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200718読んだ本

「阪神は誰が監督になれば変わるのか。落合博満氏の名前も挙がるが」と夕刊フジで問われて「阪神は
永遠にうまくいかない。ずっとこの状態が続く」と江本孟紀ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ 西村解任まだかな(-ω-、)
西村が余計なことしなければ、明日は「神様、仏様、山本様」ゆえ絶対に勝つ!o(-`д´- o)ガンバレ!!

【読んだ本】

米沢嘉博『戦後野球マンガ史 手塚治虫のいない風景』(平凡社新書,2002)所蔵本

読了(^o^)丿 チョー優れた評論で、その名人芸のような冴えに、ほぼ毎頁に1~3つ付箋を貼った(^^)
目次もメモっとこv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    第一章 戦後と野球と民主主義

     野球の移植と発展/戦前の野球とマンガでの描かれ方/占領下の文化状況/
     優良マンガ「バット君」登場/バット君の日常/野球小僧の誕生

    第二章 野球マンガの本格的スタート

     『野球少年』の栄光/寺田ヒロオと「背番号0」/前進する寺田マンガ/
     熱血格闘物ブーム/熱血と野球の出会い/くりくり魔球と貝塚節/
     ジャジャ馬少年の光と影/一九五〇年代末の作品群

    第三章 少年野球狂時代

     長嶋登場と少年たちの風景/野球マンガの新連載攻勢/ちばてつやとヒロイズム/
     魔球のリアリティ/忍者選手の魔球デパート──「黒い秘密兵器」/
     実録物からSF的想像力へ/巨人軍のちびっ子戦略/貸本マンガと野球物

    第四章 梶原一騎のスポ根ブーム

     飛雄馬、マウンドに!/「巨人の星」の物語構造/劇画と野球の結びつき/
     梶原一騎の星の下に/原作者付き野球マンガの流行/スポ根路線の確立

    第五章 七〇年代の名作群

     集団ヒーローへの移行/超人野球「アストロ球団」/ちばあきお──野球を愛する
     平凡な少年たち/水島新司の快進撃/水島印のスタープレイヤーたち/
     健全スポーツマンガの流れ

    第六章 ギャグとアンチヒーローへの転換

     コンタロウ、江口寿史のギャグ野球/「タブチくん!?」と「パロ野球ニュース」/
     アンチヒーローの野球──「我ら九人の甲子園」ほか

    第七章 「タッチ」とスポーツマンガの多様化

     少女たちと野球/青春ラブコメベースボール/八〇年代の野球マンガの失速/
     孫六とわたるたちのグランド/野球のマイナースポーツ化/青年マンガ誌の中での復活/
     大人にとっての「青春」と野球

    終章 野球マンガは、永遠に不滅です!

     「プロ」の失墜とヒーローの不在/手塚治虫のいないマンガ史/
     タイムアップ! タイムストップ!

    野球マンガ略年譜

    あとがき

少年誌だけでなく少女誌や青年誌から貸本までカヴァーし、教育、政治、大衆文化などの社会の動き
や変化にも言及するなど視野が広く、書名以上の内容が本書には盛り込まれてるよ(⌒~⌒) 漫画家や
作品に対する批評・分析がメチャ素晴しい(〃'∇'〃) 作品を取り上げる前に、その漫画家のルーツ等
を簡潔に説明してるけど、その特長までピンポイントで指摘してる感じ(⌒~⌒) 例えば、

    ・・・/五九年貸本劇画短編誌『影』の新人賞でミステリーを描いてデビューした
    水島新司は、三下ヤクザやちょっと一本ネジの抜けた愛すべき人たちを主人公に、
    人情物と大阪ギャグを混ぜ合わせた生活マンガで、着実に人気を得ていった。
    泣きと笑いのユーモア物の描き手・水島は、・・・

『あぶさん』『野球狂の詩』など納得(^^) また個々の作品への寸評も鋭くて、特に秀逸だったのが、

    ・・・八三年には、水島の創り出した高校球児たちが一堂に会する「大甲子園」
    (『少年チャンピオン』)が、集大成的作品として連載された。こうなってくると、
    「怪獣総進撃」の末期的症状を思わせもしたのだが、こうした連載を成り立たせるために、
    水島野球マンガは描かれてきたのかもしれない。/・・・

〈「怪獣総進撃」の末期的症状を思わせ〉には大爆笑したけど、巧くフォローを入れてきてる(^_^;)

    ・・・/全く派手さのないこのマンガは、だがジワジワと支持をとりつけていく。
    しかもタイトルが示すように、このマンガは墨谷二中のキャプテンを主人公にしたもの
    であり、一年後には谷口は中学を卒業し、お調子者の丸井に主人公とキャプテンの座を
    譲るのだ。さらに一年後には、野球はうまいが性格の悪い五十嵐に、そしてさらに
    力はあるがプレッシャーに弱くプライドの高い近藤に、主人公が代わっていくという
    趣向も新しかったが、どのキャプテンも多くの短所を持つ、およそ主人公らしからぬ
    少年たちだったのである。地味でおとなしい印象とは別に、このマンガは多くの定型を
    破った野球マンガの、いや連載マンガの実験作だったのである。/・・・
 
ちばあきお『キャプテン』は野球漫画史を超えて漫画史的にも特筆されるべき作品だったとは(゚ロ゚;)
米沢嘉博は2006年に亡くなっちゃったけど、『ダイヤのA』『グラゼニ』はどう評したかなぁ(-ω-、)

作品の批評・分析としては、それまでの野球漫画の歴史が集約された作品であり、革命的な作品でも
あった梶原一騎&川崎のぼる『巨人の星』に最も頁が割かれて、詳論されてた(^^) その批評と分析、
メチャ凄かったけど、その一部だけ引いておく〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    ・・・/この作劇法が、連載マンガにおけるキャラクター主義を生み出していくことに
    なるのだが、だとしたら、「巨人の星」は、全て星飛雄馬を中心に回っているかというと、
    そうではない。ここでは、飛雄馬が活躍すればするほど、一徹の存在を高めていく構造が
    あるのだ。父を倒し、自立したとしたら、一徹は「よくやった」と呟くことで、さらに、
    その上に位置することになる。「巨人の星」というタイトルそのものが、一徹の見果てぬ
    妄想であったということもできるし、この象徴的なタイトルは、いつまでたっても
    乗り越えることのできぬ父の存在を示しているといえまいか。/・・・

小生イチオシの遠崎史朗&中島徳博『アストロ球団』の作品評も少しだけでも引いておきたい(^_^;)

    ・・・/五年間の連載でわずか三試合。ボールを投げてキャッチャーミットに収まるまで、
    連載一回分を使ったこともある。まさに、命ギリギリの超ド派手な死闘が連続して展開
    されていく。ズーン、キュバーン、ババァシュ、ゴワァーゥ、ガオーンと、派手な擬音が
    全ページにうなり、迫力ある闘いは盛り上がっていく。野球マンガではなくSF格闘技を
    見ているような、見得切りと超迫力の異次元シーンだ。/しかも魔球は、人知を超えた
    華やかなもので、三段ドロップから始まり、スカイラブ投法、ファントム魔球、殺人L字
    投法、スクリュー投法、七色の変化球……。打つ側も、ジャコビニ流星打法、居合抜き打法、
    殺人X打法などなど、目の見えない打者はいるわ、超ジャンプのファインプレーは当たり前
    だわ、死んだと思ったら生き返ってくるわで、これまでの野球マンガの常識を覆した、
    ここまでやるかの超人野球は、少年マンガの想像力を開放したバカバカしいまでの、
    迫力エンターテイメントだったのである。/後に「リングにかけろ」(車田正美)が
    ボクシングマンガを宇宙と異次元に連れ去ったのと同様、「アストロ球団」は野球マンガを
    神話の中の神々の戦いへと昇天させたのである。そしてそれは、「くりくり投手」から
    流れてきた魔球マンガの最終秘密兵器でもあった。この圧倒的なパワーとバカバカしさを
    超える野球マンガを描くことは、難しかったに違いない。少年マンガ的想像力を
    エスカレートさせていった結果、手に入れた「アストロ球団」の世界は、野球マンガの
    一つの進化の流れに終止符を打ったのである。「アストロ球団」以後、従来の形での
    魔球マンガは消滅し、ほとんど描かれることはなくなっていった。/
    
『アストロ球団』の面白さは伝わらないだろうけど、『リンかけ』評も含め、もはや神技の域(^_^;)

神様をルーツとせぬ漫画の歴史を提示した本書だが、〈ちなみに、手塚治虫唯一の野球マンガである
短編「バックネットの青い影」(『冒険王』、六一年)は、SFミステリーである。〉由( ̄◇ ̄;)
タグ:歴史 漫画 評論
コメント(12) 

コメント 12

ニッキー

阪神の優勝回数は2リーグ分立後に5回で
13、8年に1回だそうなので、うまくいけば今年優勝かと( ^ω^ )
江本孟紀さん、いくらなんでもそのセリフは阪神が可哀想すぎます(ー ー;)
by ニッキー (2020-07-18 21:30) 

middrinn

うまくいったとしても、流石に今年は無理かと(^_^;)
「オリもベンチがアホやから野球がでけへん!」(-"-)
by middrinn (2020-07-18 21:33) 

ナベちはる

江本さんの発言、辛辣すぎますね…(・_・;)
by ナベちはる (2020-07-19 01:20) 

yokomi

手塚治虫は路線が異なるのでしょうね。でも書かせてみたい(^_^;)
by yokomi (2020-07-19 02:50) 

middrinn

「永遠に」は厳しいですね(^_^;) でも、ということは、
ナベちはる様、中日は「永遠に」阪神より上位と(^_^;)
by middrinn (2020-07-19 05:51) 

middrinn

『巨人の星』の面白さが理解できないとの手塚の発言、
yokomi様、本書によると根拠があったようで(^_^;)
by middrinn (2020-07-19 05:53) 

そら

阪神ファンのウチですが監督までは考えてませんでした(^^;
フロントあたりの人材を総入れ替えした方がいいのかと思います!
結局はお金の問題?
by そら (2020-07-19 11:43) 

middrinn

巨人に勝てば誰でもいいんですよね(^^)
たとえ、巨人OBが阪神の監督になったり、
阪神のフロントに入ったとしても(^_^;)
by middrinn (2020-07-19 11:53) 

ネオ・アッキー

middrinnさんこんにちは。
友人に「タッチ」のファンがいますが、リアルな野球ではロッテマリーンズを応援しているようです。
by ネオ・アッキー (2020-07-19 12:40) 

middrinn

『タッチ』、一世を風靡しましたね(^^) バレンタイン監督時代は
福浦和也選手も好きだったし、千葉ロッテを応援してました(^o^)丿
by middrinn (2020-07-19 13:01) 

tai-yama

ぶっ飛び野球漫画なら「ミラクルジャイアンツ童夢くん」も。
広島のエースは女の子だし(笑)。
「リングにかけろ」も「聖闘士星矢」もフィニッシュは同じっ!
by tai-yama (2020-07-19 23:31) 

middrinn

『ミラクルジャイアンツ童夢くん』、知らなかったので、
画像検索しました(^_^;) 車田正美は永遠に不変です!
by middrinn (2020-07-20 05:39) 

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