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170515読んだ本

あしたのために(その1)・・・やや内角をねらい えぐりこむようにして 読むべし! 読むべし!
でも闇雲に手当たり次第に読みまくっても頭に残らぬ(+_+) レディネスや動機付け等が大事(^^)v

【読んだ本】

畠山清行『日本の埋蔵金』(中公文庫,1995)所蔵本

数日前に読了後、付箋を貼った箇所のみを再読し始めたが、あまりの多さにやっとこさ再読終了^_^;
角田喜久雄の時代伝奇小説に埋宝が出てくる作品が幾つかあったので、本書を本棚から取り出して、
パラパラ斜め読みしたら(『東京埋蔵金考』中公文庫の他にも角田が「埋蔵金関係の実説的な著述」
を2冊も出してたことを本書「あとがき」で知った)、「秀頼の九州落ち」という見出しが目に入り、
つい惹かれて、本書を読むことにした次第^_^; とはいっても、本書が紹介する当該伝承(豊臣秀頼
は薩摩に落ち延びて、豊後日出藩の系図に載る初代・木下延俊の弟・宗連が秀頼とされ、木下延俊の
次男で分家して立石藩藩主となった延由が実は秀頼の一子・国松とされていること等々)は、借りて
読んだ前川和彦『秀頼脱出~豊臣秀頼は九州で生存した』(国書刊行会,1997)で知ってたけど^_^;
この種の伝承・伝説、埋蔵金、宇宙人等々を信じているわけでもなければ否定してるわけでもなく、
どっちでもいいよ、というスタンスの小生^_^; 以下に本書について思い付くままメモっておく(^^)
「あとがき」によると、「埋蔵金を実証的にあつかった著書」を「秋鹿[あいか]英」名義のものも
含めて過去に3回だしていたそうだが、本書が「決定版」の由(^^) ただ、「あとがき」の次の頁に、
「本書は『日本の埋蔵金 上・下』(一九七三年二月 番町書房刊)より一部を収録したものです。」
という版元による断り書きがあり、本書に収録されたのは、多田銀山、結城晴朝の埋宝、赤城の埋宝
(維新前夜に幕臣が隠した場所は赤城以外にもあったとして、それらの話についても紹介してる)の
「日本の三大埋宝」なんだけど、「解説」を除いても462頁あるのに「一部」なのかと驚いた(゚o゚;)
ネットで調べると番町書房から続篇『新・日本の埋蔵金』も出てたから埋蔵金話は多いのね(@_@;)
荒俣宏「解説」は期待ハズレで、博覧強記なアラマタならではの情報が皆無で(『本の愛し方 人生の
癒し方 ブックライフ自由自在』[集英社文庫,1997]の著者なんだしさ、続篇の存在を始め関連書誌
情報にも触れてくれ)、糸井重里の赤城山発掘等どーでもいい話ばかり(+_+) しかも、末尾で著者を
扱き下ろすためとしか思えぬ問いを著者に対し発してるが、もし著者が生きてれば、どう答えたかは
本書の記述から予想できる愚問じゃんか(+_+) また荒俣は〈名うてのトレジャーハンターといわれる
メル・フィッシャーやマイケル・ハッチャーも、文献記録の分析に十数年をかけている。本書の著者
の畠山さんが「地面を掘るより資料を掘れ」と、宝探しの奥義を説いているとおりなのである。/
埋蔵金探しは、そうした記録、伝説、口伝を含む資料との格闘であるからこそ、ロマンを越えて知的
な冒険になり得る。本書が読みだしたら途中でやめられないほどおもしろい最大の理由[わけ]も、
まさしくそこにある。〉とするが、本書に関して言えば、その「理由」は的外れだと思うけどね(..)
本書は「資料」の内容を説明してくれてはいるが、例えば、その地名・場所が本書掲載の地図に全く
載ってないから、「資料」の謎解きの面白さは追体験できず(@_@) 載せなかったのは意図的かと(..)
「あとがき」の言葉を借りると、「一生を棒にふる人間が出ない」よう敢えて伏せたのだと想像^_^;
「あとがき」に「雑誌、新聞、あるいはテレビ、ラジオに[埋蔵金の情報として]使われたものが、
どうして私の著書の盗用とわかるかというと、私の文章には『囮』がしかけてあるからだ。・・・盗み
どりされた場合、一目でわかるような仕掛けが文章の中にしてあるのだ。」とある点からの類推^_^;
小生的に本書が「おもしろい最大の理由」は、本書が紹介してる埋蔵金探しの話そのものが奇想天外
摩訶不思議な内容で、角田喜久雄の時代伝奇小説を読んでる気がしたほどの面白さだったから(゚o゚;)
前記「仕掛け」が施してあるとはいえ「・・・話の筋そのものには、いささかも嘘や創作がないこと
をお断りしておく次第である。」とあり、事実は小説より奇なり、か(@_@) 荒俣曰く「本書の原版が
出版された昭和四十八年時点で、氏はすでに五十年も埋蔵金問題を調べつづけており、集めた資料が
二百ヵ所以上にもおよび、その多くに徹底したフィールドワークをかけていた。」と(゚o゚;) 著者の
調査研究方法は興味深いので抜き書きしておく(^^) 「昭和に入ると、私は社会運動から身をひいて、
文筆生活に入った。専門は〝近代史〟で、それも学者がするように、他人の調べたものを、その著書
かなんかひっくり返して適当にまとめあげる〝書斎の歴史家〟ではない。可能な限り、その関係者に
会って話をきき、目で見、足で調べて、事実を書き遺すことを使命と考える〝近代史屋〟なのだが、
・・・」「それが、急にこの多田銀山の埋蔵金と、まじめに取り組むことになったのは、戦後もかなり
経って、いわゆる学者の調査研究した正史、あるいは歴史というものに疑問をもちだした昭和三十六、
七年頃からであった。この疑問は、私が〝聞き書き歴史〟という〝足で書く(実際に自分で歩いて
調べて書く)近代史〟に手をつけはじめてからだが、・・・」「いわゆる〝歴史〟なるものが、必ず
しも真実を伝えていないことが段々わかって来たからである。」「というのは、今まで、正史、ある
いは真相として伝えられていたことに、でたらめなつくり話が多く、また当然書かれていなければ
ならないことも、いろんな事情で抹殺されたり、修飾されたりしていることがわかって来たからで
ある。」「だいたい、歴史家といわれる学者や大学教授は、書斎にこもって、文書類をひねくり回し、
寄せ集め、自分勝手な判断で正誤をきめて、歴史をつくりあげているのだ。とすると、えらそうに
自慢話を書き残したものだけが正史としてまかり通って、実際にその局にあって苦労しながらも、
記録など残さなかったものは一切抹殺され、関係者の死と共に永久に葬り去られてしまうのである。
歴史とは、こうしたものだ。と、私は知ったのだ。」「いずれにしても、現地を精査し、資料を充分
に検討しないで〝眉唾もの〟ときめてかかるのは何々博士、何々教授が書斎の中で調べあげた古文書
だけを証拠に〝正史〟なるものをつくりあげているのと五十歩百歩だ。」・・・著者の言いたいことは、
よぉーーーーーーーく解るぞ(;_;) 事実と真実は違うとゆーか、歴史を調べて書くのは難しいよ(..)

若宮詩暢が好きだけど桜沢翠先生も好い^_^; 「みどりん」と呼ばれてるのかなψ(*`ー´)ψゥヶヶ
タグ:歴史 技法
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