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200628一昨昨日買った本&読んだ本

古本で各300円以下ならともかく各1485円の新品を買うヤツはアホヾ(`◇´)ノヾ( ̄o ̄;)オイオイ天に唾?
だって、いつのまにか図書館蔵書から消えちゃったんだもん(ノ;ω;)ノ ~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!!
それはさておき、明日は29日なんだけど、ブックオフは何かセールのようなのをやるのかしら(´・_・`)

【一昨昨日買った本&読んだ本】

倉本一宏(全現代語訳)『藤原道長「御堂関白記」(上)』(講談社学術文庫,2009)
倉本一宏(全現代語訳)『藤原道長「御堂関白記」(中)』(講談社学術文庫,2009)
倉本一宏(全現代語訳)『藤原道長「御堂関白記」(下)』(講談社学術文庫,2009)

利用してる図書館から何故か消えちゃって、Amazonマケプレにも安い古本が出品されてなかったので、
上巻は「bookfan 2号店 楽天市場店」に新品1485円を436p使って1049円で15日注文し17日に届いたが、
中巻と下巻は各1485円の新品を各一割引きの計2673円で15日取り寄せを頼むも入荷し受け取ったのは
25日(-ω-、) 当該書店は紀伊國屋書店が運営してて、紀伊國屋書店ウェブストアに在庫があるのを
直前に確認した上で取り寄せを頼んだのに、この遅さは、当該書店の社会主義国のような非効率性に
由来するものなのか、紀伊國屋書店の在庫管理の融通のきかなさに起因するものなのか、謎だな(-"-)

講談社学術文庫の「全訳注」ならぬ「全現代語訳」は、値段を考えると、買う価値は無いよ(-ω-、)
「全訳注」と違い、原文(といっても、本書なら訓読文だが)も無ければ、語釈や解説(章段ごとの
解説・補説・余説等のことで、全体の「解説」なら巻末にモチある)も無いのが「全現代語訳」(+_+)
ちなみに、国際日本文化研究センターの「摂関期古記録データベース」に訓読文が出てて便利だが、
『小右記』は吉川弘文館刊の現代語訳と底本は同じはずなのに、ある条に出てくる人物の官職名が、
一方は「右少将」、他方は「中将」となっていたりするから困ってしまう∑( ̄ロ ̄|||)ニャンと!?

さて、本書だが、例えば、上巻の長保元年(999年)3月に次の条がある〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

     二十四日、丁丑。 藤原統理出家

    少納言(藤原)統理[むねまさ]がやって来て云ったことには、「二十七日に、
    多武峯に登って、出家します」と。「これは本意[ほい]です」ということだ。
    前に召して木蓮子[いたび]の念珠を下賜した。

本書巻末の「人物注(五十音順)」に藤原統理は立項されてなく、政治史中心の歴史学においては、
てゆーか、倉本一宏的には、取り上げるほどの人物あるいは出来事ではないということかな(@_@;)

竹鼻續(全訳注)『今鏡(下)』(講談社学術文庫,1984)の「藤原統理出家の事」の訳を引く(^o^)丿

    /また少納言統理と呼ばれた人は、年来、出家したいという気持ちがあったのでしょうか、
    月が一点のくもりもありませんでした夜に、心を澄まして(考えていると)、山深くわけ
    入りたいという気持がしきりにおこってきましたので、まず家人に、/「泔[ゆする]の
    用意をしなさい。(家を)出ようと思う」といって、頭髪を洗って、櫛を入れて乾しなど
    しましたのを、妻であった女も(事情を)知って、さめざめと泣いておりましたけれど、
    おたがいにあれこれと話すことはなくて、翌日きちんと正装して、一の人(道長)の
    御もとに参上して、山里に隠棲するつもりである旨の別れの挨拶を申しあげましたけれど、
    だれもお取次ぎ申しませんでしたのを、無理に申しましたところ、(道長が)お聞き
    なさって、/「少納言をこちらへ(案内しなさい)」とおっしゃって、対面なさって、
    御数珠をお与えなさって、/「私の後世[こせ]のことは頼むよ」などおっしゃいました
    ので、数珠をいただいて、拝み申しあげて(退出し)、増賀聖の庵室にでかけていって、
    剃髪しましたけれど、勤行することもなくて、物思いにふけっているようでしたので、
    聖はおこりっぽい性格で、はげしくおっしゃいましたところ、/「子を生む予定の月に
    当っている女がおりますことが、思い捨てましたけれど、気がかりに思われまして」/
    などいうのを(聞いて)、聖は都に急いで出かけて、その女の家にいらっしゃいました
    ところ、(ちょうど女は難産で)子を生むことができないで苦しんでいたのを、聖は
    祈禱なさって生ませなどして、人に生活に必要な物などを乞われなさって、車に積んで
    (女の家に運び)、産養[うぶやしない]までなさいました。/・・・

この後、『後拾遺和歌集』に入っている藤原統理と三条天皇との贈答歌が引かれているが省略(^_^;)

同書は「全訳注」ゆえ、この段の「語釈」と「補説」で竹鼻續は関連する情報を紹介しまくり(^o^)丿
藤原統理の官職歴(三条天皇が居貞親王と呼ばれた東宮時代に仕えてた)を始め、その出家に関して
『御堂関白記』の上述の条は勿論、藤原公任が詠んだ歌が『拾遺和歌集』『公任集』に入ってること、
同じ説話が『発心集』にあり、『今昔物語集』の「春宮蔵人宗正出家語」の「宗正[むねまさ]」が
統理と同一人物の可能性があることなどなど(モチ異同等も指摘)、至れり尽くせりである(⌒~⌒)

ここに補足するなら、この藤原公任の歌には藤原統理による返歌が『公任集』(犬養廉&後藤祥子&
平野由紀子[校注]『新日本古典文学大系28 平安私家集』[岩波書店,1994])にはあること、また
公任の当該歌は『今鏡』では藤原惟成が出家した時の歌として出てくること(モチ竹鼻續[全訳注]
『今鏡(中)』[講談社学術文庫,1984]の当該段でそのことは論じられ、その誤りも指摘してる)、
藤原統理と三条天皇[居貞親王]の別の贈答歌が『新古今和歌集』にも入っていること(三条天皇の
当該歌を目崎徳衛『百人一首の作者たち』[角川ソフィア文庫,2005]がトンチンカンな解釈をしてる
ことは前に指摘 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2017-10-07 )ぐらいか(^_^;)
モチその道の専門家なら、もっと挙げられるだろうけど(^_^;) それにしても、三条天皇は藤原道長と
対立したわけで、その三条天皇=居貞親王に仕えて三条天皇から出家をメチャ惜しまれた藤原統理に、
藤原道長が(「私の後世のことは頼むよ」と言ったとする件は脚色っぽいけどさ)「木蓮子の念珠を
下賜した」ことは、何か深~い意味があるのかないのか、気になるのは小生だけなのかしら(@_@;)

とまれ、こういった語釈や補説も付けずに現代語訳だけなら調べずに済むんだから楽チンかも(^_^;)
んにゃ、色々と調べまくらないと、そもそも解釈不可能ゆえ現代語訳も出来ないはずだわな(@_@;)

・倉本一宏『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書,2013)

 ⇒ https://yomunjanakatsuta-orz.blog.ss-blog.jp/2015-06-16

・倉本一宏『藤原道長「御堂関白記」を読む』(講談社選書メチエ,2013)

 ⇒ https://yomunjanakatsuta-orz.blog.ss-blog.jp/2015-06-24
タグ:古典 和歌
コメント(14) 
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コメント 14

df233285

なるほど倉本一宏(全現代語訳)『藤原道長「御堂関白記」(三巻)』に、
ちらりと登場する人物については、この本に解説が無くても、ほかに
情報が有るケースが多々あるわけですね。私も、この本だけの情報で
満足しないよう注意することにします。
by df233285 (2020-06-28 21:16) 

ニッキー

図書館の蔵書から消えちゃった本ってどこに行くんでしょう?
もしかして古本屋さんとかに流れて図書館の資金源とか(°_°)
1000円超えの本を自腹で買うのは痛いですねぇ(*_*)
by ニッキー (2020-06-28 21:36) 

tai-yama

多武峯は(藤原)鎌足の談山神社のある所ですね。
下賜した念珠は三条天皇の今後を祈ってくださいとかの意味だったり(笑)。
by tai-yama (2020-06-28 23:01) 

ぽ村

29日と言えば肉の日・・
近所のスーパーではそうなんですが、middrinnの近所では如何に?
そして肝心のブックオフは?!
明日決戦の日『やはり肉の日』お楽しみに


気になる本はアマゾンでチェックするようにはなりましたねヲレ
自分のカンだけ信じられていた時代にもう戻れん・・・
by ぽ村 (2020-06-28 23:13) 

ナベちはる

1,500円に迫る本を3冊買うのは、かなりの痛手ですね(>_<;)
by ナベちはる (2020-06-29 01:02) 

middrinn

御覧の通り、『今鏡』の上記記述は、『御堂関白記』の当該奇術を、
長さん様、資料に用いているように思えます(^_^;) それならば、
竹鼻續の語釈・補説で倉本一宏のを補うことも出来るかと(^_^;)
by middrinn (2020-06-29 05:20) 

middrinn

盗難による紛失、利用者による書き込み・破損等によって破棄、
利用者が無く代替する蔵書などもあることから蔵書からの除籍、
ニッキー様、こんなところかと(^_^;) 除籍のはリサイクル本
として、御自由にお持ち下さいコーナーに置かれますね(^_^;)
by middrinn (2020-06-29 05:25) 

middrinn

藤原公任の歌によると、藤原統理は志賀で出家したみたいなんですけどね(^_^;)
tai-yama様、出家時、東宮の居貞親王と道長の仲はそんな悪くなさそう(@_@;)
by middrinn (2020-06-29 05:28) 

middrinn

調べたら、29日はアブリ会員限定のイヴェントばかりでした(´ヘ`;)
ぽムたんおススメの漫画、コロナで立ち読み禁止だから、チェックが
出来ないし(-ω-、) 尼レヴューが使えないので、現物確認主義(^o^)丿
by middrinn (2020-06-29 05:33) 

middrinn

定価で購入した場合よりも733円安く買えましたが、
ナベちはる様、それでも3722円は痛いです(-ω-、)
by middrinn (2020-06-29 05:36) 

そら

歴史書って後世の人物が色々な解釈をするのでどの辺までが事実なのか分からないですよねぇでも逆にその辺が面白いとも言えますか!
しかし何故に図書館から消えるのでしょう?やっぱり人気でしょうか??
by そら (2020-06-29 06:41) 

middrinn

事実の理論負荷性として、たしかに、解釈の影響を受けない客観的な「事実」は無い、
とする極端な立場の人もいますが、解釈と関係なく誰もが認める事実はあります(^^)
人気があって、盗まれたり、あるいは貸出が頻繁になり痛みやすくなるのかも(^_^;)
by middrinn (2020-06-29 07:08) 

美美

ほんと無知なもので本の価値と言うものは自分の欲しいものは高値をだしてもと思ってしまいます。でも老眼が進んでからほとんど本を読んでいないので何とも言えませんけど(^^;
by 美美 (2020-06-29 17:28) 

middrinn

たしかに、それは一理ありますね(〃'∇'〃)
幾ら出しても惜しくない本はあります(^^)
by middrinn (2020-06-29 18:25) 

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