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190707読んだ本

一年に一度だけ願い事を書ける日なのに昨日の夕方から今朝の間にケータイから取れちゃって行方不明
のアクセサリー(緑色の象さん)が昔プレゼントされた物だから見付かりますよーに!はねぇ(@_@;)
PC使ってる時間に楽天ブックスが10倍やりますよーに!というのも、あまりにも小市民的か(´・_・`)
19時からはジェイソン・ステイサム主演「ブリッツ」(2011年・イギリス)を視聴(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-

【読んだ本】

黒板伸夫(日本歴史学会編集)『藤原行成』(吉川弘文館人物叢書,1994新装版)

今日も先ず岸上慎二(日本歴史学会編集)『清少納言』(吉川弘文館人物叢書,1962→1987新装版)の
「五 家庭の主婦時代」の「藤原実方を少納言の夫と考えるのは関根正直・池田亀鑑の両博士である。」
(同書69頁)という一文で始まる一節の同書結論部分(70~71頁)をメモっておく___φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    ・・・[しかし、]『実方集』や『清少納言集』[流布本]からする両人の関係を
    示すもののみからでは結婚という正式の夫婦関係とは考えられず、かえって両者は
    親しい恋人としての関係であったと認定した方が平安時代としては穏やかなように
    思われる。/実方は『小右記』『権記』『日本紀略』に記述をもち、伝として
    まとまったものは『中古三十六歌仙伝』に載る。天禄三年(九七二)正月の左近将監から、
    長徳四年(九九八)十二月陸奥守として任所に死去するまでの短い生涯であり、
    上級貴族の一員として、宮廷奉仕にあけくれ、武将系として、少将・中将を歴任し、
    舞踏・和歌に長じていた。少納言の夫にはもっとも適した男性であるが、
    やや少納言にはすぎた人物というべきであろう。/・・・

藤原実方の評価が高すぎるのか、清少納言の評価が低いのか、とまれ、最後の一文がチト笑えた(^_^;)

さて、本書48頁は藤原実方のことを叙述し、しかも、清少納言との関係にも言及するので引く(@_@;)

    ・・・/ところで二十七日には陸奥守藤原実方の罷申[まかりもうし]があった。
    罷申は、受領や大宰府の帥や大弐が赴任に際して行ういとまごいの挨拶である。
    実方は殿上で酒肴に与った後、御前に召され、禄を賜い、仰詞[おおせことば]があり、
    また正四位下に叙せられた。/彼は左大臣師尹の孫(父は侍従貞時)で、
    母は左大臣源雅信の女、『栄花物語』によれば叔父済時の養子となったという。
    一代の歌人で、また風流な貴公子としてきこえ、女房連の憧れの的で、
    いわば宮廷の花形であり、清少納言と夫婦の契りを結んだ一人である。/・・・

岸上・前掲書も指摘(上述)するように両者の家集に入る歌の遣り取りから、恋仲だったのは確実も、
本書が「夫婦の契りを結んだ」とするのは関根・池田説踏襲か(@_@;) 『拾遺和歌集』の実方の歌の
詞書「元輔が婿になりて朝に」が根拠だとしたら、岸上・前掲書も取り上げてたし(引用省略部分)、
小町谷照彦(校注)『新日本古典文学大系7 拾遺和歌集』(岩波書店,1990)の脚注も次の如く指摘
するように、その根拠として薄弱だろう( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

    ここ[=上記詞書]から実方が清原元輔女の清少納言と結婚したとする説もあるが、
    異本第一系統には「中将元輔が婿になりての又の朝に/藤原信賢」とあり、
    それによれば藤原元輔の婿ということになり、[歌の]作者も別人となる。

更に言えば、この『拾遺和歌集』の当該歌「時の間も心は空になる物をいかで過ぐしし昔なるらむ」、
犬養廉&後藤祥子&平野由紀子(校注)『新日本古典文学大系28 平安私家集』(岩波書店,1994)所収
の『実方集』には現に見当たらないしねC= (-。- ) フゥー

同様に、本書は清少納言の異性関係に関して理解不能な記述を連発していて、続いて60頁から( ̄◇ ̄;)
    
    ・・・/[花山]院に内通の噂を立てられた[検非違使]左衛門尉橘則光は
    六位蔵人として行成の下にあって協力し、何かと院のために心を砕いたのであろう。
    行成・則光はまた共に清少納言のいわば愛人関係にあったと考えられるから、
    その面で微妙なものがあったともいえるが、身分を異にする二人の関係を
    当時の宮廷社会のおおらかな男女関係の中に置いてみるとき、
    あまり深刻に考える必要はなさそうである。/・・・

橘則光は「愛人」ではなく最初の夫だし、行成を「愛人」とする説など今や皆無かとヒィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

本書114~115頁でも次の如く根拠も示さず、「愛人」だったのは「事実」だと言い張ってる( ̄◇ ̄;)

    ・・・/頭弁行成にとって[皇后]定子の周辺は華やかな思い出に満ちた世界
    であったにちがいない。ことに定子に仕える清少納言との交際は、行成の一面である
    諧謔に富んだ当意即妙なやりとりが遺憾なく発揮されている。/行成が彼女に接近し、
    餅餤[べいだん]を贈ったり、「私は目が縦につき、眉毛が額まで生いかかり、
    鼻が横向であったとしても、口許に愛敬があり、声のかわいらしい女性が好きだ」などと
    ぬけぬけと言ってのけて歓心を買おうとしているのは、定子への有力なルートと
    考えての能吏らしい功利的な思惑も否定できないが、それだけには終らず、
    意気投合して愛人関係に発展していたのも事実である。/・・・

通説と異なることを主張する場合、その根拠となる文献・史実を本文に記すなり注記すべきだろ(-"-)

本書の著者・黒板伸夫は、永井路子の夫で、「卒業後、事情があって長期間研究生活と異なる環境に
身を置くことになった私は、多くの方々の恩恵で学界に復帰することができたが、・・・」と本書の
「あとがき」も、ソレは伯父が黒板勝美という血縁の「恩恵」なのでは?と邪推したくなる(¬。¬ )

谷沢永一『紙つぶて(全)』(文春文庫,1986)は、次のように記してた〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    ・・・/黒板勝美は戦前の日本史学界の大御所で、松本清張の小説「笛壺」に
    当時のボスぶりが辛辣に描かれているが、その著『義経伝』で、月齢二十四日の壇の浦に
    八ノットもの激流があったという話にもならぬむちゃな推定をしたのに、
    その権威に押されて誰も反論しなかった。・・・

・拙宅に来るスズメちゃんの中には奥州で客死した藤原実方の末裔が混じってるかもヒィィィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08

・『西行物語』作者の和歌に対する見識の無さは、「実方中将の墓を訪れる場面」からも判るよ(-ω-、)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-03-09

・日本古代史の泰斗である坂本太郎の『史書を読む』が紹介する黒板勝美のちょっといい話(´;ω;`)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2017-11-07
タグ:歴史 伝記 和歌
コメント(12) 
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コメント 12

こじろう

今日は七夕だけど,雨が降ると思い込んでて,笹飾りも短冊も用意してなかったら晴れた・・・。
今から近くのショッピングモールの笹飾りに願い事を吊るしに行って来る
((((((((っ・ω・)っ
by こじろう (2019-07-07 19:22) 

middrinn

気を付けて行ってらっしゃいませ(^o^)丿
by middrinn (2019-07-07 19:27) 

tai-yama

藤原実方さんよりは清少納言の方が現代では有名ですが、やはり当時
としては藤原実方さんの方が・・・・藤原実方と清少納言の関係は、
現代で言うと(清少納言が)小室某さんな感じかも。
by tai-yama (2019-07-07 22:59) 

ニッキー

七夕、朝はすっかり忘れて昼頃に「あれ?今日は七夕?」と
かみさんと会話しました(⌒-⌒; )
夕方からしっかり雨で星も天の川も全然見えません(*_*)
清少納言、夫に愛人に・・・と随分派手な生活を
送ってたと日本史学会の大御所に思われてたんですねぇ(°_°)
うちの大御所とは全然違うなぁw
by ニッキー (2019-07-07 23:25) 

ナベちはる

七夕、願いがいろいろとあり過ぎて書けませんでした…(^^;
by ナベちはる (2019-07-08 00:52) 

middrinn

藤原実方はモテモテ王国だったみたいですねぇ(⌒~⌒)
tai-yama様のその喩え、よく解らないのですが(^_^;)
by middrinn (2019-07-08 06:54) 

middrinn

昨夜起きてる時間にポイント10倍が来なかったので、小生の涙雨です(T_T)
ニッキー様だけで神コーチは圭太様を大御所扱いされてないような(^_^;)
by middrinn (2019-07-08 06:58) 

middrinn

ライブの「全通」ですよねぇ(^o^)丿
ナベちはる様がお願いするのは(^^)
by middrinn (2019-07-08 07:00) 

mimimomo

おはようございます^^
七夕への願い事なら、もうちょっと夢のある大きいのにして欲しいわ^^
「権威」に弱い人が多いですね^^
by mimimomo (2019-07-08 07:16) 

middrinn

かつてプレゼントされた物だから、七夕っぽい気もしたのですが(^_^;)
その見解を批判すると色々と不利益を被るから「権威」なんでしょう(..)
by middrinn (2019-07-08 07:29) 

Rifle

七夕?そうか、そうだったんだ。庭木剪定と草むしりに明け暮れて気が付かなんだ。(--;)
当時の状況を正確に記録した書物なんて少ないでしょうから、邪推しようと思へば幾らでもできそうな。(^^;)
by Rifle (2019-07-08 08:19) 

middrinn

なるべく代車フィットにはお世話にならないように!とお願いされないと(^_^;)
史料の少ない古い時代になればなるほど思い付きに過ぎない説が増えますね^_^;
by middrinn (2019-07-08 08:35) 

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