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210908買った本&読んだ本

読書の厄介なところは、メジャー化するとファンじゃなくなることである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【買った本&読んだ本】

一ノ関圭『漫画家本11 一ノ関圭本』(小学館,2019)

「bookfan 2号店 楽天市場店」に新品1430円を全額ポイント払いで5日に注文したら8日に追跡不可能
ゆうメールで届いた(^_^;)

    口絵 一ノ関圭イラストギャラリー

    【序文】

     夏目房之介「一ノ関圭の卓越した場所」

    【5万2千字語り下ろしロングインタビュー】

     一ノ関圭、全作品を語る。 (聞き手)島田一志

      1 学生時代の思い出から「らんぷの下」でデビューするまで

      2 「らんぷの下」「裸のお百」「女傑往来」で描かれた自分を貫く女の強さ

      3 時にはラブストーリーとして、時にはミステリーとして描かれる
       「現代物」のヒューマンドラマ

      4 〝書く人〟と〝描く人〟──曲亭馬琴の口述筆記者となった女と
       「広重」の名を継いだ男たちの物語

    【特集『鼻紙写楽』】

     キャラクター&名場面紹介

     一ノ関圭インタビュー (聞き手)島田一志

      流光斎如圭がいかにして写楽になるかを見てほしい

     対談 一ノ関圭×タカノ綾 (司会)島田一志

      一ノ関圭作品のヒロインはみんなかっこいい

     作品論

      中野晴行「『鼻紙写楽』考」

      仲俣暁生「大いなる迂回路の先にあるもの」

     エッセイ 佐藤敏章「鼻紙写楽一件」

     資料1 ネーム公開
     資料2 「鼻紙写楽 菊之丞」梗概

     トリビュート・イラストレーション 松本大洋

    【作品論】

     一ノ関圭作品論
     飯田耕一郎「一ノ関圭、その〝密〟と〝女〟と〝謎〟について」

     「裸のお百」作品論
     姫乃たま「裸になる女、見られる側の視点。」

     「茶箱広重」作品論
     原正人〈「茶箱広重」について〉

     「らんぷの下」「茶箱広重」作品論
     タニグチリウイチ〈「らんぷの下」と「茶箱広重」が描く天才に及ばぬ者たちの生き方〉

     一ノ関圭作品論
     川俣綾加「5人の女の5つの選択」

    【エッセイ】

     沙村広明「師に関する私事」

     伊藤比呂美「一ノ関圭、群生海を生きる」

    【担当編集者インタビュー】

     山田馨(元岩波書店編集者)「10年待つとは思いませんでした」 (聞き手)島田一志

    【単行本未収録作品】

     「クレソン」

    島田一志編「一ノ関圭全作品解題」

一ノ関圭『ビッグコミック賞作家作品集① らんぷの下』(小学館ビッグコミックス,1980)の巻末の
副田義也「解説」は1972年受賞(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-07-27
としてたけど、このムックを読むと、正しくは1975年みたいだな(^_^;) 同賞は受賞者が戸峰美太郎と
彼女しかいないというレヴェルの高さだけど、夏目房之介が、彼女の「受賞時の佳作に谷口ジロー、
準佳作に弘兼憲史がいたというのも凄い。」と指摘してて、その才能に更に凄みが( ̄◇ ̄;) ただ、
芸術新潮の2017年7月号の第2特集が「追悼! 谷口ジロー 挑戦するマンガ家の軌跡」だったんだけど
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2017-06-24 )、同誌は谷口ジローの1970年作
の「くろろほるむ」について、

    /石川球太のアシスタント時代、「ビッグコミック賞」応募のために描かれた作品で、
    単行本未収録。・・・なお、谷口のデビュー作は翌71年に「ヤングコミック」
    (少年画報社)に掲載された「嗄れた部屋」で、作画のトーンは本作と似ている。/

とあり(「くろろほるむ」は1975年の第14回ビッグコミック賞佳作に入った作品ではないみたい)、
過去にも応募してたっぽいし、既に他誌でデヴューしてるのに応募し佳作というのは・・・(@_@;)
弘兼も何度も応募してる(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-08-10 )(^_^;)

このムックのインタヴューによると、ビッグコミック賞応募・受賞した作品「らんぷの下」の前に、
彼女は処女作を出版社に持ち込んでいた由( ̄◇ ̄;)

    ・・・/ちなみに初めて描いた漫画は、オリジナルのストーリーではなくて、
    フランソワーズ・サガンの『熱い恋』を勝手に漫画にしたものでした。80枚
    くらいになりました。サガンは『悲しみよこんにちは』などが有名ですけど、
    私は『熱い恋』のほうが好きだったんです。初めてきちんとコマ割りして
    ペン入れして、某出版社に持ち込みに行きました。/若い編集者が見てくれて、
    なんか全体的にあまりいい感触ではなく、開口一番、「『ベルサイユのばら』
    みたいなのが描けませんか」って言われました。持って行ったのが西洋を舞台
    にした漫画だったからだと思いますけど、『ベルサイユのばら』って言われて、
    「えっ、そっち!?」(笑)。当時の自分にはピンとこなく、すごすごと帰り
    ました。/・・・

笑える(^_^;) 眼識が無い編集者がいたもんだ(^_^;) でも、「そっち」に行かなくて良かった(^_^;)

知る人ぞ知る漫画家だったのが、一気にメジャー化したのは『鼻紙写楽』の刊行によると思うけど、
2016年の第20回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した際の選考過程も中野晴行が明かしてた(⌒~⌒)

    ・・・/わたしを含めた『鼻紙写楽』[を推した]派は、人物描写や時代背景の考証が
    優れていること、漫画表現として技量が高いこと、史実を踏まえたフィクションづくり
    の巧みさは他の追随を許さないことなどを強調した。中でも、みなもと太郎選考委員の
    「この作者は着物の絹と木綿を正確に描き分けている」という評価はいまでも記憶に
    残っている。みなもと氏は漫画家になる前、京都の着物地会社で働いていた経験を持ち、
    発言にも説得力があった。/・・・

みなもと太郎、流石だね( ̄◇ ̄;) にしても、『鼻紙写楽』は、読めば誰もが絶賛するであろう作品
だけど、更に分かる人しか分からないレヴェルの高みにまで到達している作品なのかヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
ただ、彼女の作品は「参考資料」を明記してるけど、挙げられている小説に出てくる台詞をそのまま
使ってるような・・・ネタ元の一つは持ってるけど、調べるの面倒なので確かめてないけど(@_@;)

島田一志による「一ノ関圭全作品解題」によると、「クレソン」はビッグコミック増刊号に発表後、
「大幅に構成の変更と作画の修正ほ加え、完全版のかたち」で、ビッグコミックエクストラ増刊号に
再掲載されたものを、「さらに修正を加えた最新バージョン」を今回収録の由、読み応えあった(^^)
タグ:漫画 評論
コメント(6) 

コメント 6

tai-yama

豆腐の絹と木綿を描き分けられる漫画家さんも居るかも。
同じビックコミックの「海帝」はもしかしてマイナー(笑)。
by tai-yama (2021-09-09 00:03) 

ナベちはる

メジャー化したら、「人気になる前からチェックしていたから嬉しい」なんてなってもいいような気もしますよね(+o+)
by ナベちはる (2021-09-09 01:22) 

ネオ・アッキー

middrinnさんおはようございます。
一般的には、本が有名になると、読みたくなる傾向にあるように思いますが、シン?の読書家は、違うのですね。
by ネオ・アッキー (2021-09-09 05:18) 

middrinn

星野之宣もワールドクラスのメジャーになっちゃったから、
tai-yama様、『海帝』とかも惰性で買ってる感が(^_^;)
by middrinn (2021-09-09 06:21) 

middrinn

まさに、おっしゃる通りなんですけど、だからこそ、
ナベちはる様、メジャー化した後にファンになった
ニワカとは思われたくない、という気持ちに(^_^;)
by middrinn (2021-09-09 06:23) 

middrinn

「ベストセラーに良書なし」という言葉が大昔からありますし、読書家を気取った人は、
ネオ・アッキー様、大衆を見下してるので、読まない、読む人を馬鹿にしてそう(^_^;)
by middrinn (2021-09-09 06:27) 

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