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210426読んだ本

読書の厄介なところは、デジタル化も利用者を考えないお役所仕事なことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)
除菌ウェットティッシュ、フタシール開けて一枚ずつ取り出そうにもいっぺんに何枚も出てくる(-ω-、)

【読んだ本】

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』(文春文庫,1996)所蔵本

続けて、「大谷竹次郎の劇場愛」を読んだ(^_^;) 似たような事業をしてた同姓同名の別人が存在する
ことをwikiで知ったが、本篇で描かれているのは松竹のトップ(^^) 「・・・企画会議で毎月の演目を
決定するのは、大谷さんのワンマン行政だったと思われる。」として、

    ・・・/伝説だが。坊さんの出る芝居が大好きで、だから「娘道成寺」や
    「鳴神」や「河内山」がよく出るという噂があった。「坊主まるもうけ」
    だからねと、付け加える者もいた。/逆に「新薄雪物語」は嫌いだという
    話もあった。大きな役が多く、よほどの顔揃いでもなければできないという
    条件があったためともいえるが、「薄雪」の「薄」の字が入りが薄いことに
    つながるからだと、まことしやかな説明を私は耳にしている。/だが、
    いいものなら、入りが薄くても、避けようとしない姿勢もあったので、
    真山青果が「平将門」を書いたのを見て感心し、井上正夫に昭和二年二月の
    本郷座で主演させたが、劇評は各紙とも絶讃したけれど、客が一向に来ず、
    千秋楽まで透き間だらけの劇場で井上は芝居を続けたのである。/ところが
    大谷さんは大阪の浪花座で、もう一度するようにと命じ、損得を度外視して、
    「こういう芝居を大阪のお客にも見せたいのや」と強い口調でいったと、
    井上が「化け損ねた狸」という自伝に書いている。/・・・

気骨ある経営者ジャマイカ( ̄◇ ̄;) しかし、大谷竹次郎についてよりも、真山青果の『平将門』に
興味・関心を持つのが小生C= (-。- ) フゥー 真山青果(作)『玄朴と長英 他三篇』(岩波文庫,1952)
巻末の「解説」で他ならぬ戸板康二が次のように記していたしね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    ・・・/[自然主義の小説家だったが]ジャーナリズムから遠ざからねばならぬ心境に
    達した青果は、逃避するがごとく、劇壇へ入つた。イプセンの影響を受けた「第一人者」
    といふ戯曲(この作品は、明治四十四年、新時代劇協会で井上正夫が演じた。)をすでに
    発表はしてゐたが、青果は、さういふ作風を未練なくすてて、新派の座附作者となつた
    のである。亭々主といふ筆名の覆面にかくれ、彼は新聞小説の脚色もした。俳優の身分を
    立て、俳優の柄を見て役を割り振る歌舞伎の狂言作者と同じやうな「縁の下の力持」を、
    黙々とつとめもした。/大正二年の冬に松竹株式会社の人となつたが、以後、衰微の極に
    あつた新派を、徐々に順境へと誘導したのは、かかつて「亭々主」の筆力だつたといつても
    過言ではあるまい。しかし、朴訥な東北の学究が、幕内の世界に入つて感じた心の抵抗は、
    尋常のものではなかつた筈である。/ひそかに期する所あつて、青果は苦節に耐へた。
    大正十三年九月の中央公論に発表した「玄朴と長英」は、スタイルとして、彼が過ぐる
    十年間に書いて来た「狂言」とは全くちがふ戯曲だつたが、翌十四年一月の同誌に
    発表した「平将門」は更に、旋風とも例へたい程の、新鮮な衝撃を人々に与へた。
    眠つてゐた獅子は、つひに起つたのである。/・・・
    
漢字を改めて引用したけど、ラストがカッコいい(^^) 読みたいと思い、ネット検索したら、国立国会
図書館デジタルコレクションにあるも、蔵書印で読めない文字が(ノ ̄皿 ̄)ノナンデヤネン!┫:・’.
もう所蔵資料をデジタル化で保存したとして、まさか原本を廃棄処分にしてたりしてヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

・「江戸川乱歩の好奇心」は御愛想と思ってたところ「翌日」「速達」なのが〈ちょっといい〉(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

・「徳川夢声の話術」は古川ロッパが夢声の声帯模写をしてラジオ聴取者が気付かなかった話(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-11

・「有吉佐和子の笑い声」は彼女の推理小説の書評を頼まれるも「なぜこんなに下手なのだろう」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-18

・「菊田一夫の博愛」は新聞社から公職追放についての情報が伝えられ菊田一夫の名前もあった(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-20

・「芥川比呂志の酒席」は初版本「羅生門」の末行が「下人の行方は、誰も知らない」に非ずと(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-24

・「小泉喜美子の博識」では歌舞伎にも詳しい推理小説家の才気煥発ぶりも巧みに描かれる(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-29

・「三島由紀夫の哄笑」では戸板康二による解説の「これは三島氏の若書きであるが」に誤植( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-03

・「川口松太郎の人情」では「婚礼の披露宴」における川口松太郎のスピーチがマジで絶妙(〃'∇'〃)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-05

・「岩田豊雄の食味」は「獅子文六という筆名にしても、四四十六をもじったのではなく・・・」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-11

・「古川緑波の冗句」の「昔の探偵小説は、悪人の姓が・・・何となく憎々しいのが多かった」由(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-15

・「伊馬春部のカメラ」の「誰から花をもらった、どこから酒を寄付された」と書くのはダメだろ(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-25

・「奥野信太郎の探求」、この中国文学者のことが好きになれぬエピソードまで紹介されてた(-ω-、)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-01

・「田辺茂一の大鞄」の田辺茂一が立川談志に与えた「巧は拙を蔵する」という言葉について(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-05

・「藤本真澄の映画」は「東京一淋しい男」(映画「裸の重役」の原作)のモデルが誰なのか(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-24

・「三宅周太郎の宗教」では「新聞劇評家に質す」という公開質問状のような評論が気になる(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-01

・「十返肇のアンテナ」の自称「軽評論」とは伊藤整『日本文壇史』に通じるものなのかなぁ(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-03

・「小宮豊隆の吉右衛門」でも言及の『漱石全集』より「主要近代文学全集一覧」を読みたいな(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-07

・「花森安治のスカート」は「ぜいたくは敵だ」「欲しがりません、勝つまでは」に関する伝説(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-14

・「寺山修司の国訛」では模倣小僧と呼ばれていたことなどはモチ本書には書かれてないけど(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-04-21

・戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から〈真・ちょっといい話〉を選りすぐってみた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-27
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

平清盛の木像も坊さんっぽいのでだから大絶賛だったのかも。
平清盛は大河ドラマでも舞台でもうけないと・・・
by tai-yama (2021-04-26 23:57) 

ナベちはる

原本の廃棄処分、されていたら悲しくなってしまいますね…orz
by ナベちはる (2021-04-27 00:49) 

middrinn

後白河法皇や俊寛、西光らも登場させれば、
tai-yama様、坊主だらけになります(^_^;)
by middrinn (2021-04-27 05:33) 

middrinn

原物ならば蔵書印が捺された部分の活字の解読も、
ナベちはる様、可能かもしれませんしね(@_@;)
by middrinn (2021-04-27 05:34) 

enokorogusa

デジタル化して印刷の手間も在庫としての経費も省けたのに、どうして価格はそのままなんでしょうかねぇ・・・
古いマンガなどは、価格を下げれば買う人多いと思うんですが(^^;)
by enokorogusa (2021-04-27 20:23) 

middrinn

買いたい本の一つが版元は品切で、楽天ブックスや三省堂書店から
オンデマンドで出てるんですが、定価と同じ値段なので躊躇(+_+)
by middrinn (2021-04-27 20:43) 

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