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210223買った本&読んだ本

読書の厄介なところは、掘り出し物は財布と相談せず買ってしまうことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)

【買った本&読んだ本】

犬養廉&平野由紀子&いさら会『笠間注釈叢刊18 後拾遺和歌集新釈 上巻』(笠間書院,1996)
犬養廉&平野由紀子&いさら会『笠間注釈叢刊19 後拾遺和歌集新釈 下巻』(笠間書院,1997)

5回目の利用となるAmazon出品者「かわせみ 書房」に9039(9800+送料等340-ギフト券1101)円で
「良い」を21日夜注文し23日昼前に届くウラー!(^o^)丿 コンディションは「コレクター商品 - 良い -
★上下巻の2冊セットです★ 2冊とも初版。函にヤケがありますが、本の状態は良好です。ビニール
袋に入れ迅速に発送いたします。」という説明で、書き込み等は無く、硬めの透明ビニールの上から
プチプチで包んで、ゆうパック(モチ追跡可能)ゆえ問題ナシオン主権ヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪

なお、「後拾遺和歌集新釈 上巻 正誤表」という紙が下巻に挟まってたけど、大昔のワープロで作成
したのをコピーしたような手作り感(しかも、記されている数字の一部が手書きになってる)(^_^;)

本書の上下巻セットを15340円で4日に注文して、同日注文した木船重昭『笠間注釈叢刊13 後撰和歌集
全釈』(笠間書院,1988)16757円(210206買った本&読んだ本)と合わせて、今月は「3万円」程度に
抑える予定だったのに(210201読んだ本【バカチン】)、前に利用したことのある出品者から「在庫を
調べましたところ、当社の管理不行き届きでこちらの商品は見つかりませんでした。たいへん申し訳
ございませんが、今回キャンセルをさせていただけますでしょうか。」というメールが8日に届いて、
心に大きな穴が(ノ;ω;)ノ ~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!! 心の隙間を埋めるために、つい予定外の
藤本一恵『後拾遺和歌集全釈』(風間書房,1993)上下巻を26564円で注文してしまった次第(210219
買った本&読んだ本)(-ω-、) すると、21日夜に本書が破格の値で出品され思わず・・・(ノ_-;)ハア…

「いさら会」とは「上巻あとがきにかえて」に「・・・昭和五十八年(一九八三)九月より平成五年
(一九九三)十月までの約十年間にわたるお茶の水女子大学の卒業生・院生による輪読会・・・」と
ある(@_@;) 【他文献資料】という項目は歌番号までちゃんと記されてて、きめ細かいね(〃'∇'〃)
でも、能因法師の「あらしふく」の歌は「永承四年十一月九日内裏歌合九」と記されているだけで、
〈百人秀歌五七、百人一首六九〉が脱落してるのはご愛敬か(^_^;) 両巻巻頭の「凡例」には引用した
参考文献の略称が出てるんだけど、大学紀要の連載まで挙げられてる目配りの良さに感心(〃'∇'〃)
でも、久保田淳&平田喜信(校注)『新日本古典文学大系8 後拾遺和歌集』(岩波書店,1994)を挙げ
てないけど、これもご愛敬か(^_^;)ヾ( ̄o ̄;)オイオイ天下の久保田淳&岩波に対し、大した度胸だろ!

さて、さて、さ~て!本書購入で、手元にある『後拾遺和歌集』の注釈書も6冊となったわけだけど、
本書上巻から歌番号31の左近中将公実朝臣の歌を【現代語訳】とともに引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)

     承暦二年内裏歌合によみはべりける

    きみがよにひきくらぶれば子日する松のちとせもかずならぬかな

      承暦二年内裏歌合に詠みました歌

     君の御代の長久に比べますれば、千代を祝う子の日の松の齢の長さも
     ものの数ではございません。

久保田淳&平田喜信(校注)『新日本古典文学大系8 後拾遺和歌集』(岩波書店,1994)の脚注(´・_・`)

    ・・・▽歌合の当日、当歌「負」の判には右方から不満の声があったと伝える。
    後拾遺和歌集撰者藤原通俊も歌人として参加。/

久保田淳&平田喜信(校注)『後拾遺和歌集』(岩波文庫,2019)は同件すら無い(ノ`m´)ノ ┫:・'∵

藤本一恵『後拾遺和歌集全釈 上巻』(風間書房,1993)の同歌の【参考】を引くけど(原文ママ)、
藤本一恵(全訳注)『後拾遺和歌集(一)』(講談社学術文庫,1983)もほぼ同文だからね(⌒~⌒)

    /この歌は、一番右に出詠して、一番左、藤原実政の「子の日するあまたの人に
    引きつれて君が千年をまつとこそみれ」に番って「負」となっている。負けた右方は
    この判定に納得せず、判者源顕房につめよったが、顕房は右歌をよしとしながらも、
    一番左を「勝」とする旧例によって左方を「勝」と判定したという(廿巻本歌合』、
    『袋草紙下巻』、『和歌童蒙抄』等)。[『後拾遺和歌集』の]撰者[藤原]通俊は、
    この歌合に右方歌人・講師として参加、盛んに発言しているが、期するところがあってか、
    「負」になったこの歌を採択した。ちなみに、白河天皇は、その二日後、四月三十日に
    ふたたび内裏において、まったく同題で後番歌合を催されている。このたびは自ら勅判
    を下し、旧例に反して一番右を「勝」と判定されている。/

川村晃生(校注)『和泉古典叢書5 後拾遺和歌集』(和泉書院,1991)の補注は次の通りv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    /白河院主催の晴儀歌合。天徳の内裏歌合を模した歌合であるが、激しく論難が
    交わされた文学的水準の高い歌合であった。・・・なお本首は一番右の詠で、
    「子日するあまたの人のひきつれて君がちとせをまつとこそ見れ」(答弁実政)
    と番い、負判。ただし論難においては、「数ならぬ」という表現の豊かな予祝性や、
    左歌の松が懸詞として隠されている欠点などが指摘され、その上で顕房の判が
    下っている。判詞末尾に「判者大納言、右の歌はいみじうをかしうよき歌なり、
    左の歌はただよみたる二歌なれど勝つ、と定められしこそ心得ざりしか」とある。
    白河院は本歌合の結果に不満を示し、二日後右方方人と同題同番で勅判の後番歌合
    を催した。/

では、真打登場で、本書上巻の同歌の【詠歌事情】を引くキタ━━━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━━━!!!!

    /歌の勝敗をめぐって活発な論難がかわされた承暦二年内裏歌合での、一番右の歌。
    右方は千年を「数ならぬ」とする当該歌が、千年を「まつ」とする左歌よりも
    君が代の長さをたたえているとして右歌を推す。判者顕房も、右歌をよしとした上で、
    旧例にならって左方を勝ちとした。この判定を不服として、三日後[ママ]に
    白河天皇によって右方方人たちが集められ、後番歌合が行なわれている。参加者は
    白河天皇を中心とした側近侍臣で、小野宮系の通俊を中心に固く姻戚関係に結ばれた
    メンバーが中心となっており、当時の貴族社会の最上流グループをオミットした
    ところに、大きな時代的意義を見出すことが出来る。また、この新しい歌人たちの
    流れが次代への架け橋ともなっている。この歌を採用した通俊の意図もそこにあると
    思われる。/

大変勉強になるが、肝心な「左歌」(藤原実政「子の日する」)を紹介してないのもご愛敬か(^_^;)
岩波文庫版は使えないと再三指摘してきたけど、そもそも新大系だけじゃダメということかな(^_^;)
タグ:和歌
コメント(6) 

コメント 6

そら

和歌集って高いんですね!!
ところで何で「かわせみ書房」って名前なんだろう??

by そら (2021-02-23 20:36) 

middrinn

上下巻それぞれ定価は18447円+税でして、
売れないので、高いのではないかと(^_^;)
命名理由は不明ですが、すぐに発送されて、
その辺が、カワセミさんのイメージ(^_^;)
by middrinn (2021-02-23 20:49) 

tai-yama

高い値段で買ったと言うことは、貴族社会的には"勝"だったり(笑)。
相撲や野球みたいにビデオ判定すれば後腐れもなかったかも。
by tai-yama (2021-02-23 23:35) 

ナベちはる

注文した本がまさかの在庫なし…悲しいですねorz
by ナベちはる (2021-02-24 00:52) 

middrinn

最初にキャンセルされたのよりも安く買えたから、
tai-yama様、小生は「負」と言うのかヾ(`◇´)ノ
by middrinn (2021-02-24 06:15) 

middrinn

発送を今か今かと待ってたから、
ナベちはる様、がっかり(-ω-、)
by middrinn (2021-02-24 07:57) 

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