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190624読んだ本

姿を昨日は丸一日見かけなかったから、親に見捨てられちゃったのかなぁ~と心配しながら寝たところ、
朝の寒さ&雨に、ヤバいかも・・・と玄関前のモミジを見に行くと、ハトさんが居て雛はお腹の下(^_^;)
雨の止んだ午後は雛だけに(^_^;) にしても、猫さんの通り道にもなってるのに見付からないとは(゚ロ゚;)
朝9時頃の地震は結構大きかったし、他方で、あまりの寒さに未洗濯で仕舞ってない冬着が活躍(@_@;)

【読んだ本】

石川淳(責任編集)『日本の名著21 本居宣長』(中央公論社,1970)

辞書にはあるけど、使っても「月影」「星影」程度で、〈光〉の意味で「影」は使わないかと(@_@;)
古語だと、例えば、『百人一首』にも入っている藤原顕輔の次の秀歌の「影」は〈光〉の意(〃'∇'〃)

    秋風に たなびく雲の たえまより もれいづる月の 影のさやけさ

久保田淳『新潮日本古典集成 新古今和歌集 上』(新潮社,1979)の現代語訳だと、次の通り(⌒~⌒)

    秋風に吹かれてたなびいている雲の絶え間から射して出る月の光の何とさやかに
    澄んでいることか。

同じく「影」という語を用いてる『新古今和歌集』の藤原家隆の歌を同書の現代語訳とともに引く(^^)

    梅が香に 昔をとへば 春の月 こたへぬ影ぞ 袖にうつれる

     梅花の薫りに昔のことを尋ねると、花はもとより春の月も答えないが、
     その月の光が昔なつかしさに流す涙に濡れた袖に映ったよ。

ちなみに、「梅が香に」をどう解するかは昔からの論点で、「昔をとへば」の対象とし、その問いに
「こたへぬ」というのが上記の解釈だけど、「梅が香に懐旧の情を誘われて」と解釈する説もあって、
久保田淳『新古今和歌集全注釈 一』(角川学芸出版,2011)では、後者の方に改説している(^_^;)

本書所収の野口武彦(訳)『新古今集美濃の家づと(抄)』は、本居宣長による『新古今和歌集』の
注釈書の抄訳だけど、この藤原家隆の歌についての記述(本書249頁)の全文を引く(@_@;)

    たいへん優秀な歌である。『伊勢物語』の業平朝臣の「月やあらぬ春や昔の春ならぬ
    わが身一つはもとの身にして」という歌の段をもちきたって、業平の気持になって
    詠じた歌である。「影ぞ」の「ぞ」に力がある。このような「ぞ」には特に
    留意しなければならない。月影が袖にうつるという表現に、昔を恋しがって泣く涙が
    ふりかかるという気持をこめている。月が答えないといって梅の香もまた答えないことを
    言い得ているあたりは常人の及ぶところではない。一首の意は、恋しい昔のことを
    昔に変わらぬ梅の香にたずねても、梅の香は答えず、月も答え顔をしているのに
    答えてくれないで、ただその影だけが袖に映っているというのである。

最終行に出てくる「その影」は「その光」か「その姿」と訳した方がすっきり頭に入ると思うな(^_^;)
タグ:和歌 言語
コメント(20) 
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コメント 20

mimimomo

こんばんは^^
現代的(?)に言えば、映るのは陰で光じゃないでしょ?
それじゃまとも過ぎて面白みがない?
by mimimomo (2019-06-24 21:11) 

喜んぶ

。。ハッと!?したり。キャッと!?したり。
、、の、middrinnさんの「その姿」
、、が、葉に落ちた水滴に映っている。
by 喜んぶ (2019-06-24 21:14) 

middrinn

家隆の歌の解釈の話ですので、涙で袖が濡れて、ぐっしょりとなった部分に
mimimomo様、月光がキラキラと or 月の姿がぼんやりと・・・かと^_^;
by middrinn (2019-06-24 21:22) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 鳩(ハッと)&猫(キャッと)座布団10枚 ♪
喜んぶ様、恐れ入りましたm(__)m 流石としか言いようがない( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2019-06-24 21:26) 

ニッキー

鳩、親が育児放棄してなくて良かったです=(^.^)=
雨が降るとまだ寒い時もあるので、
雛だけだと危険ですもんねぇ(*_*)
藤原家隆のこの歌は「影ぞ」の「ぞ」が大切なんですねぇ(°_°)
by ニッキー (2019-06-24 21:42) 

middrinn

ハトさん、単に雨宿りしてただけという説も^_^;
雛が生きてるので給餌してるんでしようけど^_^;
この「ぞ」に着目するとこが本居宣長らしいのかな、
と各注釈書を読み比べて思ったりもしました^_^;
by middrinn (2019-06-24 21:48) 

そら

光を影と表現するなんてなんとロマンチックな!!
和歌がわからない私でもなんとな〜く理解出来ちゃう素敵な歌(^^)

親バトさん、お腹でも空きましたかね?
どの世界でも子供を育てるのは大変ですねぇ
でも育児放棄じゃなくてよかった(^^)
by そら (2019-06-24 22:16) 

tai-yama

東京とかだと、月影なんて風景最近はなかなかないですね。
ど田舎の山奥・深夜だったら結構あったり。
鹿・狸・狐も居るけど(笑)。
by tai-yama (2019-06-24 23:40) 

ナベちはる

鳩さん、雛を見捨てていなくて一安心ですね(^^;A
by ナベちはる (2019-06-25 00:59) 

にゃごにゃご

鳩の雛の事、一安心です。
by にゃごにゃご (2019-06-25 05:18) 

middrinn

「・・・の光と影」とよく目にしますが、ともに〈光〉の意味にも(^_^;)
そら様、給餌するために、餌を探しまくってたのかもしれませんね(^_^;)
by middrinn (2019-06-25 06:16) 

middrinn

空の状態もありますが、地上の灯りの多さで、
月影=月の光を感じられないのでは(@_@;)
tai-yama様、狸なら東京にも居ます(^_^;)
by middrinn (2019-06-25 06:21) 

middrinn

ハトさんが居たのを見て、ホント一安心でした(^_^;)
ナベちはる様、育児放棄、結構あるそうなので(^_^;)
by middrinn (2019-06-25 06:24) 

middrinn

昨日の午後に雨が止んだら居なくなってたので、
にゃごにゃご様、雨宿り説もありますが(^_^;)
by middrinn (2019-06-25 06:26) 

nikki

地震起きた時間が9時11分、9.11の再来か。
by nikki (2019-06-25 12:56) 

middrinn

へぇ~!( ̄◇ ̄;) 揺れ始めた時、もっと長く続きそうな感じでしたよ(´ヘ`;)
by middrinn (2019-06-25 12:59) 

美美

育児放棄でなくて良かったですね。
by 美美 (2019-06-25 17:36) 

middrinn

でも、晴れた今日は姿を見せないので、単に雨宿りしてただけだった説も((;゚Д゚)ヒィィィ!
by middrinn (2019-06-25 18:33) 

enokorogusa

業平出た\(^o^)/
『伊勢物語の・・・歌の段』とありますが、『古今和歌集』にも入ってますよね。
やたら長い詞書もほぼそのままで。
遅コメントすいません。
by enokorogusa (2019-06-27 08:36) 

middrinn

『古今和歌集』の「恋歌五」の巻頭歌ですよね(^^)
この『新古今和歌集』の家隆の歌の一つ前の定家の歌
「梅の花匂いを移す袖の上に軒もる月の影ぞあらそふ」
も、この業平の歌との関係が議論になってますよ(^^)
by middrinn (2019-06-27 08:46) 

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