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211207読んだ本

読書の厄介なところは、どんなに優れた著作も版元がぐだぐだな場合である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

平山優『武田三代 信虎・信玄・勝頼の史実に迫る』(PHP新書,2021)

「はしがき」を読んだv( ̄∇ ̄)イエーイ!ヾ( ̄o ̄;)オイオイたった2頁じゃん! 毎日数冊併読してる(^_^;)
「はしがき」には「現状で、個々の戦国大名の歴史を通覧するのに便利で、しかも最新の研究成果を
踏まえた著作が出ているのは、関東北条氏の五代ぐらいではないだろうか。」(本書3頁)とあるが、
巻末の「主要参考文献一覧(凡例に掲げたものを除く)」に挙げられてた黒田基樹『戦国北条五代』
(星海社新書,2019)を指してるのかな(@_@;) 出し惜しみせずに、書名を記してほしかった(^_^;)

    ・・・/そこで本書は、戦国武田三代の歴史を、二〇二一年までの研究成果を踏まえ、
    紹介していく。武田氏の研究は、二十年ほどの間に、長足の進歩を遂げた。恐らく、
    全国の戦国大名研究の中で、もっとも研究者の層が厚く、多くの成果を挙げていると
    いっても過言ではなかろう。しかも、それらの研究成果により、特に永禄八(一五六五)
    年から元亀四(一五七三)年にかけての、信玄の後半生では、年表の書き換えという
    自体(ママ)すら発生し(元亀二年、武田信玄の三河・遠江侵攻が否定された)、また、
    室町幕府将軍足利義昭、織田信長と信玄との関係や、外交史なども大きく見直しが
    進んでいる。/・・・

本書3~4頁から引用したけど、本書を読むのが愉しみになってくるウキウキ♪o(^-^ o )(o ^-^)oワクワク♪
平山優の名は何かの本に出てたので、平山優『武田遺領をめぐる動乱と秀吉の野望 天正壬午の乱から
小田原合戦まで』(戎光祥出版,2011)を読んでみたら、メチャ勉強になったことだけ憶えてる(^_^;)
たしかに「大国中心の歴史叙述」にばかり接してたから、知らないことばかりで新鮮だった(⌒~⌒)
同書しか読んでないと思ってたけど、「また、つまらぬ物を読んでしまったorz」内を検索してみたら
『長篠合戦と武田勝頼 敗者の日本史9』(吉川弘文館,2014)と『検証 長篠合戦』(吉川弘文館歴史
文化ライブラリー,2014)も読了してた(^_^;) 「主要参考文献一覧(凡例に掲げたものを除く)」に
出ている平山優の他の著作を見ると、本書の執筆者として適格のようだ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

ただ、本書には16~17頁に「武田信玄の最大版図(1573年頃)」、18~19頁に「武田勝頼の最大版図
(1581年頃)」という地図が載ってて、主要な城・館・神社仏閣・合戦の場所しか出てない(´ヘ`;)
甲斐国&信濃国の地方・地域名も載せてくれないと、例えば、佐久とかどこだか分んないよ(-ω-、)
ソレは小生の個人的な問題なんだけど、そもそも、この「武田信玄の最大版図(1573年頃)」は実は
間違ってるかと(@_@;) 大井川以東=駿河国までが「最大版図」になってるけど、「1573年頃」には
地図に出ている遠江国の二俣城や高天神城、三河国の野田城も武田軍は既に攻略済みC= (-。- ) フゥー
例えば、本書271~272頁に次の記述がある( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

    ・・・/なお、勝頼が父信玄も落とせなかった高天神城を攻略したことが、
    彼の慢心に繋がったとの説が根強い。繰り返すが、高天神城は、すでに
    元亀三(一五七二)年十月、武田信玄により攻略されていることを明記
    しておく。/・・・

「武田勝頼の最大版図(1581年頃)」の方はちゃんと高天神城も「最大版図」に含んでおり、地図の
作製者は本書の原稿を読んでない(ノ ̄皿 ̄)ノアホカ!┫:・’. PHPクオリティかなC= (-。- ) フゥー

[追記211208]

返信コメにも書いたが、高天神城は「元亀三(一五七二)年十月、武田信玄により攻略され」(本書
272頁)、元亀4年(1573年)4月に信玄が死去した翌5月に家康が「高天神城の小笠原氏助を徳川方に
再度帰順させ」(本書265頁)たのを、天正2年(1574年)6月に勝頼が高天神城を攻略(本書270頁)
という経緯なので、「武田信玄の最大版図(1573年頃)」なら高天神城も含まないとおかしい(^_^;)

タグ:歴史 列伝
コメント(6) 

コメント 6

tai-yama

高天神城の説明板は1571年は大規模戦闘はなく(武田になっていない)
1574年で攻略となっていますね。最新の研究内容が説明板に反映
されるかは謎だけど。城から必死に脱出した将の話とかなくなって
しまいそうだし・・・
by tai-yama (2021-12-07 22:37) 

ナベちはる

せっかくの著作も、版元がよろしくないと駄作になってしまいますよね…
by ナベちはる (2021-12-08 01:25) 

middrinn

その説明版の「1571年」は、上述の「元亀二年、武田信玄の三河・遠江侵攻が
否定された」から「大規模戦闘」もあり得ないでしょうし、また「1574年」も、
tai-yama様、「元亀三(一五七二)年十月、武田信玄により攻略され」たこと
が「二十年ほどの間」の「研究成果」のため、知られていないからかも(^_^;)
ちなみに、元亀4年(1573年)5月に家康は「高天神城の小笠原氏助を徳川方に
再度帰順させ」たと本書265頁にあるので、「城から必死に脱出した将の話」は
天正2年(1574年)6月の勝頼の高天神城攻略時のこととして残りそう(^_^;)
by middrinn (2021-12-08 07:41) 

middrinn

少なくとも、チト怪し~い版元から出てると、
ナベちはる様、駄作に見えちゃいます(^_^;)
一流出版社から出てるというだけで、名作の
ように誤解してしまう人もいそうです(^_^;)
by middrinn (2021-12-08 08:04) 

yokomi

時の流れを記するには相当の注意が要りますね(>_<) まっ、何事も...でしょうか(^_^;) それにしても、毎日数冊併読してる...とは凄過ぎ(>_<)
by yokomi (2021-12-08 23:10) 

middrinn

何十冊もしてたら危険ですが、数冊ならフツーですよ(^_^;)
by middrinn (2021-12-09 07:04) 

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