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190220読んだ本

またもローカルネタで申し訳ないのだが、「なんどめだナウシカ」じゃないけれど(イミフな方は検索
されたし)、「なんどめだセガール」とテレビ東京「午後のロードショー」に言いたい(ノ`△´)ノ ┫:・'
朝から気温がぐんぐん上昇し、午後には曇ったけど、それでも18時近いのに17度もあった((;゚Д゚)ヒィィィ!

【読んだ本】

高橋貢(全訳注)『古本説話集(上)』(講談社学術文庫,2001)所蔵本

1月に読了し、関連文献を参照しながらの再読了も済ませ、現在は三回目の流し読み中(^^) 現時点では、
今年読了した本のベストで、最終的にもベスト5には入りそう(^^)v 下巻は仏教説話らしいけど、上巻は
ほとんど和歌説話(^^) 本書に収録されている話と(ほぼ)同じ話が載っている古典作品名が〈語釈〉や
〈参考〉に記されていたので、宇治拾遺物語、今昔物語集、大和物語、大鏡、今鏡、枕草子、俊頼髄脳、
十訓抄、袋草紙、和泉式部日記、平家物語、無名抄、更に各勅撰集、百人一首、家集(公任集、伊勢集、
和泉式部集)の各注釈書も参照しながら再読した次第(^^)v ただ、これでも網羅できてないけど(^_^;)
なお、本書で取り上げられた和歌の中には、入集した勅撰集のとは初句の文言が少し異なっているのに、
そのことに触れてない〈語釈〉もあったから、久保田淳(監修)『新 日本古典文学大系 別巻 八代集
総索引』(岩波書店,1995)の「各句索引」が例によって大活躍したよんヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪

辛口書評で谷沢永一と双璧の百目鬼恭三郎の『読書人読むべし』(新潮社,1984)にはこうある(⌒~⌒)

    『古本説話集』は、昭和に入って発見された説話集で、書名がないままに仮りに
    この名がつけられている。平安末に成立したと推定されており、『今昔物語集』や
    『宇治拾遺物語』などと重複する話の多いことから、[岩波の旧・日本]古典文学大系
    では省かれたものと思われるが、文章はすぐれていて文学的価値は高い。

「文章はすぐれていて文学的価値は高い」のは本書の「曲殿姫君事 第二十八」がまさにそうで、コレに
比べたら、同話である『今昔物語集』巻第十九の「六宮姫君夫出家語第五」はイマイチだし、ましてや
『今昔物語集』の話をベースにして芥川龍之介の〝王朝物〟の中の白眉とされる短篇「六の宮の姫君」
なんか興醒めしたぞ(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-01-20 )(⌒~⌒)
この感想、本書巻頭の「解説」にも次のように記されているので、小生だけではないはずv( ̄∇ ̄)ニヤッ

    六の宮の姫君[=本書「曲殿姫君事 第二十八」]・わらしべ長者[本書下巻収録]の話は
    『今昔物語集』に同話があるが、本集の話と比べると叙述の仕方が粗く、教訓性が強く出る。
    本集の話の方が話の展開に即した雰囲気を大切にする。叙述の仕方は物語作品と比べると
    粗筋的であるが、人生の悲しみに関わる話や人間の心理や生活、理想、欲望とからむ話が
    あって、今日の読者をひきつけることができる。

このように同じ話を収録してる『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』等と、この『古本説話集』との関係
だが、お互いに引用関係にはなく、散佚文献を介しての兄弟関係と、高橋貢は解している(^^) つまり、
散佚した先行文献から、それぞれが話を別々に引用したというのである(^^) だから、『今昔物語集』の
撰者より『古本説話集』の撰者の方が文学的センスがあったかと(〃'∇'〃) 芥川よりもね(⌒~⌒)ニヤニヤ

他方で、『古本説話集』に収録された話の中には『大和物語』『枕草子』『大鏡』『俊頼髄脳』『和泉
式部日記』などの先行作品から引用した話もあって、それらは全文を引用するのではなく、抄出・要約
されているので、イミフになっちゃったり、原典の良さや味わいが失われてたりするのが残念(-ω-、)
この抄出・要約は『古本説話集』が貴族の子女などの初心者向けに啓蒙的意図で編まれた点に関わると
本書巻頭の「解説」にはあるんだけど、何度読んでも小生には全く理解できない論理だったな(´ヘ`;)
ただ、次の如き情報提供者への感謝の意も込めた注記も多く散見され、良心的な研究者かと(〃'∇'〃)

    なお塚谷多貴子氏「皇后宮令子歌壇論」(北海道大学「国語国文学研究」昭和四十九年
    十一月)によると、『今鏡』七「有栖川」にみえる、侍従大納言成通等が深夜、
    令子後宮をかいま見る場面が本話の深夜の場面と類似しており、「当時の共通な概念
    としての理想的後宮気風」と述べる(市川千尋氏の御教示による)。

こーゆー記述も、例のAmazonレヴュアーなら「一般読者には無駄と思えるほど丁寧な語釈」、某So-net
「本」ブロガーなら「講談社学術文庫版は、語釈と解説が充実していますが、やや詳しすぎます。語釈
を無くし、もっと一般の読書人が読みやすくなる構成で、出してほしいです。」と腐しそうヾ(`◇´)ノ
タグ:説話 和歌
コメント(10) 
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コメント 10

センニン

こんばんは。
『TRIK』シリーズは最初のが良かったですね。
劇場版はいまいち。
by センニン (2019-02-20 21:11) 

middrinn

「トリック」劇場版、どんなんでしたかねぇ(@_@;)
TVで放映されたのは視たような気もしますが(^_^;)
by middrinn (2019-02-20 21:17) 

ニッキー

「一般読者には無駄と思えるほど丁寧な語釈」ってw
どちらかというと一般読者でも
こちらの本を読む方は全くの素人ではなく
中堅どころだと思うのですが(⌒-⌒; )
今日は、暑かったですねぇ(*_*)
まだ2月のはずなのに・・・(⌒-⌒; )
by ニッキー (2019-02-20 21:36) 

middrinn

庶民とか一般大衆は、講談社学術文庫なんて、フツー読みませんよねぇ(^_^;)
「180219読んだ本」の枕の冒頭は「明日の予報は雪じゃなくなったけど、東京
でも2月26日に大雪だったことあるから油断できん(´・_・`)」でしたよ(^_^;)
by middrinn (2019-02-20 21:52) 

ナベちはる

内容が無さ過ぎても詳しすぎても…ですね(;`・_・´)
by ナベちはる (2019-02-21 00:24) 

mimimomo

おはようございます^^
同じ本を三回も読む、と言う所が優れた読書人のmiddrinnさま~ わたくしほとんど一回でお仕舞。
さすがと言うべきか、幅広く色んな方をご存じですね^^ 谷沢永一は知っていますが、百目鬼恭三郎は名前しか知らない(-。-
by mimimomo (2019-02-21 06:19) 

middrinn

いやいや、内容が無さすぎるのは、
ナベちはる様、論外かと(^_^;)
by middrinn (2019-02-21 06:29) 

middrinn

単に一回読んだだけでは頭に残らないからですよぉ(ノ_-;)ハア…
mimimomo様、百目鬼恭三郎の『風の書評』(続刊あり)は
著者達の無知無学を指摘して斬りまくり読書人の指針(^_^;)
by middrinn (2019-02-21 06:35) 

たじまーる

本を繰り返し(三回)お読みになられている姿勢がとても素晴らしいです(*´∇`*)
(記事で取り上げたおひとり様物語とか)好きなマンガでしたら繰り返し読みますが・・・私(^^ゞ
by たじまーる (2019-02-21 18:09) 

middrinn

単に頭に残らないからですよぉ(^_^;)
大好きな漫画なら、一回読んじゃうと
再読はかなり経ってからですから^_^;
by middrinn (2019-02-21 18:29) 

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