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181202読んだ本

冷え・シモヤケ対策にツムラの106番、温経湯を今日の午後から服用し始めた(@_@;) いつも冬に服用
してても、シモヤケにはなるから、コレだけじゃ足りないんだろうけど、どーしたらよかんべ(´ヘ`;)

【読んだ本】

綱淵謙錠『歴史と人生と』(中公文庫,1980)所蔵本

昨日購入の本書の中の「富士と死装束と」という興味深い一篇を読み、気になったことがある(@_@;)
それは、「戸田村立造船郷土資料館」(現・沼津市立戸田造船郷土資料博物館)の「プーチャチン提督
之像」という胸像の背後の壁面に掲げられた川路聖謨の肖像画に関してで、次のように始まる(@_@;)

    ・・・わたくしの眼は、自動的に川路聖謨の着物の胸元を見ていた。その袵[おくみ]は
    左前に合わされていた。そして額縁の下に張[ママ]られた説明書きに、川路が着物を
    左前に着ているのは死装束であり、かれは死を覚悟してプゥチャーチンとの交渉にあたった、
    という意味のことが書かれていた。

日露和親条約交渉の中心人物で日本側全権だった川路聖謨の『長崎日記・下田日記』の文庫本の巻頭の
〈著者肖像〉という図版の説明にも〈左前に着ているのは死装束であることを示す〉とあるそうで、

    この肖像画がディアナ号に乗り組んでいた技術将校モジャイスキー海軍大尉の撮影した写真
    を基礎としたものであることは、川路の『下田日記』の内容(安政元年十二月二十四日)
    からはっきりしている。もっとも現在この資料博物館に掲げられている画像は現代の日本人
    画家の手になるものだが、その着物の左前になっているのは、モジャイスキーによる肖像画
    を下敷にしたことは明瞭だ。

「・・・袵の左前なことを死装束と断定したこと・・・」に、綱淵謙錠は「・・・釈然としなかった
・・・」由(@_@;) その理由を述べた上で、綱淵謙錠は「左前」の謎を次のように推理する(@_@;)

    死んだ人間には経帷子[きょうかたびら]を左前に着せるとは聞くが、これから決死の大事
    とか切腹をしようという人が着物を左前に着るということは聞いたことがない。しかも
    それが死装束なら、同書の本文中に挿入されている、同じくモジャイスキー筆の箕作阮甫や
    中村為弥の肖像画も左前になっている事実をどう説明するのか。かれらも死装束だった
    というのか。だいたい川路をモジャイスキーが撮影した日は、和親条約締結の三日後である。
    川路は死の覚悟といった悲壮感など持つ必要はなかった。/これはすべて当時のダゲレオ
    タイプという銀板写真の罪である。つまり鏡に顔をうつしたときと同じく、左右反対に
    うつる写真なのであり、撮影者は必ず左右を修正するか、被写体が、たとえば勲章を反対側
    に移して撮影するといった配慮が必要なのである。ところがモジャイスキーに日本人の着物
    の構造までは頭が廻らず、うっかりしたのだ。戸田の博物館の二階には、前述の箕作・中村
    の他に「日本人少女」の像もあり。これも左前になっている。少女まで死装束のはずはない。

大南勝彦『ペテルブルグからの黒船』という本には「モジャイスキーの絵と写真」という一章があり、
川路聖謨の左前の着物に関して、綱淵謙錠と同様の見解が詳述されてたそうで、その本を綱淵謙錠は、
この「戸田村立造船郷土資料館」の受付で購入したというオチで、この一篇は〆られていた(^_^;)

この一篇は文学界1975年12月号が初出ゆえ、沼津市立戸田造船郷土資料博物館も修正済かもしらんが、
下鴨神社の御手洗川の立札( https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2017-11-03 )とか、
天橋立の磯清水( https://gyokuzan.typepad.jp/blog/2016/02/%E7%A3%AF%E6%B8%85%E6%B0%B4.html
のそれぞれの説明文が、間違ってたり、怪しいことを思い出し、「観光立国」を目指しているのなら、
説明文も外国語訳を付するだけでなく、内容もちゃんと見直した方がいいよねぇ~と思ったりして^_^;

さて、「川路聖謨 写真」で画像検索すると、着物が右前のと左前のがヒットしたけど、右前に正しく
着てるのはモジャイスキーのを左右反転させたものなのだろう(@_@;) だが、右前のは刀(脇差?)を
右に差しているぞ∑( ̄ロ ̄|||)にゃんと!? 江戸時代の武士は、たとえ左利きでも、刀は左に差すのが
ルールなのに、着物を右前に正しく着ている川路聖謨はどうして刀を右に差してるのさヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
左前に着ている川路聖謨のはちゃんと左に刀を差しているけど、コレが元のモジャイスキーのとなると、
刀を「反対側に移して撮影するといった配慮」がモジャイスキーにあったことが判るじゃん(〃'∇'〃)
wikiの「川路聖謨」の画像は正しく右前に着てるのだけど、刀が見えないよう小細工されてるね(^_^;)

昨夜は布団の中も寒く、今日は一転してメチャ寒い一日だよ(+_+) もう湯たんぽ用意すべきか(@_@;)
タグ:随筆 写真 歴史
コメント(22) 
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コメント 22

ニッキー

え〜と・・・刀を右に差すことはないだろうから
正しい右前だったのか(⌒-⌒; )
midrinnさんのおっしゃる通り
モジャイスキーさんの細かな配慮によるものか(°_°)
今となっては謎ですねぇ(゚O゚)\(- -;
今日は百里前行きましたが、曇りでそれなりに寒かったです(*_*)
by ニッキー (2018-12-02 17:27) 

middrinn

着物が右前か左前か、それが左右反転している点だけでも
ややこしいのに、刀が右に差してあるか左に差してあるか、
書いてる小生も何が何だか^_^; 飛行機写真愉しみ(^o^)丿
by middrinn (2018-12-02 17:31) 

hanamura

え?ドコ?寒い場所?暖冬ですよぉ! 心が寒い? 懐の寒いワシ?
『歴史と人生と』アッチ、重いですねぇ~!
『人生と歴史と』コッチ、かなり、重さが軽減されますかね?
 兎に角(?) 格差社会は、なんとかせねば!
(土日も仕事(?)で脳煮状態)
by hanamura (2018-12-02 17:32) 

middrinn

今日はメチャ寒いんですけど、これで、
hanamura様の会社が儲かって、その
懐も暖かくなりそうですかね(^_^;)
by middrinn (2018-12-02 17:34) 

そら

刀を左にさすのは右手で刀を抜きやすかったからでしょうかね?
でもそうすると着物は左前の方が右手を懐で温められるのでいい様な気もしますが・・・
by そら (2018-12-02 18:13) 

middrinn

刀は右手に持った方が相手の心臓を攻撃し易いとか聞きますが、
正確な理由は知りませんm(__)m 右前(=見た目がy字)の方
が右手を懐に入れ易いので温めることが出来そうですね(^_^;)
by middrinn (2018-12-02 18:33) 

そら

度々失礼しますm(_ _)m
あら?? わたくし勘違いしてましたぁ、前ってそういうことだったんですねぇ(^^;
by そら (2018-12-02 18:51) 

middrinn

実は小生もよく知らなくて、「左前とは」で何度も何度も画像検索して、
見た目がyの字の右前が正しい、と憶えようとしているところです^_^;
by middrinn (2018-12-02 18:56) 

センニン

こんばんは。
この場合の「前」は「手前」のことですから、左側が手前、右側がその外、というわけですね。
以前ある CD のリーフレットで指揮者の服(もちろん洋服)が左前になっていましたので妙だなと思ったのですが、実物の CD を見るとジャケット写真は正常でした。リーフレットは裏焼きだったのでしょう。フィルムを使っている頃はそういうこともあったでしょうが、デジタルの時代では普通は起こらないはずですね。

洋服の場合はボタンをかけるので右利きが多い社会では右前の方がやりやすいですね。
女性の服はなぜ逆なのかという理由はよくわかりませんが、授乳のためとか、赤ちゃんの耳が心臓の方に来るようにすると体を懐に入れるのに都合が良いからだという説もあるようです。
ではなぜ和服はそうではないのかという事になると更にわかりません。
by センニン (2018-12-02 19:57) 

middrinn

ネットで検索すると、左大臣・右大臣のように、
左の方が上位だから、とか書いてあったような
気がしますが、右前=yの字で頭は一杯(^_^;)
by middrinn (2018-12-02 20:26) 

ワンモア

男性と女性の服がお互いに逆なのは、
それぞれが脱がしやすいからだという艶話を聞いたことがありますな。
試したことはありません(笑)
by ワンモア (2018-12-02 20:36) 

middrinn

ワンモア様へ( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 特製艶話座布団1枚 ♪
by middrinn (2018-12-02 20:41) 

たじまーる

毎日たくさんの本をお読みになられているmiddrinnさま(*'▽')
速読しつつも本の内容もしっかりとインプットされているような
印象を受けております。
自分はマンガばかりで活字に弱いので改めてmiddrinnさまは
すごいなあと思っておりますね(≧▽≦)
by たじまーる (2018-12-02 23:36) 

ナベちはる

暖かかった日が一転して寒くなるのは、嫌ですよね…orz
by ナベちはる (2018-12-03 00:35) 

mimimomo

おはようございます^^
今、川路聖謨の写真を見てみましたが、古い写真で刀を差した(左側に)写真の着物がまともに着られているのか左前か判然としないです。
しもやけは血液の循環が悪いと出来ると聞きますが・・・どうなんでしょうね。わたくしは子供のころからひび割れはよくできましたが不思議としもやけにはならなかったです。良くマッサージをすることなのかしらね。
by mimimomo (2018-12-03 06:24) 

Rifle

洋服と違って和服は女も男も合わせ方は同じですが、撮影者が知らなかったにしては刀の事だけは知ってた?とか・・・ダゲレオは左右反転するんで撮影者は事前準備をするのが普通でしたが、準備漏れとか知らないからそのまま写っちゃったなんてのも当然あったでしょうねぇ。
by Rifle (2018-12-03 06:44) 

middrinn

読んでも頭に残らないので、こうして書いてますが、
それでも、忘れちゃうことありますからね(ノ_-;)ハア…
たじまーる様御推奨の麻生みことの『路地恋花』と
『小路花唄』をちょびっと立ち読みしましたよ(^^)
by middrinn (2018-12-03 06:53) 

middrinn

気温は昨日と今日で一変しましたからねぇ(´ヘ`;)
ナベちはる様も体調管理お気を付け下さい(^o^)丿
by middrinn (2018-12-03 06:59) 

middrinn

やはり血行ですよねぇ(´ヘ`;) よく歩かれてるから、
mimimomo様はシモヤケ知らずなのかしら(〃'∇'〃)
今日からはしっかりとマッサージしてみますp(・ω・*q)
by middrinn (2018-12-03 07:01) 

middrinn

武士は全員が左に刀を差していたから、流石に
気付いたのかも(^_^;) 準備も大変そうですし、
Rifle様のおっしゃる通りかもしれませんね^_^;
by middrinn (2018-12-03 07:04) 

そらそら

しもやけにはタイガーバームが素晴らしい効能を示すのですが、今は国内でタイガーバーム入手が難しくなってしまいましたからねぇ(>_<)
軽いしもやけならばタイガーバーム塗って、ラップで足指巻いてから靴下履いて寝れば次の日には完治。
まぁ大人になった今では霜焼けとはトンと縁が無くなりましたが(*´ω`*)
by そらそら (2018-12-03 19:38) 

middrinn

みどりん、まだ子供でちゅから(-ω-、) 子供の頃に、
タイガーバームは何にでも塗ってましたねぇ(^_^;)
たしかに、いつのまにか家から消えました( ̄◇ ̄;)
まだピエール・ボナール展の予習、終ってない^_^;
by middrinn (2018-12-03 19:54) 

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