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210116読んだ本

「中小企業のみなさま、ITに関するお悩みをぜひお聞かせください。」の人、有名人? IT業界の顔?

【読んだ本】

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(原作)小梅けいと(作画)速水螺旋人(監修)
『戦争は女の顔をしていない 1』(KADOKAWA,2020)

読了(^o^)丿 この漫画については朝日新聞夕刊の「中条省平のマンガ時評」で取り上げられる前に、
ぽムたんが紹介していて、図書館に予約も予約者多数で、やっと順番が回ってきて読んだ次第(^o^)丿

原著者はノーベル文学賞を受賞したジャーナリストで、「彼女が取材した、500人にのぼる第二次世界
大戦従軍女性たちの証言をマンガ化」したもの(@_@;) 巻末の190~191頁の監修者による解説を先に
読んで良かった(ノ_-;)ホッ… 独ソ戦(大祖国戦争)で、社会主義ならではの志願した女性たちであり、
「想像力、それはこの作品を読むにあたってとても、とても大事なことだ。」(191頁)とあり(本書
の具体的な場面に即して「背景」や「別の物語」の可能性を指摘してる)、「もうひとつ大事なこと。
本作の証言はかならずしも事実とは限らない。彼女たちは歴史家ではないし、記憶は変わるものだ。
アレクシエーヴィチもその主観に手を加えることはない……そういう本ではないのだ。」(191頁)と
ある(@_@;) 本書の主旋律として、第三話(後編)でのクラーヴァ(クラヴヂヤ・グリゴリエヴナ・
クローヒナ)の独白を96頁(全5コマ)から引いておく(@_@;)

    そりゃ軍隊で宣誓したわ 「必要ならば 命も投げ出す」って

    でも どうしても死にたくない

    生きて帰っても心はいつまでも病んでる

    今だったら足とか手をけがしたほうがいいと思うね
    身体が痛むほうがいいって

    心の痛みはとてもつらいの

読んだのは奥付によると4版だが、目次と本編の漫画で名前が異なる人がいるのは何なんだ(@_@;)

    第一話 従軍洗濯部隊政治部長代理ワレンチーナ・クジミニチナ・ブラチコワ‐
        ボルシチェフスカヤ中尉の話

    第二話 軍医エフロシーニヤ・グリゴリエヴナ・ブレウス大尉の話

    第三話 狙撃兵クラヴヂヤ・グリゴリエヴナ・クローヒナ上級軍曹とマリヤ・
        イワーノヴナ・モローゾワ(イワーヌシュキナ)兵長の話(前編・後編)

    第四話 衛生指導員マリヤ・ペトローヴナ・スミルノワと看護婦アンナ・
        イワーノヴナ・オスモロフスカヤ二等兵の話

    *目次はこの通りも、第四話の109頁は「アンナ・イワノーヴナ・ベリャイ看護婦」(@_@;)

    第五話 高射砲兵クララ・セミョーノヴナ・チーホノヴィチ軍曹と通信兵マリヤ・
        セミョーノヴナ・カリベルダ軍曹、斥候リュボーフィ・イワーノヴナ・
        オスモロフスカヤ二等兵の話

    第六話 一等飛行士アントニーナ・グリゴリエヴナ・ボンダレワ中尉と
        航空隊クラヴジヤ・イワーノヴナ・テレホワ大尉の話

    第七話 書記エレーナ・ヴィレンスカヤ軍曹と機関士マリヤ・アレクサンドロヴナ・
        アレストワ、射撃手ローラ・アフメートワ二等兵の話

さて、さて、さ~て! 本書の表紙カヴァー袖(の片方の側)には、次の言葉が記されている(@_@;)

    戦争で一番恐ろしかったのは、男物のパンツをはいていることだよ。

これは第七話でのローラ・アフメートワ二等兵(射撃手)の証言だが、186頁の最後のコマから187頁
の最後のコマまでの彼女の独白を引く(@_@;)

    あたしたちの土壕には十人の女の子がいて みな男物のパンツを穿いてた。

    まったくどうしようもない! 夏も冬も四年間だよ

    ソ連の国境を越えた……

    政治教育で軍事委員が言った表現によれば「獣どもを巣に追いつめた」ってわけよ……

    ポーランドの最初の村で新しい衣服が支給された……

    そして初めて女物のパンツとブラジャーがもらえたんだ

    戦中を通して初めてだよ

そして、この後、188頁の冒頭コマで、「わかるよね……あたしたち初めてあたりまえの女物の下着を
もらったんだよ」とローラ・アフメートワは大笑いしながら言ったあと、取材者=原著者に対して、
「どうして笑わないのさ」と訊ねて、大変印象的なラストシーンへと繋がっていく(´;ω;`)ウッ…

ここで、拙い「想像力」を働かせてみる(@_@;) チェコスロバキアから帰国し、ソ連の小説雑誌で
「・・・町の百貨店にチェコスロバキア製のブラジャーやらパンツやらが入荷したとかで、町中の女
たちが、いや近隣の村々の女たちまでが、百貨店の前に列をなして並んでいた」(S・セミョーノフ
『わがアンガラ河』)という描写を読んで、「・・・その後、いくつかの小説やエッセイを通して、
ソ連の女たちにとってポーランド製やドイツ製やチェコスロバキア製の下着が、大変貴重だったらしい
ことも確認できた。」という米原万里は、同『パンツの面目ふんどしの沽券』(筑摩書房,2005)で
次のように記している( ̄◇ ̄;)

    ・・・/もしかして、ソ連ではレースの縁取りがついた明るい色の薄手のパンツを
    工業生産していなかったのかもしれない、とそのときハタと思った。流行に左右されない
    質実剛健なパンツこそ、社会主義に相応しいと考えられていたのではないか。/
    第二次大戦後、東欧諸国がソ連の傘下に組み込まれた事は、政治的、社会的、
    イデオロギー的側面から語られることが多いが、それが経済、わけても庶民の女たちの
    私生活にも何と画期的な変化をもたらしたことだろう、と感慨にもふけった。/ところが、
    事実ははるかに上手だった。「身体の記憶──ソビエト時代の下着」という展覧会で
    入手したカタログに記された簡略ソ連下着史によると、第二次大戦が終了するまで、
    ソ連では下着のパンツが一切工業生産されていなかった、とのことである。・・・

ローラ・アフメートワらに支給された、新しい女物の下着を、ソ連軍は、どこから、どのようにして
( ← ここ大事)入手したのかを「想像」すると、全く「別の物語」が浮かび上がってくる(@_@;)
コメント(12) 
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コメント 12

tai-yama

男物のパンツではなく、人民服とおなじく人民パンツだったのかも。
ノーブラで戦っていたのかな・・・・はぁはぁ。
by tai-yama (2021-01-16 19:08) 

middrinn

シャラポワみたいに付け乳首かも(^_^;)
by middrinn (2021-01-16 19:33) 

ニッキー

昔の社会主義の国は上の方の人以外は質実剛健を常としてて
服でもなんでも可愛いとかオシャレとかとはほど遠いイメージが・・・
でもまさか女性ものの下着すら着られなかったとは思いませんでした(°_°)
そういえばまだソ連だった頃に、父が年の2/3は出張に行ってましたが
男性は100円ライターで女性はストッキングの土産が一番喜ばれたと
聞いたことがあります(°_°)
by ニッキー (2021-01-16 21:50) 

ナベちはる

「中小企業のみなさま、ITに関するお悩みをぜひお聞かせください。」の人…初めて聞きました(・_・;)
by ナベちはる (2021-01-17 00:38) 

middrinn

大蔵雄之助『ソヴィエト見聞録 放送記者の見たままノート』(講談社文庫,1984)に
ソ連でロシア人女性から招かれたら〈・・・/「そういうときのおみやげは、ビキニ
の水着に限ります。『着られるなら、やる』と言うと、目の前で裸になって着て見せ
ます。まあ、上も下も細い一本の紐のようになりますが、普通の日本人のものであの
大柄なロシア女の大事なところがとにかくかくれるのだから、女の体というのは
不思議なものですねえ」/婦人向けのプレゼントは、海水着のほかはマスカラ、口紅、
パンティー・ストッキング、紳士には小型電卓、だれでもほしがるのはカレンダーとか
チューイングガムということだったが、残念なことに私はカレンダー以外は持参して
いなかった。/・・・〉とあり、何故かカレンダーは写真の使われているのが好まれ、
ニッキー様、過去のものでもOKだったというから、その辺がマジで謎です( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2021-01-17 06:32) 

middrinn

この広告は、Yahoo!を開くと、よくトップに表示されるので、
ナベちはる様、何者なんだろうと不思議に思ってます(^_^;)
by middrinn (2021-01-17 06:34) 

そら

体の傷は治りますが
心の傷はなかなか癒えませんからねぇ・・・。

by そら (2021-01-17 12:02) 

middrinn

ですよねぇ(-ω-、) 身体の傷も痕になったりしますけどね(´ヘ`;)
by middrinn (2021-01-17 13:40) 

ネオ・アッキー

middrinnさんこんにちは。
今は、チェコとスロバキアは分断されましたが、当時のチェコスロバキアは工業製品が大変優秀だったと聞いたことがあるので、女性用の下着も大変品質が良かったのでしょうね。
ところで、出来れば、心も身体も傷は負いたくないですね。
by ネオ・アッキー (2021-01-17 13:58) 

middrinn

ですよねぇ(-ω-、) ソ連の工業製品は質が悪いイメージあります(^_^;)
by middrinn (2021-01-17 14:37) 

ぽ村

ε=\_○ノ イヤッホーゥ!
コメントを受けて探しました『インノサン少年十字軍』の方かなと思ってましたが、この作品でしたか~

最近二巻も出たので、機会あったらまたよろしくお願いしますw
by ぽ村 (2021-01-31 22:25) 

middrinn

いずれ図書館に入ったら予約しますので、
これからも漫画の紹介よろぴく(^o^)丿
by middrinn (2021-02-01 06:04) 

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