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210322読んだ本

読書の厄介なところは、会読だと読みが深まるも進まないことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
会読は「数人が一か所に集まって同一の本を読み、研究や討論をすること。」と『大辞林』(初版
第一刷)は説明(^^) ちなみに、「回読」は「何人かの間で、書物などを順々にまわして読むこと。
まわしよみ。」とあるが、「数人が一冊の本をかわるがわる読んで解釈し意見を交わすこと。」と
説明されてる「輪読」は、会読と同義だと思ってたけど、もしかして「回読」に近いのか(@_@;)

【読んだ本】

目崎徳衛『王朝のみやび』(吉川弘文館歴史文化セレクション,1978→2007新装版)所蔵本

本書の「行成の光彩と陰翳」という一篇を再読したが、その冒頭を引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    /年来数人の仲間で、[藤原]行成の日記『権記』を読んでいる。・・・活字本では
    幾分心もとないので、宮内庁書陵部蔵の伏見宮家本をコピーさせてもらって使用してきた。
    もしこれが行成自身の名筆で記された原本だったらどんなに楽しいことだろうと思うが、
    残念ながら平安末頃かと思われる古写本である。その一字一句に引っ掛かってあれこれ
    詮索と議論を繰り返していると、一晩かかって日記の一日分も進まないこともたびたびで、
    いまだに行成が二十代後半の颯爽たる蔵人頭として活躍していた長徳四年(九九八)頃を
    うろうろしている。/『権記』よりも早い頃から読みはじめた藤原道長の日記
    『御堂関白記』の方は、・・・

あーだーこーだと同好同学の士と論じ合いながら『権記』を読むなんて、愉しそうだなぁ(〃'∇'〃)
前野良沢や杉田玄白たちの訳読会も、モチ労は多かったとしても、愉しかったんだろうねぇ(⌒~⌒)
活字本、しかも現代語訳ゆえ、読んだなどと口にするのもチト恥しいけれど、最近再読した倉本一宏
(全現代語訳)『藤原行成「権記」(上)』(講談社学術文庫,2011)は、正暦2年(991年)9月7日条
から長保2年(1000年)10月30日条までを収録してるので、『権記』の長徳4年(998年)までの記述を
取り上げて論じてる、この目崎徳衛の一篇は、うん、うん、そう、そうと頷きながら読んだ(⌒~⌒)
ただ、気になる記述も(@_@;)

    ・・・詩文にも和歌にも格別の才は示さなかったけれども、当代に並ぶ者なき能書の誉は
    他の一切の能を無用とした。・・・

「当代に並ぶ者なき能書の誉」はその名を口にするのも恐ろしい誰かさんのことをお忘れのようだし
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-10 )、「和歌にも格別の才は示さ
なかった」は良しとしても(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-03-21 )、
「詩文にも・・・格別の才は示さなかった」という藤原行成への評価は如何なものだろうか(@_@;)

萩谷朴『枕草子解環 三』(同朋舎出版,1982)は、「詩作はともかくとして」としているし(@_@;)

    ・・・『権記』によって調査した結果では、行成が詩会・歌会・歌合等の文芸の催し
    に参加することは人後に落ちぬ頻繁なものがあったが、詩作はともかくとして、
    和歌の実作を多く残していない点では、本段に、詠歌恐怖症を自称していることも
    首肯されよう。/・・・

黒板伸夫(日本歴史学会編集)『藤原行成』(吉川弘文館人物叢書,1994新装版)は、藤原行成の学識
として「漢文学に関する知識」が指摘されていることを紹介した上で(同書265頁)、以下のように、
詩文にも「長じていた」と評している(同書265~267頁)(@_@;)

    ・・・/彼の詩文の分野での活動が顕著なことや、またそれに長じていたことは、
    作文会(詩会)への参加が非常に多いこと、漢文の和歌序を作っている点などにも
    表われている。彼の詩は、当時の重要な詩文集である『本朝麗藻』には「拾遺納言」
    の名で一首だけ載せている。これは道長の宇治遊覧に従っての作であり、この時の
    「宇治別業即事」(大江以言)という句題からみても寛弘元年(一〇〇四)閏九月
    二十一日のことであるが、当時の侍従中納言(拾遺納言)は藤原隆家で、行成は
    参議右大弁であった。しかし隆家はこの遊覧に同行していないので、この官名は
    行成の後の官名を記したものといえる。/行成の詩は市河寛斎(文政三年没)の
    『日本詩紀』にこの作のほかに、『類題古詩』よりの一首を載せ、この二首しか
    知られなかったが、戦後新発見の『行成詩稿[こうぜいしこう]』により十数首を
    加えることになった。これには菅原輔正、源為憲、藤原為時(紫式部の父)らの
    唱和もあり、しかも行成自筆説が有力である(桃裕行「行成詩稿について」
    『桃裕行著作集』五巻、川口久雄『平安朝日本漢文学史の研究』)。/・・・

さて、さて、さ~て!本題に入ると、黒板伸夫は同書「あとがき」で「・・・山中[裕]氏をはじめ、
目崎徳衛氏、林陸朗氏、山本信吉氏ほかの方々との勉強会や、ほぼ同じメンバーによる『権記』や
『御堂関白記』の講読会、・・・」(同書301頁)と記しており、藤原行成の詩文の才に対する評価が
分かれる目崎徳衛と黒板伸夫は、一緒に『権記』を読んで議論もたたかわしたはずなのにね(@_@;)

・こんなデタラメだらけでも目崎徳衛が「西行研究の第一人者」だなんて吃驚仰天だよヒィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

 ⇒ https://yomunjanakatsuta-orz.blog.ss-blog.jp/2018-10-28
タグ:歴史 伝記
コメント(8) 
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コメント 8

tai-yama

Amazonのレビューとかもうまく使えば会読に・・・・
詠んでいない人とか書き込めるからうまく行かないけど(笑)。
我々のブログも未来人が読んだら一記事を読むのに10年ぐらい
かかったり。
by tai-yama (2021-03-22 23:36) 

ナベちはる

研究や討論となると、内容次第では本当にそれだけで1日が終わってしまいそうですね(^^;
by ナベちはる (2021-03-23 01:42) 

middrinn

Amazonのデタラメなレヴューを何回か取り上げ批判したけど、
tai-yama様、もしかして、読まずに書かれたものかも(^_^;)
by middrinn (2021-03-23 06:11) 

middrinn

しかも、一頁どころか僅か一語をめぐる議論で、
ナベちはる様、一日が終わっちゃうかも(^_^;)
by middrinn (2021-03-23 06:13) 

そら

会読、面白そうですけどね
私、友達居ないしなぁ(^^;
by そら (2021-03-23 06:46) 

middrinn

奥様、お嬢様と会読をなさる手もありますよ(^o^)丿
御家族の意外な一面が見られるかもしれません(^^)
by middrinn (2021-03-23 06:49) 

ニッキー

会読、これは進まないですねぇ(⌒-⌒; )
みなさま、それぞれが深いご意見多数で
議論が活発になりすぎそうですw
by ニッキー (2021-03-23 19:47) 

middrinn

論点が多くて意見が分かれる方が読みは深まりますけど進まなくなりますね(^_^;)
by middrinn (2021-03-23 19:55) 

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