由、出世作かな(^_^;) 早速、拾い読みしたけど、メチャ面白いヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪

    ・・・/院と道長との関係は、すでにその青年時代から始まっている。後にも詳述
    するように、院の在位中、寛和二年(九八六)六月一〇日の殿上歌合には、藤原実方
    ・長能・惟成などの院の近臣、曾根好忠・大中臣能宣・藤原公任などの歌人、その他
    藤原明理・敦信・斉信らに交じって、当時二一歳の道長が道綱とともに出席している。
    この意味について、萩谷朴氏は、その直後六月二三日の退位事件と結びつけて、彼ら
    兼家一門の陽動的行為であると断じていられる(『平安朝歌合大成』二611P)のは
    おそらく正当というべきであろう。このとき道長はその十九番祝に曾根好忠と番えて、

      君が代にあぶくま川の水清み底にぞみゆるよろづ代のかげ

    と、ぬけぬけと聖代万歳を祝する意を詠み、判者義懐はこれに勝を与えた。両者ともに
    花山帝退位の破局を目前に、あくまでシラをきったやりとりではあった。しかしその他、
    『大鏡』にも花山院在位時代に五月雨の一夜、道隆・道兼・道長の三兄弟を試胆のため
    大極殿に赴かせたことが見え、年齢も近かったことだから、そうしたけわしい政治的
    風景も、少なくとも院の主観の中では、あまり苦にならず、親しむべき友の一人として
    常に遇するところがあったのではあるまいか。・・・

たしかに花山院退位事件は「[藤原]兼家一門の周到な計画に基づいた陰謀」(今井源衛)であり、
道兼が主役だが、橘健二&加藤静子(校注・訳)『新編日本古典文学全集34 大鏡』(小学館,1996)
45頁の頭注欄が「神器を[東宮の元へ]運んだのは、『日本紀略』には道兼、『扶桑略記』に道綱、
『愚管抄』には道隆・道綱二人とされ」ると指摘してるように(『日本紀略』は事件当日の条は道兼
とするが、前日の条は道綱としてるかと)、道綱は「退位事件の陰謀に一働きをした」(今井源衛)
と言えるけど、保坂弘司『大鏡全評釈 上巻』(學燈社,1979)に引用されていた『愚管抄』の記述を
見る限り、道長はまだ若かったせいか花山天皇が既に出家したことを関白の藤原頼忠へ伝える役目を
兼家から命じられただけだけど、この歌合の時点で「計画」のことを知らされていたのかな(@_@;)

・花山院が播磨国で月の光の明るさに都を恋しがる歌を詠んでいるのが意味深に思えてしまう(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-28

・花山天皇は清涼殿から眺める月こそ素晴しいという和歌を詠んでいる〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-29

・よく知られている花山天皇が藤原道兼に騙されて退位・出家するシーン、誤訳ではないかと(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-10-31

・『西行物語(絵巻)』の一場面は「熊野信仰にともなう共通の説話の型によるもの」なのか(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-03-07

・「供奉者」がいたと知ると、西行や芭蕉が花山院を追慕したというのが何か怪しく思えてきた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-03-08
タグ:伝記 歴史 和歌
コメント(4) 
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コメント 4

tai-yama

私を待っている人がいる~。と期待してしまう自分が(笑)。
道兼の出家を日本のどこかで待っていた花山院はだまされて
そのまま退位・・・・
by tai-yama (2022-03-10 00:06) 

ナベちはる

同じ趣味を持って同じ本を買って…
であれば、会えるのであれば一度会ってみたくもなりそうです(笑)
by ナベちはる (2022-03-10 00:33) 

middrinn

それで、道兼が亡くなってしまったから、
tai-yama様、花山院は享楽的に(^_^;)
by middrinn (2022-03-10 05:02) 

middrinn

持っている本や読んだ本とかの情報交換を、
ナベちはる様、してみたいですね(^_^;)
by middrinn (2022-03-10 05:08) 

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