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210921読んだ本

読書の厄介なところは、バッファローズだと勘違いされていることである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
『大辞林』(初版第一刷)もバッファローで立項してるし、バファローズは関西弁・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;

【読んだ本】

浅見和彦(校注・訳)『新編日本古典文学全集51 十訓抄』(小学館,1997)所蔵本

    ・・・/同じ橘俊綱が播磨の国に下向した時のことである。途中の高砂でもって、
    人々は歌を詠んだ。その時、大宮先生藤原義定[のりさだ]という者が、

     我のみと思ひこしかど高砂の 尾上の松もまた立てりけり

      自分ばかりかと思ってやって来たけれど、高砂の尾上の松も
      老いさらばえて、昔のまま立っているよ

    と詠んだので、人々は大変に褒めたたえたという。/歌僧の良暹[りょうせん]が
    その場にいて、「おとなしい牝牛に腹を突かれたようなもんだ。まいった、まいった」
    と言ったという。/

良暹は僧だけに義定の来世を予言・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;物を盗ったり借りて返さなかった罪を犯したと?
本書の訳に和歌を原文ママで補ったが、良暹の「女牛に腹突かれぬるわざかな」が気になる(@_@;)

この「女牛に腹突かれぬるわざかな」については、本書の頭注には次のように記されている(@_@;)

    おとなしい牝牛に、不意に腹を突かれた。意外な者に予想外のことをされる意。
    当時の諺。

「当時の諺」なのかね(@_@;) この説話以外の用例が「当時」あったのかな(@_@;) ネットで検索
した限りでは、「雌牛に腹突かれる」「牝牛に腹突かれる」は出典も用例も記してなく、挙げてても
説話集『古今著聞集』や藤原清輔の歌学書『袋草紙』で、ソレらは説話集『十訓抄』と同話(@_@;)

『古今著聞集』のは『十訓抄』からの抄入で、西尾光一&小林保治(校注)『新潮日本古典集成 古今
著聞集 上』(新潮社,1983→2019新装版)から、「女牛に腹つかれぬるかな」に付した頭注(@_@;)

    角が後ろに曲っている牝牛に腹をつかれる意から、意外千万なことが起ることのたとえ。
    専門の歌人が素人に詠み負かされたことをいった。

両書よりも古いのが『袋草紙』で、小沢正夫&後藤重郎&島津忠夫&樋口芳麻呂『袋草紙注釈 上』
(塙書房,1974)から「女牛ニ腹ツカレタル類ヒカナ」の語釈(@_@;)

    女牛だと油断して、その角で腹を突かれたような失敗だというのである。
    素人と甘くみていた歌人に、案外な秀歌をよまれたのをいう。

藤岡忠美(校注)『新日本古典文学大系29 袋草紙』(岩波書店,1995)だと、「女牛に腹つかれたる
たぐひかな」に付した脚注で次のように解説されている(@_@;)

    角が後に曲って突けない女牛に腹を突かれること。油断して思いがけない目にあうこと。
    素人歌人と甘く見ていたら詠み負かされたこと。義定の[勅撰集]入集歌は後拾遺集の
    この一首だけ。

手元の『後拾遺和歌集』の各注釈書、『袋草紙』のを紹介してる程度で収穫はナシオン主権(@_@;)
そんなことはさておき、チョー可愛いバファローベルにお腹をツンツンされたい・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
タグ:和歌 説話
コメント(10) 
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コメント 10

tai-yama

吉本のバッファロー吾郎もコンビだけど"ズ"は無いですね。
「オリックスに優勝争いされたようなもんだ」と他のパリーグの
5球団は良暹の様な心境だったり(笑)。
by tai-yama (2021-09-21 22:55) 

爛漫亭

 今年のバファローズは牝牛のようなもの
なんでしょうかね。
by 爛漫亭 (2021-09-21 23:04) 

ナベちはる

野球は「バファロー(ズ)」ですよね。
辞書にバッファローと書いてあると、逆に「バファローって間違いじゃないのか」と思われますね…((+_+))
by ナベちはる (2021-09-22 01:03) 

middrinn

論点がズレてますオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
tai-yama様、「ッ」が無い事です(^_^;)
by middrinn (2021-09-22 05:53) 

middrinn

とりわけ、ソフトバンクと西武なんかは、
爛漫亭様、牝牛に腹突かれたと(^_^;)
by middrinn (2021-09-22 05:55) 

middrinn

今回、辞書を引いて、「バファローズ」の方が、
ナベちはる様、間違いかもと思うように(^_^;)
by middrinn (2021-09-22 05:56) 

df233285

なるほど。日本の知識人には牛は牛車等、移動を助ける味方で
あり、対人敵対攻撃動物とのイメージが弱いんですね。たとえば、
「猛牛」という言葉を使っても、実際には牛の名産地、”孟(ムアン)
の国の牛”等を心の中でイメージして、洒落で使っている証拠かと。
by df233285 (2021-09-22 09:30) 

middrinn

古代中国の「火牛の計」を元ネタにしたらしい
『源平盛衰記』の倶利伽羅峠の戦いの描写は、
スムーズに受け入れられたんですかね(^_^;)
by middrinn (2021-09-22 14:04) 

yokomi

バファリンをバッファリンと言うが如し(^_^;) 我が家の大辞林はそのまま家に入ってくるのか、それとも資源ゴミ回収に出されるのか、玄関風除室で待機中(>_<)
by yokomi (2021-09-22 23:13) 

middrinn

初版第一刷なので誤りも多いと思いますが、
ブログ原稿を執筆する際には、『大辞林』を
何度も何度も引いておりますv( ̄∇ ̄)ニヤッ
by middrinn (2021-09-23 08:06) 

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