211002読んだ本
読書の厄介なところは、小説家が古典をリライトした作品である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
【読んだ本】
杉本苑子『私家版 かげろふ日記』(講談社文庫,2002)所蔵本
上村悦子(全訳注)『蜻蛉日記(上)』(講談社学術文庫,1978)から訳も一緒に引く( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
・・・/また、ほど経て、見えおこたるほど、雨など降りたる日、「暮に来む」などや
ありけむ、
柏木の森の下草くれごとになほたのめとやもるを見る見る
返りごとは、みづから来てまぎらはしつ。/・・・
・・・/また、しばらくたって、訪れがとだえているころ、雨などが降ったりしていた日、
[兼家は]「夕方伺うつもりです」などと言いよこした折だったかしら、私[=作者]は、
柏の木からしたたる露に夕べごとに下草が濡れるように、あなたの庇護のもとに
ある私は夕暮ごとに悲しみの涙を流しているのにやはりあなたをあてにして
待っていよとおっしゃるのですか。来るのお言葉があてにならないのを知りつつ。
[と詠んで贈るも]この返事は、ご当人がやって来て、うやむやにしてしまった。/・・・
そして、上村悦子・前掲書は、この件を次のように評しているんだよね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
・・・彼の足がちょっととぎれたとき、雨模様の中を、/「今夜訪れるよ」と
前ぶれしてくれたことづけに対し、作者が贈った「かしは木の森の下草くれごとに
なほたのめとやもるを見る見る」の歌を見ると[兼家は]ただちに姿を見せた。
この歌は『後拾遺集』にもとられたが王朝の人妻らしい風情が百パーセント
うたわれた秀歌で、兼家も飛んで来ずにはいられなかったであろう。/・・・
柿本奨『日本古典評釈・全注釈叢書 蜻蛉日記全注釈 上巻』(角川書店,1966)も「・・・兼家をして
作者邸に足を運ばせたのは、作者の歌の力である。」と評しているように、『古今和歌集』仮名序に
「・・・男女の仲をもやはらげ・・・るは歌なり」とある通りで、リアル歌徳説話だねv( ̄∇ ̄)ニヤッ
一昨日の話では大雨なのに帰ると言い出した兼家を歌を詠んでも引き止められなかったけどね(^_^;)
さて、さて、さ~て!本題に入るけど、この話を我らが苑子タンは次のように描いてた( ̄◇ ̄;)エッ!?
・・・/そのうちに、ぽつりぽつり訪れの絶える夜がつづくようになり、/
「雨降りでも今夜こそ行く。きっとだとも」/誓いながら、平気で約束を破る
ようになった。このときの、私の歌……。
柏木の森の下草暮れごとに
なほ頼めとや漏るを見る見る
・・・
兼家は「約束を破」らず「訪れ」たのにね(^_^;) 「あとがき」には「・・・/もちろん、逐語訳では
ありません。・・・骨子は枉げず、原作者の心も歪めていないつもりです。どうか気軽に、この古典
を味わってくださいませ。/・・・」とあるけど、先に注釈書で読んでからの方が良いみたい(^_^;)
【読んだ本】
杉本苑子『私家版 かげろふ日記』(講談社文庫,2002)所蔵本
上村悦子(全訳注)『蜻蛉日記(上)』(講談社学術文庫,1978)から訳も一緒に引く( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
・・・/また、ほど経て、見えおこたるほど、雨など降りたる日、「暮に来む」などや
ありけむ、
柏木の森の下草くれごとになほたのめとやもるを見る見る
返りごとは、みづから来てまぎらはしつ。/・・・
・・・/また、しばらくたって、訪れがとだえているころ、雨などが降ったりしていた日、
[兼家は]「夕方伺うつもりです」などと言いよこした折だったかしら、私[=作者]は、
柏の木からしたたる露に夕べごとに下草が濡れるように、あなたの庇護のもとに
ある私は夕暮ごとに悲しみの涙を流しているのにやはりあなたをあてにして
待っていよとおっしゃるのですか。来るのお言葉があてにならないのを知りつつ。
[と詠んで贈るも]この返事は、ご当人がやって来て、うやむやにしてしまった。/・・・
そして、上村悦子・前掲書は、この件を次のように評しているんだよね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
・・・彼の足がちょっととぎれたとき、雨模様の中を、/「今夜訪れるよ」と
前ぶれしてくれたことづけに対し、作者が贈った「かしは木の森の下草くれごとに
なほたのめとやもるを見る見る」の歌を見ると[兼家は]ただちに姿を見せた。
この歌は『後拾遺集』にもとられたが王朝の人妻らしい風情が百パーセント
うたわれた秀歌で、兼家も飛んで来ずにはいられなかったであろう。/・・・
柿本奨『日本古典評釈・全注釈叢書 蜻蛉日記全注釈 上巻』(角川書店,1966)も「・・・兼家をして
作者邸に足を運ばせたのは、作者の歌の力である。」と評しているように、『古今和歌集』仮名序に
「・・・男女の仲をもやはらげ・・・るは歌なり」とある通りで、リアル歌徳説話だねv( ̄∇ ̄)ニヤッ
一昨日の話では大雨なのに帰ると言い出した兼家を歌を詠んでも引き止められなかったけどね(^_^;)
さて、さて、さ~て!本題に入るけど、この話を我らが苑子タンは次のように描いてた( ̄◇ ̄;)エッ!?
・・・/そのうちに、ぽつりぽつり訪れの絶える夜がつづくようになり、/
「雨降りでも今夜こそ行く。きっとだとも」/誓いながら、平気で約束を破る
ようになった。このときの、私の歌……。
柏木の森の下草暮れごとに
なほ頼めとや漏るを見る見る
・・・
兼家は「約束を破」らず「訪れ」たのにね(^_^;) 「あとがき」には「・・・/もちろん、逐語訳では
ありません。・・・骨子は枉げず、原作者の心も歪めていないつもりです。どうか気軽に、この古典
を味わってくださいませ。/・・・」とあるけど、先に注釈書で読んでからの方が良いみたい(^_^;)
人間ですから時間がたつと兼家の、雨降り、夜、和歌に対
する、それぞれのプライオリティも変動するんですね。
ところで今この文書いているpc、チェックしたのですが。
立ち上げてから5分位、バッググラウンドでサービス
アプリケーションソフトウェアーを動かしているらしく、
その間だけ、メモ帳・msペイントを立ち上げると、動作
異常を起こすことが判明しました。機械のpcも、時間が
たつと各タスクに対する、プライオリティが変化するん
ですねえ。win10pcは、昔の蛍光灯のよう。ちなみに
web上に「そのような症状が出た時には、故障と考えて
ください」と取れる情報あり。故障ではなくて、立ち上げ
きるまでの数分間、正常に動作しないだけのよう。今まで
のwin7古pcより、その点がだいぶん極端なようですよ。
by df233285 (2021-10-02 23:04)
小説家の血が騒いで、苑子タンはこの方が良いと考えて改変したのかも(^_^;)
一昨日に取り上げた件では、大雨の中を帰ろうとする兼家を引き止めようと歌を
詠んだのに帰ってしまった兼家に対して、信じられない!と道綱母が呆れたのは、
それだけ自分の歌に自信があったからと柿本奨・前掲書は指摘してます(^_^;)
今日の上記件があるから、ナルホド!と思える解釈なんですけど、苑子タンは
面白さが解らないのか、和歌に興味が無い所為か、一昨日の件はカット(^_^;)
前に貸与された時に使ったWin10は立ち上がるまでの時間がwin7より短かった
ですけど、普段Win7が完全に立ち上がるまで「メモ帳」とかは開かない習慣が
身に付いていたので、そういった体験は無いまま、返してしまいました(^_^;)
昨日の記事の返信コメは先ほど修正して、また加筆もさせて頂きましたm(__)m
by middrinn (2021-10-02 23:41)
下手に手を入れられると歴史がねじ曲がりますよねぇ
まぁ、古典の理解力にもよりますけど・・・。
by そら (2021-10-03 11:24)
本書を読んで、『蜻蛉日記』を読んだつもりになってはいけませんね(^_^;)
by middrinn (2021-10-03 13:34)
middrinnさんこんにちは。
リライトなので、多少の違いは容認されると思いますが、余りにも古典の解釈から、かけ離れているのは困りものですね。
特に、受験生は困りますね。
by ネオ・アッキー (2021-10-03 17:54)
たしかに!( ̄◇ ̄;) 堀辰雄の「かげろふの日記」を受験対策の一環で
小生は読みましたけど、今から考えると逆効果でしたねヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
by middrinn (2021-10-03 18:21)
「雨に濡れるのは禁忌」なのに、「今すぐこいやー」と要求して
いるのはある意味鬼だったり・・・
by tai-yama (2021-10-03 23:10)
だから、「雨に濡れるのは禁忌」は妄説なんでしょ(^_^;)
by middrinn (2021-10-04 05:55)