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191216読んだ本

『はじめてのやせ筋トレ』を図書館で予約したけど順番が回って来るのは一年後になりそう(ノ_-;)ハア…
自力で痩せて一年後には不要かもねオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)ヾ( ̄o ̄;)オイオイ手遅れで不要になるかも?

【読んだ本】

深沢眞二&深沢了子編『芭蕉・蕪村 春夏秋冬を詠む 春夏編』(三弥井古典文庫,2015)所蔵本

読了(^o^)丿 今年読んだ本で確実にベスト5に入る好著ヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪ メチャ啓蒙的で
松尾芭蕉と与謝蕪村の俳諧について大変勉強になったし、その読み解きは知的刺激に満ちてた(^o^)丿

本書の「はじめに──概説」は、次のような書き出しで始まっているよ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    日本の文学においては、先行する文学作品の表現を利用し、時としてオマージュ
    (賞賛)やパロディ(戯画化)をもまじえて、新しい作品を制作することが基本
    であった。だが、先行する文学を模倣していればよいというのではない。古人に
    学びながらいかにしてオリジナリティを主張するか、ということが作者たちの
    工夫のしどころであった。芭蕉と蕪村の俳諧作品もまた、古人を意識しながら
    書かれたものである。・・・

日本の文学の重層性を享受する伝統に連なる芭蕉と蕪村、和歌の世界で培われてきた美意識の約束事
を踏まえた上で例えばソレを少しズラすなどアレンジした句を詠んでることを教えてくれる(⌒~⌒)
引用された古典には現代語訳が付されてるし、芭蕉句集の各注釈書よりも丁寧な解説であることは、
芭蕉の「春なれや名もなき山の朝がすみ」が持つおかしみ(俳諧)の所以を超丁寧に紹介済みなので
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-03-06 )説明は不要かとC= (-。- ) フゥー

初対面の藤原節信と意気投合した能因法師が大切にしてる宝物をお見せするとして披露したのが鉋屑
なんだけど、アノ有名な歌枕の長柄の橋を造った時の物という能因法師の説明に節信は大いに悦び、
自分の宝物もと言って出したのが干からびた蛙で、節信曰く「井手の蛙です」に能因法師も感嘆した
という有名な説話がある(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-07-24)(⌒~⌒)
この「井手」とは山城国の歌枕で、蛙や山吹の名所として和歌に詠まれてきたという伝統が(⌒~⌒)
んで、有名な芭蕉の「古池や蛙飛込む水の音」の初案は「山吹や蛙飛込む水の音」だった由( ̄◇ ̄;)

    ・・・「山吹や」の句型を資料2の和歌[『古今和歌集』の「蛙なく 井手の山ぶき
     ちりにけり 花のさかりに 逢はましものを」]、および、資料3『袋草紙』の[上記]
    説話と結びつけて読むと、次のように、滑稽味を持った想像の句と考えられるのでは
    ないか。/「[藤原]帯刀節信はきっと、山吹の花の頃に、わざわざ歌枕の井手の玉川
    まででかけて、蛙をつかまえようと追い回したのだろうね。そのときにはボッチャン
    ボッチャンと、逃げる蛙どもが井手の玉川に飛び込む音が聞えたのだろうよ。」/つまり、
    故事のパロディと解することができるのではないか。芭蕉は節信の「数寄者」ぶりに憧れ、
    共感を寄せていると思われる。/それでは、こうした初案を前提として、上五が「古池や」
    と改められた場合には、どうなるか。/「芭蕉庵の主は、庵の前の古池で蛙を追いかけて、
    帯刀節信の数寄の真似をしている。逃げる蛙どもが古池に飛びこむ音がする。」/これは
    芭蕉の自己戯画であり、数寄物ぶりの宣言の句だ、と解釈できるのではないか。/ただ、
    芭蕉がこの句を「数寄」の文脈で語ることはなかった。それは「深川の芭蕉庵の前には
    池がある」ことと、芭蕉の「数寄」への嗜好とをよく知っているような、江戸に住む狭い
    門人グループにしか「ウケ」ない内容だったからだと思われる。そして、小グループ
    以外の人々に対して、その後の芭蕉はまた別の、一般性のある解釈を以て説明していた
    ようなのである。/・・・

本書を読んでいると信じたくなるな(^_^;) ちなみに、次のような蕪村の句も紹介しているよ(⌒~⌒)

                山吹や井手を流るゝ鉋屑 

・光源氏に我が身を重ねた芭蕉を「蛸壺の中で眠るタコの気分になっている」と俳人の坪内稔典(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-07-04

・白河の関でトンチンカンな解釈をする杉本苑子『おくのほそ道 人物紀行』(文春新書,2005)(-"-)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-11-17

・千載集や平家物語の有名な逸話なのに高浜虚子『俳句はかく解しかく味う』岩波文庫のデタラメ(-"-)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-02-19
タグ:俳諧 和歌
コメント(18) 
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コメント 18

Rifle

拙者も医者に指定された体重から5kgオーバーですが、筋トレしたら余計に食べて太っちゃいそうで。(滝汗)
読み解き方によって解釈が大きく変わっちゃうのは当然としても、よくもまぁどれが何だか良く分からん!なんて状態にならないなーと深く感動致しますです、ハイ。
by Rifle (2019-12-16 21:43) 

爛漫亭

 いい読書ですね。こんな本は読み終わる
のが残念になりますね。
by 爛漫亭 (2019-12-16 21:48) 

ニッキー

筋トレ、筋肉って脂肪よりも重いから
最初は体重増えちゃうんですよねぇ(⌒-⌒; )
でも筋肉はカロリー消費量が多いから
一度付けると太りにくいって聞いてます^^
予約が多いみたいだから増本してくれないかなぁ=(^.^)=
by ニッキー (2019-12-16 22:54) 

tai-yama

干からびた蛙も昔は薬として持っていたのかな?
「痩せ蛙 負けるな一茶ここにあり」これも蛙だけどリスペクト
作品じゃないか(笑)。
by tai-yama (2019-12-16 23:05) 

nikki

1年後まで覚えてるかな。別の図書館へ行ってみるとか。
by nikki (2019-12-16 23:34) 

ナベちはる

1年後まで回ってこないとは、かなり人気の本ですね(◎_◎;)
by ナベちはる (2019-12-17 01:03) 

たじまーる

私でも知っている(^^;)
有名な「古池や蛙飛込む水の音」の初案が
「山吹や蛙飛込む水の音」だったとは(゜ロ゜)
なるほどですねえ(*´∇`*)
良書に巡りあえて良かったですね(°▽°)

by たじまーる (2019-12-17 07:18) 

mimimomo

こんにちは^^
自力で太る? それもイイかも^^ 
あ、真面目に。一年後と言っても案外半年で回って来るかもですよ。以前そう言うことありました。小川糸さんのご本。

和歌や俳句、なかなか難しいねぇ~ 腰を据えてかからないと・・・といっても無理だから分からないまま人間を終えるかも。
鉋屑や干からびた蛙が宝物と言う所で、わたくしなどはその先の大事なことなど忘れそう。
by mimimomo (2019-12-17 10:39) 

middrinn

もしかして御近所の歩けるような距離でもモデナに
Rifle様は乗られているとか(^_^;) 古典の約束事に
拘束されてるので、カオスにはならないかと(^_^;)
by middrinn (2019-12-17 12:30) 

middrinn

読み終わった時、たしかに満足感と同時に喪失感がありますね(^_^;)
爛漫亭様、「秋冬編」を読了したら心に穴が開くかもしれません^_^;
にしても、芭蕉も蕪村も和歌など古典にメチャ詳しいですね(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-12-17 12:31) 

middrinn

筋肉は脂肪よりも重いんですかぁヒィィィィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
本書はボディメイクのための筋トレみたいです^_^;
ニッキー様、TVで紹介されたらしく予約者殺到^_^;
by middrinn (2019-12-17 12:32) 

middrinn

薬じゃなくお宝として節信は持ってたんですよ(^_^;)
tai-yama様は実は数寄を解しなかったり(^_^;) 『古今
和歌集』の仮名序以来、蛙も歌を詠むとされてるので、
唱和しましょうと一茶は蛙に声を掛けたのかも(^_^;)
by middrinn (2019-12-17 12:33) 

middrinn

予約をしたので自分の順番が来たら知らせてくれますよ(^o^)丿
nikki様、TVで紹介されたらしく、どこも予約者殺到かと(^_^;)
by middrinn (2019-12-17 12:33) 

middrinn

おそらくTVの影響力の所為だと思うのですが、
ナベちはる様、凄いですよね((;゚Д゚)ヒィィィィ!
by middrinn (2019-12-17 12:34) 

middrinn

この初案は小生も知りませんでしたが、
たじまーる様、詠作過程を踏まえた作品
の理解は軽視できないと思いました(^^)
図書館で書架をブラウジングしていたら、
たまたま本書に出遭いました\(^o^)/
by middrinn (2019-12-17 12:35) 

middrinn

本書は活字満載ではなくイラストがメインのようなので、
たしかに、丸々2週間借りる人は少なさそうですね(^_^;)
mimimomo様、和歌を知らないと日本文学は・・・(^_^;)
by middrinn (2019-12-17 12:35) 

美美

そんなに人気な本が!
読むだけで痩せたら嬉しいんですけどね(^^;
by 美美 (2019-12-17 16:06) 

middrinn

複本あるのに1年以上先ですからね(^_^;)
ながらトレーニングのようですよ(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-12-17 16:33) 

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